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先輩④


 文芸部室。普通の空き教室でありながら空調完備し、堕落を行うために作られたと言われる部がある場所。俺は用事を済ませたあと。ゆっくりと教室に入った。その瞬間にいつもならすぐに駆け付ける下水流が居ない事に気が付く。おかしい。


「ん? 下水流は?」

「あっち」


 同じ部活の同級生が指を差す。その先は教室のすみっこであり。一人でポチポチと三角座りで下水流はスマホを弄っていた。スカートの中は見えないようにしっかり前を隠し。床に座蒲団をひいている。用意周到なのは部室だからだ。


 少しづつ寒さも薄れた時期であり。すみっこでも壁は冷たくはないのだろう。


「下水流。なんでそんなすみっこに?」

「先輩。いいですよ。すみっこ」

「………」


 下水流と言う女の子の後輩は身長が低く少しだけ長めなフワッとした髪に童顔で。小動物のようなかわいさがある。明るい所もなお可愛く。毎日来るためにクラスでも噂になっている。


 特に男子生徒と仲がいいのが人気である。デブでも汚がらずに触れるのは驚いた。おなかを生で触る事が出来る女子で恐ろしい部分もあったが……すごくいいやつだ。


「……」

「先輩? ジロジロ観察してどうしたんです?」


 俺は顎に手をやり首を傾げた。唐突な行動の理由を考え……あることを思い出す。女の子らしい可愛い物が好きであることを考えて答えを導き出した。


「すみっこ○らし」

「先輩!? よくわかったですね!!」

「カバンについてるからな。可愛いよな」


 下水流は影響されやすい。


「俺もすみっこに行くか……」

「あっ……先輩どうぞ」

「おっ明け渡すなんて先輩思いだな」


 スカートを掴みながら下水流が避ける。そしてそこの座蒲団に座ったあと……目の前にスカートが見え。足に重さを感じた。


 下水流が俺の上に当然のような行動で座ったのだ。


「下水流……」

「すみっこ○らし」

「ああ。そっか」

「先輩~あったかい」

「あったかいなぁー」


 放課後の平和な時間。俺は下水流の尻の軟らかさを感じながらスマホ執筆を行う。周りから視線を貰うが気にせずに居ようと思うのだった。友達とのスキンシップのようなもんとして。


(((はよ、付き合えよこいつら)))


 皆が俺を睨むが……俺は男の嫉妬なのだろうと思うのだった。







「ん……ん……」

「ん?」


 部室棟の廊下で、俺こと坂本は一岡陽菜ちゃんを見つけた。ストレートの髪。膝上のスカート()け。真面目そうな雰囲気から漂うのは大人しい印象と優等生の印象だった。純情そうな子でそんな子がモジモジして……部室を眺めている。


「陽菜ちゃん」


 俺は気安く手をあげて下の名前で呼ぶ。呼ばれた陽菜ちゃんは……知り合いに出会ったのが嬉しいのか笑顔で俺を見る。もちろん口を押さえる。


 中々、可愛いよなと思いつつ。話を切り出す。


「なにしてる?」

「えっと………銀ちゃん待ってるのです」

「……ああ。文芸部に用事があるんだな。俺も俺も。今からさアイツと帰るんだ」

「高橋先輩とですか?」

「そうそう。高橋といつもいる金魚のフン」

「あっ……酷いですけど。なんとも言えないです。兄妹みたいなのがいいと思います」


 陽菜ちゃんもそう言う感じなのを理解してるようだ。


「陽菜ちゃん。ここで覗きながら待ってるのもあれだし。一緒に入ろうぜ」

「あ、あのでも……」

「なんだよ。なにもない………あったわ」


 部室を見た。すみっこで二人してスマホを黙々と打ち込んでいる姿が見える。


「仲いいなぁ……せや」


 俺はメッセを送る。


(陽菜ちゃん待ってるぞ銀ちゃん)

(知ってる。陰キャだから不安そうな顔見て楽しんでる。高橋先輩と)

(……)


 メッセを陽菜ちゃんに見せる。すると陽菜ちゃんがスマホで猛烈に勢いよく打ち込み出して驚いた。そう言う一面もあるんだなと。


「……」


 こっそり後ろから見る。


(酷い!! 銀ちゃん!!)

(陽菜ちゃんが勇気を出せば終わることだよ?)

(そ、それが出来ないからここで待ってるのに!!)

(にやにや)

(銀ちゃん!! ひどい)

(これも陽菜ちゃんの陰キャを無くすための訓練だよ。さぁ~教室のすみっこまでおいで~みーんな見てるよ)

(くぅ……)


 激怒スタンプ爆撃を陽菜ちゃんはする。俺は方を叩き。耳元で語る。


「一緒に行こう。怖くない怖くない」

「坂本先輩!?」


 耳元で語り手を繋いだ。スベスベした手で……俺は中々いい経験をして高橋を見る。


「下水流行くぞ」

「えっ!? 良いところだよ?」

「良いところだろうが。一岡が恥ずかし死にそうな顔をしてる」

「……良いところ」

「もう。いいだろ」


 銀ちゃんを渋々部室から誘い出す事が出来る。部室の皆が俺を見るがまたかと言う目線。


「ごめんな繋いで」

「……はい。恥ずかしいです」

「そうか?」


 俺はあまりの初な仕草にすこしだけ。ドキドキし、男なれしてないのはいいなと思うのだった。






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