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戦いの火蓋

昨日更新できなくてすみませんでした!

本日後でもう1話更新します。

部屋を出た私はすぐにアリエルとアルを連れて行動を開始する。

魔物の大群の情報は先ほどアルクレスタさんと一緒にいたため聞いている。



「サーラ、どうするつもりなのよ」

「まず私が見てきて、あっ……」

「どうしたの?」

「な、なんでも……ないよ」

「ははぁん、そっかそっか、出てきた?」

「!」

「んで、初めての感想は?」

「え、えっとね、満たされたっていうのかな……じゃなくて!」

「よかったね?」

「……うん」




館を出ると兵士達が忙しく動き回っていて、キャッティさん達も共に戦う準備をしているようで、私達に気がつくことはなかった。


館を離れ町をどんどん進み抜けていく。途中兵士達が引き戻すよう止めに入ろうとしたけれど、私の顔を見ると頭を下げて通してくれた。

この時アルクレスタさんの侍女をしていたのが役立つとは思いもしなかったけれど、今は利用させてもらう。



「サーラどこまで行く気?」

「魔物の大群の側まで」

「はぁ!? いくらなんでも勝てるわけないでしょ!」

「サハラ様魔物は悪魔(デヴィル)でありんすぇ。いかほど始原の魔術があってもかないんせん」


最前線になる場所に辿り着き、兵士達も何事かと私を見ている。



「ちょっと行ってくるね」

「へ?」

「え?」


感知(センス)予測(プレディクション)を使い、修道士(モンク)特有の呼吸法をする。そして新たにアリエルと繋がって視界を同時に見る。

今私がアリエルを見ていてアリエルが私を見つめている。自分の視界を魔物の大群があるだろう場所に向けて……縮地法で一気に移動した。

アルが驚いた顔をして(アリエル)を見ていて、首を振っていることから、知らないとでも言っているんだと思う。



連続で縮地法を使用して魔物の大群の場所まで辿り着くと、そこには今まで見た事のない魔物が大勢いた。

当然突然とはいえ姿を現した私に敵意を剥き出して向かってくる。


『アリエル、発動はお願い』

『え、どういう事?』

『説明はしなくてもすぐに分かるよ』


向かってくる魔物の数ざっと見て……たくさん! と、馬鹿な事言ってる場合じゃないよね。少し強さを見ておかなきゃ。


足の速いヘルハウンドが10匹向かってきて、途中で半数ほどがブレスを吐く体制を整えていて、残りは波状攻撃の体制……統制のとれた狼のようだった。


だけど、遅いよ。


私は縮地法でブレスの準備をしているヘルハウンドの背後に移動して、そこからは高速移動で1匹また1匹と一撃の元に屠る。

波状攻撃を仕掛けようとしたヘルハウンドは突如標的が消えた私を慌てた様子で探し、後方の私に気がつくなりその場からブレス攻撃の体制を取る。

粗方倒した私は縮地法で新たにブレスを吐こうとしているヘルハウンドの上方に飛び頭を叩き割ると、着地する前に次のヘルハウンドの上方に飛び叩き潰した。


圧倒的な力を見せるとヘルハウンドは一斉に引き下がり、代わりにコウモリの翼とサソリに似た鞭のような尾を持つ60㎝程しかない赤い肌の有翼人が数体向かってくる。


「ケケェ! 人間の女だぁ」

「身体を貪ってやるぞぉ」

「うひゃははは! こいつの股からプンプン男が臭ってやがる」

「俺達がカクテルしてやる」


……この、変態チビ共ぉ。


なんて思っていると一斉に襲い掛かり私の体を押さえつけてくる。


「くっ、しまった!」

「うひゃは〜」

「と、言うと思いましたか?」


ゼロ距離に近い接近戦こそ修道士(モンク)にとって一番力を発揮する。哀れな赤い肌のチビ有翼人達は逃げる間も無く、神鉄アダマンティン化させた私の拳を蹴りを受けて吹き飛び息耐えていく。生き残った1匹がバケモノ呼ばわりすると逃げ出そうとする。



「逃げるな、この愚かなインプめ!」

「ハ、ハマトラ様!」


そこへ2メートルは優にある鞭のような尾の先端からギザギザの牙が顔までいっぱい生えた、怒りに燃える目をしたハマトラと呼ばれた悪魔(デヴィル)が、インプを鷲掴みにして私に投げつけてくる。

インプと言われた小悪魔がものすごい勢いで私の元まで飛んでくる。それを手刀で真っ二つにして絶命させてみせると、一瞬驚いた顔を見せたがすぐに嬉しそうにニヤけると私に向かって飛びかかってきた。


鋭い爪による一撃を躱し、カウンターで蹴りを入れるともう片方の腕で足を掴みとられてしまう。


早い……


「ワハハハハ、串刺しにしてくれるわ!」


掴まれた足をそのまま手繰り寄せるように組みつき、牙のような棘で串刺しにしようとしてくる。


バキィィィ!!


「そんな攻撃……私には効かない」


串刺しにしようとした棘が折れている。修道士(モンク)の呼吸法によりアダマンティン化したのは何も腕や足だけではない。気を通している以上全身のアダマンティン化も当然している。


「俺様の棘がぁぁぁ!」


怯んだ瞬間は見逃さない。アダマンティン化により痛みは感じないけれど、見た目が嫌なため鞄から即座に杖を取り出し気を送り込んでアダマンティン化させる。


「はぁっ!」


横薙ぎに頭を払い、杖が頭に半分くらいまでめり込んで止まる。


硬さはなかなか、でも!


杖を素早く引き抜き、手をスライドさせて振りかぶる動作無く振り下ろす。

今度は脳天からめり込んで首のあたりまで杖が到達するとハマトラと呼ばれた悪魔(デヴィル)はそのまま崩れ落ちた。


杖に着いた血のような青い液体を振り払い周りを見回すと、怯むのではなく私を無視して町に向かって魔物の、悪魔(デヴィル)の大群がどんどん突き進んでいく。


強さ自体はさほどでもない、かな?


(アリエル)の視覚で見ると遠くに大群が迫るのが見えてきている。



『アリエル! 前方に最大射程で火球(ファイヤーボール)を放って!』

『まだ射程内に入ってないし、火球(ファイヤーボール)程度じゃ……うううん、分かった』


視覚は得られるけど音は拾えないのは欠点だけど、それでもアリエルが火球(ファイヤーボール)を放って飛んでいくのが見えた。それに合わせて……




“私は自然均衡の代行者”


“あるゆる自然現象を想像し”


“具現化する”


“想像するは炎の柱”


“旋風を巻き起こし”


輻射熱(ふくしゃねつ)を放ち、荒れ狂う炎の柱となれ!”


『アリエル!』

『分かった』


火災旋風(ファイヤーストーム)!」



突如巨大な炎の柱が現れ、遠赤外線の熱線を放ちながら魔物の方へ向かい暴れ回りだしたのが(アリエル)の目に映し出された。



昨日の分の更新です、ごめんなさい。


えーと、外伝は戦闘主体にはしてないので、あっさりした感じで進ませます。

もうすぐ女体化時期が終わるかと思うと寂しいような気もしますが、延々と続けるのは良くない事だし、本編を待ってくれてる人もいると思うので……


次話 『さようなら』お楽しみに

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