先輩③
家のベットの上で寝間着だけでスマホをポチポチと操作して投稿用小説を書いている時だった。
ピロンと音がなりメッセージが飛んでくる。それはクラスメイトの私のような清楚系の女の子で可愛いと思う一岡陽菜ちゃんからだった。
高校生で前の席の大人しい子だったのは覚えてる。しどろもどろで自己紹介をするのを微笑ましく後ろから見て、連絡先を交換したのを覚えている。部活は入ってないので誘ってもいいのだが……
線が細く可愛いので高橋先輩を奪われそうで怖い部分があった。
(こんばんわー。今、いいですか?)
(いいですよー陽菜ちゃん。こんばんわー)
(明日昼~一緒に食べようよ~)
私はクラスメイトのお昼のお誘いにピンと来る。
(ボッチ?)
(ち、ちがうよ!? ごめん違わない……)
ちょっとまだ溶け込めてないようだ。
(いいよ。先輩たちと一緒だけどいい?)
(うん♪ ありがとう!!)
はい。かわいい。なんでこう……大人しい子ってズルいのだろう?
(じゃぁー明日誘うね)
(うん!! うん!!)
あー先輩に会わせたくないなぁー
*
「先輩。一岡陽菜ちゃんです」
「一岡陽菜ちゃんです……よろしくお願いします………」
「自分でちゃん言うんだね……」
「下水流に無理に付き合う必要ないからな……かわいそうに」
「えっ!? 先輩!?」
私は次の日の昼休憩の廊下で昨日約束した一緒に食べようを行うために紹介する。のだが……先輩が陽菜ちゃんの肩を叩く。
「一岡さん。悩みがあったら聞いてあげるよ」
「はは……はい……ええっと」
「先輩酷いです!? 友達です!! クラスメイト!!」
「そっか。お前にもしっかりと友達いたんだな。エア友達とかじゃなくて~ははは」
「ふあぁあああああ!!」
私は高橋先輩の背中を殴る。そして……素に戻り。握手をした。
「名演技です」
「そうだな。定番テンプレだな」
こうやって触れられることを心で喜びながら昨日から二人でやろうと言っていたのを実践していたのだ。坂本先輩はぽかーんとする酷いですちゃんの肩を叩く。
「……」
「一岡陽菜ちゃん。この二人はこんなもんだ」
「は、はい。仲がいいんですね」
「まぁね。食堂行こう行こう」
「はーい。坂本先輩」
「へーい」
紹介が終わり私と3人でいつもの食堂へ向かうのだった。
*
「今日は誰?」
「俺行こう」
「おっ……高橋頼んだ」
「??」
食堂で今日はカレーな先輩方が手を合わせる。一体何をと見る陽菜ちゃんに私はそのまま無視して待った。
「合掌」
「「「いただきます」」」
「あっいただきます」
何かがわかったのか細い綺麗な手を合わせる陽菜ちゃん。クスクスと笑いが込み上げて私の裾を引っ張る。
「これ……毎日やってるの~」
「もちろんっしょ~」
「ふふ。恥ずかしいよ~」
「のりたまとなった命を尊ぶのに恥ずかしさは捨てたわ」
「銀ちゃん~尊ぶの……のりたまだけなの……ふふふ」
何故かツボッたのか陽菜ちゃんは口を押さえて笑うのだ。まぁ私もニコニコしてのりたまも振りかける。
「いやー目の前に女の子見ながら食べられるなんて……青春してるわー」
「そうだな。って……坂本。お前彼女はどうした?」「別れた」
「……うまい棒ここにあるけど……いる?」
「そういう気を使うのやめてくれ。惨めになる」
「あっ代わりにください高橋先輩」
私は手を伸ばすが逃げられる。
「下水流。やらねーよ」
「本当に仲がいいんですね……すごいなぁー」
「まぁ銀ちゃんすごいね」
「まぁ下水流は変わってる」
「何故か私を奇異な目で見るんですか!?」
意外そうな顔をする。まぁ変わっている自覚はあった。高橋先輩を求め。上級クラスに殴り込み。廊下で告白擬きをするのだ。自分でもわかっている。
「まぁ~下水流さんと一緒で楽しいです」
「陽菜ちゃん。ありがとう!! 下の名前でいいよ」
「うん。銀ちゃん」
「陽菜ちゃーん」
私は陽菜ちゃんと手を結ぶ。
「ああ……尊い」
「まぁ……うん」
先輩方二人が顔を反らしたしたのだった。
*
夜、お風呂上がりにスマホにメッセンジャーが飛んでくる。
(今日ありがとう銀ちゃん)
(いいよ。陽菜ちゃん~)
(でっ……銀ちゃん高橋先輩のこと好きなの)
(………そ、そうや)
唐突な速球に私は対応誤り。すぐに肯定してしまった。
(うん……わかってた。見てたらわかったよ。坂本先輩にも教えて貰った)
(坂本先輩……まぁその……黙っててね。下駄箱の靴を隠したり。机の下に画ビョウとかつけたくないから)
(怖いよ~そんなことしないよー)
(冗談だよ~陽菜ちゃんの誠意しだいかな?)
(怖いよ!? ええ~)
まぁ本当に怖いのは陽菜ちゃんに先輩が惚れることなのだが。
(そうそう……どうして好きになったの? 出会って間もないよね?)
(食パンくわえて慌てて登校してぶつかって……)
(えっ!? 漫画みたい!?)
(ごめん。うちん家。白米派)
(…………)
スタンプで激怒のスタンプが貼られる。
(ごめんち)
(ゆるす)
なんかかわいい感じ。
(本当は?)
(廊下でね……入学式で皆が移動してる時に遅れて慌てて転けたの時に同じように遅れてた先輩に手を貸してくれたの)
(漫画みたいだね。漫画だね)
(本当だよ?)
(!?)
今度は驚いた姿のスタンプ。
(そ、そうなんだ)
(それから二人で遅刻した)
(www)
そう……あの日。私は先輩を知ったのだった。あっ回想がございません。悪しからず。