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転生先は魔王の娘でした。  作者: 成瀬イト
竜の巫女編
21/64

第十話 呪印の謎

初回のみ連続投稿します。

竜人族の始祖の生誕祭での事件から

数日が経った


イリアはエレノアに使役された女により

呪印が解かれ体調を取り戻したが

捉えた者たちは身元を割る前に

全員自害してしまったという。

女の仲間は7割が人間3割が魔族だったようで女自身も魔族のようだ。


竜人族ないの使用人の厳重な調査が行われたが事件を起こした女以外に怪しいものはいなかったという。

他にも呪印にかかった者はいないか

一族全てを確認したがイリアだけだったようだ。


イリアの呪印を解かせるのも相当の魔力を使うようで女は気を失った

その姿からも恐らく呪印を相手にかけるのに相当の魔力がかかるのだろう事は理解できる。

ところが女は気絶し意識を取り戻すどころかそれからゆっくり衰弱死した。

魔族の医者の見立てだと

無くなった魔力を回復するどころか

さらに消費しているようだという。


「使用人の人、昨夜亡くなったそうよ」


「あぁ」


イアンはあの日から少し表情が暗い。

事件のことを何も気がつかなかった自分に責任を感じているようだ。


「あの呪印、本当にかけた人を意のままに操るのかしら、私の能力と似ているけど

私の力はまだまだ弱いし、

本当にどんな者でも操れるなら

すごく恐ろしい呪印だわ..」


「実際にイリア姉上がかけられていたからな

姉上は一族の中でも上位に与するほど魔力が強かったから使役できる範囲はかなり広いだろうな」


イリアにかけられていた呪印は右肩だった。

いつもは服で隠れているため一族は気づかなかったのだ。

恐らく呪詛をかけられた者は体の一部に呪印が浮き上がる。

衰弱したイリアは魔力を奪われているようだった。恐らくその魔力はかけた術者が奪っていたのだろう。


だがここで一つの疑問が浮かぶ。


「もしかしてあの使用人にも呪詛をかけた術者がいるのかしら?」


「それは..あの女も誰かに操られてるってことか?」


「操られてる、というよりも契約に近いと思うわ。少ししか見ていないけど操られている感じはしなかった。恐らくは使役する能力を得る代わりに、相手の使役下に入るという感じなのかも知れないわね。

カタストロフが捉えた彼女の仲間にも呪印があったっていうしなんらかの組織だということは間違いなさそうだし。もしかしたらねずみ講式に使役下の使役下があるんじゃないかしら。」


「つまりは奴らの親玉を潰せば全部の呪印が一掃できるってわけだな」


「まぁ、そういうわけだと推測するわ」


それは実際かなり難しいだろう。

だが呪印から発せられる覇気にヒントがある。倦怠感を催すような不快感、あれは勇者の聖剣から発せられるものとよく似ている。


間近で見たからよくわかる。

父の胸を貫いたあの神々しい覇気からは吐き気がするほどの拒絶感を感じた。

あの呪印からはそれほどの気は感じなかったが気の性質は酷似しているように見える。


要するに勇者になんらかの関係があるのは明白だ。今思い出すだけでも鳥肌が立つ、

父を貫いたあの剣に勝てるだろうか。


憂鬱げに俯くと

イアンが心配そうに見つめてくる。


「お前甘いもの好きだったよな」


「え、ええ」


「明日、母上が生誕祭のお礼にお菓子を沢山作ってパーティしようってはりきってるんだけど、参加するだろ?」


「え!ジェマ夫人が!うん!嬉しいわ!」


エレノアは弾むように微笑むと

イアンはにかっと破顔した。


イアンの方が落ち込んでいたはずなのに

むしろ心配させてしまったことに申し訳なく思いつつエレノアはイアンの優しさに感謝した。

竜の巫女編の後日談です。

もう少し続きます。

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