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時を駆ける2人

アルとの集合場所……2人だけだから集合場所は大袈裟だけど1人向かう。

頭に浮かぶのはサーラとして生きてきた短い時間。色々あった。


旅立つ前のマルボロ王国での生活、迷宮の町で出会った人達、セインさん、シリクさん、テトラさん、テクセルさん、コロナさん。

キャッティさんにクゥさん、カトレアさんとアーテミスさん。

オルカさんとポラベアさん、そしてアリエルとアル。

他にもたくさんの人と出会ってきた。


「アルクレスタさん……」


つい抱かれた時を思い出して、手が股に伸びる、まだ違和感が残っていて……


うわぁ……ズボンまで染みてる……


アリエルに聞けばいいんだろうけど、もう別れも済ましたのに今更聞けないよね。

とりあえず誰もいないし着替えよ……


ぅわあぁぁぁ……み、水、水……




とりあえず着替えをして待ち合わせ場所に辿り着くと既にアルが待っていて、私の姿を見ると頭を下げてくる。


うーん、アルって経験あるのかなぁ?


「どうかしんしたかぇ?」

「い、いやぁ、そのぉアルって……経験あるのかなぁと?」

「何のことでありんすか? 経験……?」

「うー……男の人とそのぉほら」


これでやっとわかってくれたようだけど、顔を真っ赤にさせながら大慌てで手をパタパタさせているところからアルはまだらしい。仕方がないので収まるまで我慢するしかなかった。




まず最初に使い魔を飛ばしておく。アリエルが先につくかもしれないから、前もって2日ほどはマルボロ王国の王都の宿屋にいてもらう事にしてある。後は使い魔が戻り次第時を超えるだけとなる。


「そうだ、時を超える時って年数は決められるの?」

「無理でありんすぇ。5の倍数年になるので、5年後か10年後か15年後辺りでありんすね。どうしんすが?」

「とりあえず10年後で大丈夫かな? アルはその間どうするの?」

「もちろんわっちも時を超えんすよ。使用者は指定した人数と一緒に時を超えるんでありんすからね」

「迷惑かけちゃうね」


首を振ってアルは気にしないでいいと言ってくれた。

それと時を飛ぶ速度は……瞬き程度というのだから凄いものだと関心してしまう。




使い魔が戻るまでアルと会話をして過ごす。未来に関して以外であればにこやかに話してくれた。


「これは未来に関わってしまう事なんでありんすが、サハラ様のお力に関してなんでありんすぇ。

わっちの知るサハラ様は始原の魔術を使い、杖術と騎士魔法とウィザード魔法とドルイド魔法を使いこなすオールレンジで戦える方でありんした。

でありんすが、今のサハラ様は始原の魔術と杖術は使っていんしたが、ウィザード魔法とドルイド魔法は使っていんせんよね? 変わりにナニか凄い力を持っていんす。一体どういう事何だぇ?」


どうやら未来の私と今の私に食い違いがあるようで、話を聞く限りでは騎士魔法とウィザード魔法とドルイド魔法を使いこなしている様に聞こえる。そして、どうやら修道士(モンク)は得ていないようだった。


「未来の私はウィザード魔法とドルイド魔法使えるんだ! 考えられないなぁ……あ、でもウィザード魔法はちょっぴりなら使えるよ?」

「おかしいでありんすね、確かキャビン魔道王国の魔道学校で習ったと伺っていんしたが……それにその、怒りんせんでくんなまし ぇ。 今は女体化していんすからだと思うのでありんすが、もつとも威厳があって口調もキツめで、その……お、女の人を常に周りに置いていんした」


衝撃の事実! 未来の私はハーレムを築き上げて悪魔(デヴィル)と戦っていたようです。


「ええっとそれってなんかモテる要素あるの? そんな男に少なくとも今の私からしたら魅力感じないんだけど」

「……口調はきついでありんすが、えらい優しいんです……」


ポッと顔を赤らめながらアルが言う。


うーむ……未来の私、恐ろしい。


「ま、まぁ性格はともかく、修道士(モンク)というクラスについては何か聞いてないの?」

「何だぇそれは?」


またしても衝撃の事実! 未来の私は修道士(モンク)を習得していなかった!

うん? おかしいな、そうなると時間軸的に狂ったのはいつからなんだろう?


「アルはいつ頃過去に戻ってきたの?」

「わっちでありんすか? えっとーーー」



そこへ使い魔が戻ってきたので、何か連絡はないか確認してみると了解した事だけだった。


「まぁ、瞬きしたぐらいなんだから、続きはその後でいいかな?」

「分かりんした。それでは……いいんでありんすね? その……」

「大丈夫、それに今アルクレスタさんになんか会って抱きしめられでもしたら、私絶対に結ばれたい気持ちが抑えられなくなるよ」


スッと空を見上げてアルクレスタさんを思う。色々あった事を思い出して物思いにふけってしまう。


「そ、その、顔が完全に緩んでいるんでありんすが……」


ハッと我に帰って頬っぺたをパンパンと叩き気を引き締めると、アルにお願いする。


「アル、それじゃあお願いします!」



アルが、ブリーズ=アルジャントリーが時空魔法(スペースタイムマジック)の詠唱を始める。



さようなら迷宮の町で出会ったみんな。さようならアルクレスタさん




あと残すところ数話となりました。


次話は明日更新で “待つ者” お楽しみに

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