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先輩⑥



 休日。早朝、パジャマ変わりのシャツで起きる。色んな人が待ち合わせ場所に指定し遊ぶのだ。


「んんんん~起きたぁー」


ピンポン


「ん?」


 チャイム。私は背伸びをする。ハーフパンツに普通のシャツの姿で少し肌寒いかなと思いながらベットから降りる。


 ガチャ!!


 すると怒った表情のお母さんが表れて怒鳴る。


「銀。起きるの遅いわよ……玄関で友達まってるわ!!」

「友達?」

「男友達とデートでしょ?」

「あっ……うん………んんんん!?」


 慌ててベットから落ち玄関に向かった。玄関に座る背中に見覚えがある。高橋先輩だ!! 長袖、ジーパン姿の先輩がそこにいた。


「先輩!? どうして!?」

「あっ……お前……赤!? い、いや。そんなことよりこれ!!」

「ん?」


 玄関で座っている先輩に近付きスマホを見ると私からメッセージで9:00にお起こしに来てと書かれていた。思い出した……冗談のつもりだった。冗談ですと書いて送ってない。


「なぜか。事細かにお前が家を教えるからわかったぞ。マンションなんだな……表札も分かりやすくて助かったぞ。下水流」

「ごめんなさい。忘れてた……あっおはようございます」

「お、おう。おはよう。マイペースだな」

「ヘヘヘ……でも。なんか今日はいい日」

「そうか。早く準備はしなくていいから行くぞ」

「うん……朝食食べてく?」

「食べた」

「ごめん。先輩……着替えてくるね!! じゃけん!! 待ってて!!」

「ああ。玄関で待ってる」


 私はスクッと立ち笑いながらそそくさと自室に向かう。今日はいい日だ。朝から……朝から迎えに来てくれるなんて。


「んんんんんん!! たまりません」


 ガッツポーズ。さぁ早く着替えよう。先輩が待っている。






 玄関で待つ俺は……以外な服に目を奪われた。真っ赤。とにかく真っ赤だったのだ。


「……」


 その真っ赤な服と模様は記憶があり。そして……少しだけ。何処から来たかを思い出させた。


「……胸。あったな」


 口を抑えながらも赤い服の似合う下水流の姿を覚えている脳に思春期の俺はドキドキするのだった。







「あいつらおせーな……」

「そ、そうですね」


 震える私こと。一岡陽菜は坂本先輩と一緒に待ち合わせ場所のベンチに腰かける。フワッとした長めの茶色のスカートに白のブラウス。上に同じように白の羽織り。本来は色を変えるべきと言われたのだが……服が無かった。


 だから……おこずかいいっぱい。お母様からいただき。今日買うのだ。


 なお、坂本先輩は可愛いねと言ってくれた。恥ずかしかったが少しうれしい。小さいときから言われたことがなかったから……


「おせーな~ん~」

「あ、あのまだ10分まえですし」

「いや。10分前ぐらいにくるぞあいつは」

「高橋先輩がですか?」

「まぁーな。のんびりなようで早いときは早い」

「坂本先輩も早いですね?」

「陽菜ちゃんの私服見たかったから。早く来たんだよ」

「………///」


 私は熱く感じる。とにかく恥ずかしく間が持たない。助けて……銀ちゃん!!


「あっ……来た……えええええ……」

「坂本。やぁ~。一岡さんも、こん」

「坂本先輩こんちは~。陽菜ちゃんお待たせ」


 顔を下げていたのをあげると……高橋先輩と銀ちゃんは二人で手をあげて挨拶する。挨拶を私は返し、坂本先輩を見ると目が合い……そして。彼は頷いた。


 一緒に来ましたよ。この人達と言う視線に坂本先輩は答える。


「お前ら……一緒に来たんだな」

「高橋先輩が家に来てくれたんですよ~優しいですよねー」

「お前が来い言うたんだぞ」

「……それでも行くんですね」

「次の日、何騒がれるのが嫌だったからな」

「ブイ!!」


 銀ちゃんはVサインを私に見せる。私は本当に好きなんですねと落ち着いた目線を向けてあげたのだった。付き合ってないのが不思議に思うよ私は。

 








 


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