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転生先は魔王の娘でした。  作者: 成瀬イト
竜の巫女編
13/64

第二話 イアンの誘い

初回のみ連続投稿します。

屋敷での生活も慣れたころ

使用人が大量の本を持ってきてくれた。

カタストロフに頼んでいた書物が

届いたのだ。


あれからカタストロフの政務の合間に

様々な知識を教わった、

今は基礎的なものから教わっている

魔術や歴史、数学に語学

前世の記憶があるせいか数学に限っては分かりきったものが多く、

基礎はとばして良いと告げると驚かれた。

神童とか言われるかと思って警戒したが手放しで褒めるだけに留めてくれて本当に良かった。

私は数年の下駄を履いてるだけで天才でも何でもないんだから。


前世は勉強するのが嫌いなわけでも無かったが今世は特に面白い。

やはりどれも新鮮で、

特に魔術は本当に楽しい!

私は屋敷の本を借りて暇さえあれば

書物を読み漁った。

時々イアンに邪魔されたが

憎まれ口も気にならないほどに

充実していた。


ただ魔王の政務に関しては不安が拭えない。


ていうか冷静に考えて魔王の政務って何?!

パワーワードも甚だしいわよ?!


前世の記憶を取り戻したせいで

庶民思考が抜けず、

時々こんな不安がやってくる。

そんなことを頭でぐるぐる考えながらも

表に出せないのが一番辛い。


魔王にはそれだけの発言の責任がある

即位が決定した以上

エレノアは己の不安を自分で管理しなくてはいけないのだ。


6歳で国のトップになるんだから

私の人生波乱万丈よね


深いため息をついた後

エレノアは自分の頭を自分で撫でて

自らの人生を労うのだった。


コンコン

届いた本を使用人に手伝ってもらいながら

本棚に入れていると

誰かが部屋をノックした。


「あら、イアンじゃない」


ドアを開けるとそこには

控え目で上品な民族衣装を着た

イアンがいた。

瞳の翡翠色よりだいぶ暗めな落ち着いた服が

よく似合っている。


いつもはラフな服装なのに

珍しく今日はしっかりとした服装をしている。


会議で来ていた西洋風の

フォーマルな服装も似合っていたが

こちらの方が似合っている。


「こういう格好の姿をみると改めて

あなたってお坊ちゃんだったと思い出すわね」


「お前に言われたくねーよ

明日の行事で着る服を決めるらしくて

何度も服を着ろってうるせーから逃げて来た

後は使用人に任せてお前も付いて来い」


イアンはそういうと

早く来いと言わんばかりに

そそくさと先を行ってしまう。


いつもは勉強中に茶化して来たり

することもたまにあったが

大抵は家業を手伝っているのを

遠目でみることが多かった


思えばイアンも私と同い年くらいなのに

もう家業を手伝っているなんて

しっかりしすぎじゃないかしら。

前世の私が6歳の時なんて

四六時中遊び呆けていた気がする。


エレノアはそう思うと

イアンに尊敬の念を抱かざるおえなかった。


しかし忙しそうにしているイアンから

誘われることがエレノアには意外だった。


何処に行くかも分からず

聞いても教えてくれないイアンに

疑いの眼差しを抱きつつ必至についていく。


屋敷は広くちゃんと付いていかなければ迷いそうだ。

遂には屋敷を出てしまったので慌ててイアンを引き止める。


「待って!屋敷を出るならカタストロフに一応一言言わないと!」


「それなら俺から言っといたから大丈夫」


「カタストロフが了承したの?」


珍しい事もあるものだ。

カタストロフが自身が直接言わなくても了承してくれるなんて..


「俺たち竜人一族は魔力が高いものが多く

長い間、それこそ今の魔王よりも昔から魔王に仕えていた事もあって信頼されているんだ。お前が此処に住むことになったのも似たような理由だ」


エレノアは妙に納得した。

立派なお屋敷や

強い意志を感じる一族からは

長い間世襲制でないにも関わらず

優秀な人材を輩出し、

官位を守ってきた誇りが感じられた。


標高の高い岩山の岬に佇む邸宅を

イアンとともに出ると

そこからつながる階段を指差した。


エレノアは何気なく指さされた方を見ると

何百かも分からないほどの階段があった

左右が木々で生い茂っており

先に何があるかも分からない。


エレノアが目を点にしながら恐る恐る聞く。


「ま..まさかこれを登るとか

言わない...わよね?」


「そのまさかだけど...?」


イアンがニヤリと意地悪に微笑む。

なかなか会話で優位に立てない鬱積を払うように機嫌が良さそうだ。


「まさか行かないとか言わないよな?」


「行くわ、何があるのか気になるもの」


エレノアは階段に登るために準備体操をする。6歳の体で果たして登りきれるのか自信はないが幸い履き慣れた靴で来ていて良かった。気合を十分に入れていると、


イアンはそのエレノアの姿に呆然とした

顔を浮かべている。


「お前、やっぱ変な奴だな

普通こんな階段登ろうと思わないよ

増してやあんたみたいなちびっこが」


「貴方の方が変わってると思うけど

貴方も十分ちびっこだからね」


エレノアが言い返すと何故か愉快そうに

イアンが笑うのでエレノアは訝しげに顔を傾けた。

今回は長めです。

文字数不安定で申し訳ないです;;

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