始まりは産まれたところから
流行りの異世界ものやりたくて見切り発車しちゃいました。
「あっ! オレ 死んだ。」
その時は突然 訪れた。
天命をまっとうしました。
別にパソコンのハードディスクの初期化を頼む必要はないが、後に残る家族に伝えたいことはあった。
妻と4人の子どもたちへ
オレは高等学校2年生の時に病気で右肺を失くしていた。 残っていた左肺に穴が空いた。 多分気胸だ。 過去に1度経験がある。
50歳を過ぎて体力、気力の低下が気になっていた。 思うように体が動かない。併せて、このところの仕事のストレスが溜まっていたのが原因か?
息を吸いこんでいるのに、空気が抜けていく。
吸っても、吸っても。 呼吸が出来ない。
「ヤバい」
救急車を! 空気! 空気! 空気! 空気! 空気! 空気! 空気! 空気! 空気! 空気!
左手が胸をかきむしるように押さえつけ 右手で宙を掴む。 酸素が足りない。
足りない! 酸素! 酸素! 酸素! 酸素! 酸素! 酸素! 酸素! 酸素! 酸素! 酸素!
頭が、ぼーーっとする。 酸素が足りない。
- - - たすけは、ー - 、来ないのか?
- - - 脳が考えることを止めた。 - - - 目の前が暗くなる。
- - - 妻よ - 。
そこで意識を失った。
◇
「えっ!生きてる?」
う~ん。 気持ち悪い。 うす暗い。 まわりがよく見えない。 目があいていなのか?
記憶が曖昧なのだが・・・。
確か呼吸困難になって・・・ 、病院ではないのか? 手、足の感覚が・・・。 上手く動かせない。
寝たきり状態なったか? --しかし、眠い。
「------------xx--xx--」
「----xxxx----」
「xxxx--------xxxx----」
気付いた時には、まわりに知らない人がいる気配がする。 会話が理解できない。 外国か?
おっおっおっ! 突然誰かに抱きかかえられて、持ち上げられた。 男!? 医者か?
そこまで体重が軽いはずではない・・・。 笑ってるような、見知らぬ顔が近づく。
視力が落ちたらしい。 ぼやけているし、色彩もはっきりしない。
「あぁ~~~。 うぅ~~~。」
声が・・・。 上手く喋れない。 あっ!
今度は女の人に抱かれたようだ。 顔の横にあたっている胸の感触で気が付いた。 そう、気が付いた。
オレは、身体が小さくなっているような。 どこかの、名探偵のような???
いや! 違う。 赤ん坊になっているらしい。 いったい何故か?
この身体は、すぐに眠くなる。 ・・・・・。