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一難去ってまた一難

地上に戻ったところでセインさん達に別れを告げて一先ず町に戻ろうとする。


「お世話になりました」

「お前さんのおかげで死人が出ないで済んだ。むしろこっちが感謝だ」

「そうだな、サーラ、さんがいなかったら俺は今頃コイツに潰されてた」


テトラさんがミノタウルスが持っていたモールを嬉しそうに眺める。


それにしてもテトラさん、私の事を呼び捨てようとしながらとどまっている感じなのかな?


「変わりに良いもんに潰されてたけどな!」

「!」

「僕も壁に激突して大変な事になってたと思う」

「尻の下敷きになってマシュマロ揉んでやがったけどな!」

「!」


マシュマロ!


テトラさんがシリクさんのツッコミで思い出したのか顔を真っ赤にさせてしまい、セインさんも顔を赤くしながら自分の手を見つめている。それで私も胸を揉まれた事を思い出してしまい、真っ赤になった顔を隠すために手で覆った。


「シリク良い加減にしなさい。サーラさんが困ってるじゃないですか」

「良いんだ、良いんだどうせ俺なんかよぉ」


シリクさんがイジケだすけど、自業自得だと思う。絶対に! う〜、災難だ。



「それはさておき、お前さんさえ良ければ俺らのパーティに来ないか? なぁセインよ」

「う、ああ、そ、そうだな。実力も十分だし前衛が増えて助かる」

「俺にもチャンスが生まれる!」

「お前少し黙ってろよ」


うーん、どうしよう。


加わるかで迷っているのではなく、どうやって断るか必死に考える。


「とりあえず町に戻って祝杯でもあげましょうか」

「何のだ?」

「サーラさんとの出逢いに」

「良いねぇ、そうしよう、行こうぜ!」


なんか勝手に決められていく。私の意志は?


そこへ。


「あー! テトラ様ぁ」

「おー、キャッティか」

「こんなところで偶然ですねぇ」


理由はわからないけど、絶対に偶然じゃない気がする。


「ってあれ、サーラ?」

「2人は知り合いだったのか?」


あ、なんかわからないけど嫌な予感がする。


「サーラちゃーん、ちょーっといいかしら?」


えーと。


「これから僕達町に戻って祝杯をあげるんだけど、よければキャッティも来るか?」

「もちろんサーラも来るんですよね?」

「そりゃあサーラさんとの出逢いの祝杯だからね」


猛烈に出たくない。行きたくない。嫌な未来しか見えて来ない! 私の意志は? 私に選択肢はないの?




こうして私は捕らわれの宇宙人の如く町へと連れ去られていった。


ああ、さらば我が人生。



町に辿り着いて〔湖上古城亭〕にそのまま連れて行かれた私は、身を狭くして椅子に腰掛けている。



「あれ、そういえばサーラさん杖は?」

「あ、鞄にしまいました」

「うひょお魔法に鞄かよってあれ?」


シリクさんが勝手に私の鞄に手を入れようとしている。


「何してるんですか!」

「しがない盗賊の性って奴よ、許しておくんな」

「残念ながら、この鞄私しか出し入れ出来ませんよ」

「何だと! セキュリティホールディングバッグかよ。スゲェもん持ってんな」


そういう名前の魔法の鞄だったんだ。


「そんな事より、なんでサーラがテトラ様といるのよ?」

「ああ、迷宮の通路なんかで休んでてな、危ないから一緒に小部屋攻略して、そこで休んでもらった」


よかった。テトラさん余計な事言わないでいてくれた、そう思ったりした時期が私にもありました。


「よぉうキャッティ、良い事教えてやるぜ。テトラの奴サーラちゃんに抱きついたんだぜ」

「馬鹿! あれは事故だ!」

「なんですってえぇぇぇぇぇえ!」


ああ、終わった。


「一体全体どういう事か全部話してもら……」

「失礼いたします。サーラ様でございますかな?」


そこへ見知らぬ老人が声をかけてきた。姿はザ・執事のような服装をしていて、2人護衛のような人を連れている。


これは渡りに船なんだろうか。


「はい、私がサーラですけど、どなたでしょうか?」

「おお、やっと見つかりました。(わたくし)アルクレスタ様の執事をしております、セバスチャンといいまして、アルクレスタ様に探して連れてくるよう申し付けられました」


えーと、私なんかしたっけ?


「りょ、領主? 領主がサーラさんに一体何の用だ」

「こっちは聞きたい事があるのに! 職権乱用よ!」

「申し訳ありません。急ぎます故ついてきていただけますかな」

「えーと?」




訳のわからないまま私は領主の館に連れて行かれてしまう。内心ではあの場から逃げ出せた安堵もあった。





「突然済まないね。今日来てもらったのは、まぁ良い。とりあえず食事でもどうかね」

「はぁ……?」


改めて見るアルクレスタさんは、落ち着きのある聡明そうなハンサムで、貴族っぽい衣装も着こなしていて実に素敵な人といった感じがする。


ダイニングルームに連れて行かれると食事が次々と用意されていく。


「あのぉ、」

「ああ、君、マルボロ王国で王妃の侍女のサーラだよね? 今は、だったのようだけど」

「!」

「その様子だと間違っていなかったようだね。

そう身構えなくても良い、別にどうしようというわけじゃない」

「はぁ……?」


は、はめらた〜。けどこの人、アルクレスタさんは私の事を知っている。一体何を……


その後しばらくは他愛のない会話をしながら食事をする。マナーはマルボロ王国の侍女の時に学んでいたので問題なく済んだ。

そろそろ要件を聞きたい。


「あの、今日は一体何の用なんでしょう」

「あの後、君の事を調べさせてもらった。それでマルボロ王国の王妃お付きの侍女なのではと思ったんだ」

「はぁ?」

「君は今冒険者になっているが、理由を聞いても良いかな?」


冒険者になった理由? それとも侍女を辞めた理由かな? 今は1人になりたかった。それだけだと思う。でもなんて言おう。


「言いたくないのならそれでも構わない。なら質問を変えよう。私の、妻になる気はないか?」




は?

え、えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!



返答に困っていたらアルクレスタさんがとんでもない事を言い出した。


逆ハーレム物っぽい感じの話で進んでいますがいかがでしょうか?



「はーい、質問です」


はい、サーラ君


「女体化はいいんですが、女性化がいまいちわかりません」


なるほど、女性化とは精神的に女性的思考に変わっていく事です。元男である同性に対して触れられる事に抵抗がなくなったり、むしろ好感を持ったりしていきます。


「なんか性的変化しかないみたいですが……」


一応他にももちろんありますが、男性時の記憶まで奪うわけではないので、サーラ君の場合は思い止まることができるのです。


「なるほど〜」




こんな感じで進ませて頂きます。

更新ペースは、2日に1度ぐらいを考えてます。



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