イーリス国の第一王女
ロア、トロン、セリスと4人での食事を終えてクロビはロアの試作魔動機が置いてある裏手の倉庫に来ていた。
「クロさん! その……わ、笑わないで下さいよ」
「笑わないよ。 とりあえず見せてくれ」
ガラガラっと倉庫の入り口を開けると、そこには少し大きめの飛空魔動機が置いてあった。
「これが試作品です。 イーリスの偵察部隊が使用してるのはマンタの形をしていて、主に足場の固定の為に【吸着】、【浮遊】で浮かせる。
そして【風】の魔術を【噴射】して、後は魔力操作で微調整しながら飛ぶんです」
「なるほど! でも長時間って考えるとその分魔力は消費されるよな?」
「良い所に目を付けますね。 そうなんですよ。 だから結局のところ偵察にしか向かないんです。
戦闘に参加して魔力を余計に消費すれば乗って帰る事が出来なくなりますからね」
「意外と不便なんだなー。 まあ俺の魔力量なら問題ないか」
「そうなんですか? クロさんって茶色に見えるんですけど……」
「ああ、ままそこは色々とあるんだよ」
「そう、ですか……?」
何とかごまかせたかな?まあ、茶色だとしてもウーパー式魔力増量法を用いれば誰でも出来るんだけど。
「ちなみに、クロさんはどんな飛空魔動機を希望なんですか?」
「ん~そうだな……マンタはちょっとな……イーリスと被るし、どうせ飛ぶんだろ? ドラゴンだとデカ過ぎるし、無難に鳥の形とか?
それで、通常の魔動機よりも耐久性を上げて欲しいな。
風の魔術で噴射させた時、多分魔力を多く流せばそれだけ強い噴射で速度が上がると思うんだけど、今のやつって結局、それ以上の魔力を流したら、たぶん本体が維持出来ないだろ?」
「そうですね! どちらにしてもそこまで魔力を維持出来る人間もいませんから。 仮に最大値が10だとしても、今の兵で最高7程度だと思います」
まあ魔力量を増やす方法が出回らない限りは、今の状態で量産するんだろう。
でもそれだと俺が乗った場合、長時間の稼働でオーバーヒートして内側から壊れる、もしくは魔力を多く流し過ぎての膨張、破裂してしまうかもしれない。
だから、そこをクリア出来る状態にしなければならないのだ。
クロビはその旨をロアに伝えると、少し渋い顔をして考え込む。
「とりあえずデザインは鳥で決めたとして、耐久性か……その前にクロさん、魔力を計った事はありますか?」
「魔力を? ん~そういえば昔は何度か計ったよ」
ウーパーさんの魔力増幅研究の実験台として、その変化を調べる為に毎日魔力を計りながらその上限を見ていた。
「その時がどの位だったかは分かりますか?」
「えっと……確か、最後に計った時は数字で3000位だったかな?」
「はっ……!?」
「いや、だから3000だって」
「いやいやいやいやいやいやいや、そんなおかしな数字聞いた事ないですよ!イーリスの偵察部隊でさえ500とかなんですから!」
「そうなの? どっかの国だと5000が基準とか言ってたぞ? 多分それはローズベルドだと思うけど」
「あそこと一緒にしないで下さいよ!」
「それに、最後にって言っても3年位前の話しだから今はそれより上だ。
毎日鍛錬とかしてたし」
「もう……クロさんが規格外過ぎて付いていける自信が無くなってました」
「まあ、とりあえずそれを基準に作ってみてくれ! 必要な素材とか言ってくれたら頑張るから」
「はい……」
「ちなみにだが、ロアも頑張ればそのくらいの魔力量になるぞ? 希望するなら方法教えるけど」
「いえ、なんだか地獄が見えるので大丈夫です」
「そうか」
まあどんな鍛錬でも慣れないうちは身体を酷使するから地獄なんだけど。
「とりあえず三日下さい。 それまでに色々準備してみます。
父の件はセリスさんが力になってくれるらしいので、どうにかなりそうなんですよ」
「おお、それは良かったな! じゃあ俺は適当に過ごすか。
また来るよ!」
「はい、改めてありがとうございました!」
クロビは倉庫から出ると、とりあえずイーリスの栄えてそうな場所を探して歩いていった――
・
・
・
イーリス国――
今でこそゴルデニア大陸の港湾都市クルッシュとの貿易によって魔道具が広まり、安定した国へと成長を遂げた。
しかし、第一王子のアルフレッド然り、蓋を開ければ私利私欲が渦巻く荒んだ国でもあった。
街並みは魔道具で夜でも明るく照らされ、大通りに出れば魔導駆輪が走っている。
王城があり、貴族住居区域、平民区域、産業区域、、商業区域に学園と大きく分かれていて、ローズベルドに比べると非常に大きな国でもあるのだ。
「さてと、飯も食ったし軽く飲むかな」
クロビは栄えている酒場へ入った。
「いらっしゃい! テキトーに空いてる席にでも座ってくれ!」
店の中は沢山の人で賑わっていた。
その中には騎士や兵らしき人達もいるが……多分大丈夫だろ。
「エール1つと、肉系でつまめる物を」
「あいよ!」
しばらくすると料理とエールが運ばれ、クロビの前に置かれる。
それをグビっと飲み干すと、もう一杯とおかわりを頼み、のんびりつまみを口に入れる。
一応、情報収集も兼ねてと周囲の会話に耳を傾けると、様々な話が飛び交っていた。
「ねえ、いつになったら私と結婚してくれるのよ~?」
「おいおい、酔った勢いで言うもんじゃないぞ?」
「だって……」
「ちゃんとその為に動いてるからな! 今日も楽しくハッスルしようぜ!」
「もう! そうやっていつもはぐらかして……でも待ってるわね」
(ん~まあこの二人が幸せそうならいいんじゃないかな?)
「おい、聞いたか? 殿下がようやく正気に戻ったらしいぞ」
「本当か!? ありゃあキツそうだったしな……でもあの戦争も結局は求婚に失敗した腹いせって噂も流れてるからなー」
「確かに、あれって魔女の呪いだろもはや。 俺なら無理だー」
「でもあの魔女、やべぇよな! 色んな意味で」
「だな、一回抱けるなら死んでもいいってちょっと思ったもん」
「俺もー」
(やっぱ男はそうだよな。 あれ見たらそう考えるよ。 うん。)
すると、思わぬ会話が聞こえて来た。
「そういえば〝紅眼の死神〟がこの国にいるらしいぞ?」
「何だって!?」
「シーっ! 声がでかい!」
「す、すまん。 でも本当なのか?」
「ああ、しかも王城に出入りしてるって……」
「何か企んでるのか?」
「かもな」
(なんと……でも俺は王城なんて入ってないから、前にゼオが言ってた偽物か。 全く……お灸をすえてやらないとな。ってさすがにここじゃゴルバフの情報はないか)
クロビは二杯目のエールを飲み干すと、お金を置いて外に出た。
「さて、偽物の件もあるし、ちょっと王城近くまで行ってみるかな」
クロビはその足で向かうと、途中で大きな門があった。
「おい、ここから先は貴族の区域だ。 平民は通行証が無ければ入れない」
「あ、そうなんですか。 じゃあ戻ります」
兵士もシッシッと手を振る。どうやら貴族と平民の差別は根強いみたいだな。
仕方ない。クロビは人目の付かない裏手へ回ると、そのまま跳躍して建物の屋根へと上り、そのまま貴族住居区域へ侵入、王城を目指した。
※ ※ ※ ※ ※
≪イーリス城≫
「ミラ、今日も街は賑やかね!」
「そうですね。 ちょうと夕食を終えてお酒を嗜んでいるのでしょう」
「わーたーしーもーのーみーたーいー」
「少し、であれば持ってきましょうか? と言っても、メイ様そんなに飲み慣れていないでしょう」
「そうだけど、私も16だよ? 大人だよ? じゃあ飲んでも平気でしょ?」
「分かりました。 もう我儘なお姫様なんですから。 少しお待ち下さいね」
「やったー! ミラも一緒に飲んでね?」
「はいはい」
しばらくすると、ミラがワインを持って部屋へ入って来た。
「メイ様が飲んだ事あるのはシャンパンですが、これはワイン。
なので酔いも早いと思いますので、一杯だけにしましょう」
「はーい!」
ミラがそれぞれのグラスにワインを注ぎ、チンっと乾杯をする。
そして、コクコクと口に入れていく。
「ミラ、これで私も大人みたいでしょ?」
「私としてもメイ様には普通に大人の嗜みを覚えて欲しいのですけどね……
ただ、そんな渋そうな顔して言われても説得力に欠けますよ」
シャンパンはシュワシュワしている分飲みやすいのだが、ワインは渋さもあり、意外と好き嫌いが分かれる。
とは言え、貴族は好んでワインを飲むのだが……
「大人になる為に、頑張れ私!」
「無理しないでくださいね」
「はぁ……街は楽しそうなのに私はここで眺めてるだけ。 お父様の命だし仕方ないんだけど、私はいつまで箱入りなんだろう?」
「詳しい事は教えて下さりませんからね……」
「でもその分ミラが教えてくれるから良いけどさ。 ミラって私のお姉ちゃんだしー」
「侍女ですよ私は。 まあ姉と慕ってくれるのは嬉しい限りですけどね」
「普通の侍女は、しかも王女の専属はもっと敬意を持ってるわよ?」
「それは、私とメイ様の関係ですから。 勿論、公の場はちゃんと侍女しますよ」
「冗談ですよー! ミラで良かったもん」
二人は軽めにワインを嗜み、やはり無理して飲んでいたのか、王女はそうそうに眠りについてしまった。
そして数時間後――
「まだ慣れてなかったかな。 寝ちゃった……街はまだ明るいんだな~……って、あれ?」
窓から外を眺めると、窓枠の右側に黒いヒラヒラしたものが見える。
「あんなものあったかしら?」
気になって窓へ近づくと、やっぱり上の屋根の方から垂れている。
窓を開け、それを確認すると……
「――!? 人、よね? 男の……何してるのかしら……まさか暗殺?
でも寝てる……器用に屋根の上で……」
普段から部屋に閉じこもっている王女にはその光景が非常に珍しく、そして興味を強く引くものだった。
「あの? ちょっと起きて?」
垂れてる黒い部分を引っ張ってみる。
「ん……? なんだ?」
「えっと、貴方はなぜそこで寝てるのかしら?」
「ああ、悪い! 街の様子を見てたらそのまま寝てた」
「そ、そうなの? でもそんなところで寝てて風邪ひかない?」
「多分、大丈夫じゃないか? と言うか、君は?」
「私は……」
(ここの王女ですって名乗って平気かしら? でも、悪い人ならこんな場所でのんびり寝てないわよね……)
「私はイーリス国第一王女、メイリーン・ロウ・イーリスです」
「ああ、王女様だったのか。 俺はクロだ。 ただの旅人だな」
王女って事は、あのバカ王子の妹になるのか?俺よりも年下っぽいから多分そうだろう。
と言うか、見ず知らずの男に自ら王女って名乗って平気なのか?
「旅の方が屋根で寝るって変よ?」
「確かに」
「でも、旅って事は色んな所に行くんでしょ? よ、良かったら旅話聞かせてくれない?」
「ん? まあ良いけど楽しいかどうかは分からないぞ」
何か、前にもこんなシチュエーションあったな。
こうしてクロビは隠したい部分は伏せながらメイリーンに話していった。
「楽しそう! 私ね、ずっと箱入り状態だから自由っていう響きに憧れてて……だからそういう話大好きなんだよ」
話を聞き終えたメイリーンは目をキラキラさせながら微笑んだ。
よく見ると顎のラインまでの長さの金髪に青い眼、背は160台だろうかやや高めだ。
エリネールと比べると、って比べるのは申し訳ないんだけど、それでも胸はしっかりと実り、出るところは出て、引っ込むところは引っ込んでいる。
まあこれが普通に理想的な体型なんだろう。
それに自由、か。ルージュもそんな事言ってたし、何か似たような人ばっか出会うな。
「メイリーンは外に出たりしないのか?」
「――!?」
「ん? どうした?」
「いえ、家族以外の男性に名前を呼ばれたのが初めてで……それに、これでも王女だから皆話し方が、ね……
って言っても何年も話してないんだけど」
「ああ、そういう事か。 なら敬語でメイリーン様の方がいいのか?
俺は貴族でもないからその辺疎くてな」
「ううん、いいの! と言うか……その、もし我儘を言うなら、メイリーンじゃなくて……〝メイ〟って呼んで欲しい、かな?」
メイリーンは少し恥ずかしそうに、まるで勇気を振り絞ったかのように伝える。
「メイか、分かった」
「私も、私もクロって呼ぶ!!」
男との会話に免疫がないのか、それでもメイって呼ばれた事に満面の笑みを浮かべて嬉しそうに話す。
「おう!」
「じゃあクロ、えっと……魔術って使える?」
「魔術? まあそりゃあな」
あれ、これもデジャヴかな?
もしかしてメイも……ですか?
「お、お……」
「お?」
「教えてえええ!!!!」
やっぱりかああ!!!!
「ちょっと待ってて!」
メイリーンは小走りに部屋の本棚から魔術書らしきものを持って来た。
「これなんだけど……私全然出来なくて。 魔力あるのに」
「学園は?」
「学園は、最初の2年間は通ってたよ。 でもお母さまが亡くなってからはお父様、イーリス国王が『お前は行かなくていい』って突然言い出して……
それで家庭教師に変わったの。 でも教えてくれたのは主に座学。
魔術に関しては魔力操作しか教えてくれなかったんだ」
「ちょっと貸してみ」
クロビはメイリーンから魔術書を受け取ると、本の状態や中身をパラパラ見始める。
そして――
「これ、どっから持って来た?」
「それは家庭教師の人がくれたやつだよ。 もう10年位前だけどね」
「なるほど、本自体も新し目と言うか……作られた感が凄い。
それに、書かれてる術式も敢えて展開出来ないものになってるぞ?
要するに間違った術式だから発動出来ないんだよ」
ええー!?っとメイリーンは驚きの表情を浮かべ、その場に立ち尽くした。
「まあ国王の命で箱入りになって、更に魔術を意図的に行使出来ないようにしている、きな臭いなー! 王族ってみんなそうなのか?」
「他の国の王族は分からないけど……にしても過保護な気はするよ。
侍女のミラもそう言ってるしね」
メイリーンも大変な境遇だな。何かしらの力が働いてるなら俺がどうこう出来るものではないが……
「よし、じゃあ魔術くらいなら教えてあげるよ。 しばらくはこの国にいるからな」
「ほんと!? やったぁ~!!!」
メイリーンは少し沈んだ表情だったが、クロビが承諾すると満面の笑みを浮かべて喜んだ。
「魔力操作は出来るだろ? じゃあ何か書くものある?」
「書くもの書くもの……これなら!」
メイリーンは近くの机にあったペンを渡した。
「この魔術書、ちょっと書き足すけどいいよな?」
「うん! 使えない魔術書なんて魔術書じゃないもん」
クロビは書かれてる術式を本来の形に直してメイリーンに説明していく。
「魔法が使えるんだったらその方が早いのかもしれないが、俺は使えなかったと言うか、仕組みを理解してないから魔術で許してくれ」
「魔法はローズベルドの魔女様が使うやつでしょ?」
「そのようだね」
「クロは会った事あるの!? 絶世の美女って話は聞くし、魔女様ってくらいだから知識も凄いんでしょ?」
「ああ、ここに来る前はローズベルドに居たからな」
「へぇ~! でも、それでよくイーリスに入れたね? 一応お兄様が戦争吹っ掛けて結局フラれたみたいだけど」
「はははっ! 言うね!」
「だって私は平和主義だから! それに、フラれた腹いせってお兄様が悪いのに全部魔女様のせいにするなんて酷いよ! 許せない!」
「まあ本人は気にしてなかったけどな。 寧ろ呆れてたし」
「そうなんだ~! 一度で良いから会ってみたいな! まあ今の状況だと難しいかもしれないけど」
今はまだ戦争明け、それにイーリスとローズベルドの関係を修復するとなるとかなりの時間がかかるだろう
「その内どうにかなるかもな! で、とりあえず魔術に関してだけど、簡単に言えばイメージを一つの形に定着させ、そこに魔力を注ぐ事で発現させるもの。
その為、火なら火、水なら水の文字列を組み込んだ術式を覚えてしまえば簡単に行使が可能になるんだ。
学園の場合、それが既に教本に載ってる事で知識として得やすいんだけどな」
「…………」
メイリーンが若干上の空だが、続ける。
「だからまずは何も組み込まれていない『基盤式』を覚え、展開させる練習をするんだ。
頭の中で浮かべた基盤式に魔力を流して発現させる。
これが慣れたら、次は基盤式に火・水・風・地などの属性文字列を加えていく。
そうする事で火なら火の術式が完成するという訳だ」
「ん~難しい~」
「まあ俺も学園に通ってた訳じゃないし、全部独学だからな。 もしかしたら俺がやってるのは魔術と魔法の両方かもしれない」
「え~何それ!? どういう事?」
「魔法って言うのは主にイメージ主体なんだとさ。 それを魔力を用いて発現させる。
魔術は既に出来上がった術式に魔力を通して具現化させる。 それの違いみたいよ」
エリネールが言ってた事をそのままメイリーンに説明した。
「う~ん、頭痛くなってくるね」
「まあ、ようするに……スポンジあるだろ?ケーキの」
「ケーキのスポンジ? クリームとかフルーツがない生地の状態って事?」
「そう!それが基盤式。 そこにクリーム、チョコ、フルーツなどの属性文字列を組み込み、行使したい術式を完成させるって事。 そして仕上げに――」
「――魔力を通すって事ね! わっかりやすーい」
良かった、通じたようだ。
「ちなみに、これが火の魔術ね」
クロビの手から術式が展開され、ボっと小さな火が生まれた。
「火の魔術! こんな感じなんだね!」
「魔力をより多く流したり、術式を組み合わせたりすると威力の高い強力な魔術にもなるよ」
クロビは魔術書の空白部分に火、水、風、地の文字列を書いていく。
「ちなみに、属性文字列はかなりあるから、それは城の書物から探して覚えてくれ。
例えば、火球の魔術であれば、火の文字列、球体の文字列、放出の文字列が組み込まれた術式になる。
恐らく学園では、これが一体化されてると思うけど、本来は三つが組み合わさって初めて火球になるからね」
「ありがとう! じゃあさっそく今から……はもう眠いから止めて、明日頑張ってみるね!
あの、また明日も来てくれる?」
「明日か? 分かった。 じゃあもう少し早く来るけど、城の人にバレたらまずくない?」
「バレたらまずいけど、私の部屋は侍女しか基本来ないから平気よ」
「分かった! じゃあ俺はちゃんと宿で寝るよ。 おやすみ、メイリーン」
「うん! おやすみなさい、クロ」
こうしてまたもや魔術の講義をする羽目になったクロビであった――
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