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神様の贈物……神様!?

突然現れたスネイヴィルス様にアリエルが慌てて片膝をついて祈りを捧げるように失礼な態度を謝罪している。


「よいぞ、アリエル」

「スネイヴィルス様、どうしてここに……」

「うむ、実はな……」


アリエルは既に私の従属化しているため、姿を見せるのは問題なかったため現れたそうで、頼みがあって来たようだ。その頼みというのが、新たに創造神様の関与なく生まれてきている魔物の事だった。

その中には迷宮で出会った火を吐く狼や有翼人の事も含まれていて、もしまた出会うことがあれば捕らえて引き渡してほしいというものだった。



「ちょっと待ってください! 今私は素性を隠して生きています。全力を出すわけには行きません。それに倒すのではなく、捕らえるとなると倒すより難しいですよ」


そう言うとスネイヴィルス様が私に3つの品物(アイテム)を渡してくる。


「まずその宝石じゃが、それを使えば魔物を封印出来る。ただし、相手を弱めないと抵抗されてしまうので注意が必要じゃ。いわゆる[封印の魔宝石]じゃな。

それと残る2つじゃが……」



残るうちの1つは真円の指環(リング)で、ダイヤモンドが飾られている。

左手の薬指にはめて真実を誓う事で、従属化が強化して不老となる事が出来るなどの恩恵を受けるが、子を宿せなくなり、私が死ぬと身代わりとなって死んでしまうと言う。もちろんアリエル自身が死ぬ様な事をすれば当然死んでしまう。つまり私からすれば命が2つになったも同然で、アリエルは自身の他に私という守らねばならないものが加わってしまう事になる。そして私に対しての裏切り行為をした場合も死ぬと付け加えられた。



「不老以外の恩恵とはなんですか?」

「まずはサハラとの意思疎通じゃな。今までの様な一方通行ではなく、其方からも繋がる事ができる。それと神の力……人は騎士魔法と言っておったか?が使える様になり、精神に影響を及ぼすものは大抵は無効化する」

「分かりました」


アリエルがそう返事をすると早速指環を躊躇する事なくはめる。


「え、分かりましたって、アリエルはそれでいいの!?」

「どうして? それってずっとサハラさんと一緒に居られるって事でしょ?」

「でも私が死ぬと身代わりになって死んじゃうんだよ!」

「それでサハラさんが助かるならあたしはいいよ」

「ふむ、既にアリエルは気持ちが決まっている様じゃな。後はサハラよ、其方次第じゃ」



アリエルは既に指環をはめている以上、私次第も何もないと思うんだけど。


その事に気がついたのかスネイヴィルス様が付け加える様に発動条件を言ってくる。


「その指環は其方がアリエルの手を取ってはめてあげる事によってはじめて発動するのじゃ」


うーん、はめる指も一緒だし、なんか婚約指環みたい。


そんな事を考えていると、アリエルが指環を外して私に手渡し、顔を赤くしながら左手をそっと差し出してくる。



「末長く……よろしくお願いします」

「う、うん、こちらこそよろしくお願いします」


なんか凄く緊張する様な事言うのはやめて〜!


指環をはめると以前よりも強い絆や繋がりを感じるけれど、私にはそのぐらいしか分からなかった。

だけどアリエルは違った様で、私の顔をジーッと見つめた後、ニパァと笑顔を浮かべて抱きついてきた。



「さて最後の品物(アイテム)じゃが……」


アリエルが私から離れずベッタリな姿に、スネイヴィルス様は呆れるどころか逆に魅入っている様で、私が慌てて引き剥がす。


これは後で大変な事になるなぁ……まぁいいかぁ。



「それで最後の品物(アイテム)は何でしょうか?」

「む、うむ、そうじゃったな。最後の品物(アイテム)は、創造神様からの賜り物じゃ。創造神様が自ら創造して作られたもので、儂の始原の魔術の強化し其方の知る知識を始原の魔術で解放出来ると言っておった」

「私の知識……ですか?」

「儂も詳しくはわからん。じゃが、創造神様は其方を深く信用されたようじゃな」

「よく分かりませんが、創造神様に感謝の気持ちをお伝えください」

「うむ」


へぇと指環のサイズが合いそうな右手の中指にはめてみたけど、特に何か変わった様子は感じられなかった。


でもまぁ創造神様が創造してくれたものなら、恐らく相当な力を秘めたアーティファクトすらも凌駕するようなものなんだろう。



3つの品物(アイテム)を渡して説明が終わったというのにスネイヴィルス様が戻る事はなく、何やら言いにくそうに佇んでいる。


「あのぉ、どうかされたんですか?」

「う、うむ、じ、実はじゃな……」



そう言ってスネイヴィルス様はこの品物(アイテム)を渡してくるように創造神様に言われたまでは良かったそうだけど、ついでにあるものを受け取ってくるようにと言われたそうで……


「クレープを、ですか?」

「うむ、創造神様が是非に食べてみたいと言われてな……」

「分かりました。それでは1つすぐに……」

「12個じゃ」

「はい!?」



どうやら神々の中でも既にクレープの話が持ちきりとなっていて、創造神様がスネイヴィルス様にお願いしたのを見計らって我も私もと現存する人の神々全員が欲しがったと言う。


現存する人の神々の数を数えてみるとちゃっかりスネイヴィルス様の分までカウントに入っていた。その為言い出しにくかったのだと思う。


「分かりました。すぐに用意します」



そう言ってバナナクリームのクレープを12個作るとスネイヴィルス様が袋に入れていく。


己はお使いに来た老人かぁぁぁぁぁ!!



12個受け取ったスネイヴィルス様は、ほくほく顏で去っていった。




「ねぇサーラ、神様って……」

「言ったら、言ったらダメだよアリエル」

「う、うん、そうだね。じゃあ……」



アリエルが私を抱きしめて寝衣を脱がしてくる。アリエルも寝衣を脱いでベッドへと誘い横たわると、肌のぬくもりを確かめ合うように抱き合い口づけをする。


優しく私に触れてくるアリエルの指の感触に声が漏れ、私もお返しにと触れていく。


「サーラ、大好き」

「私も、アリエルのこと大好きだよ」



ベッドに2人息を乱れさせながら横たわった時、ふと私は思った事を聞いてみる。


「ねぇアリエル、もしも、もしも私が女のまま戻れなかったらどうする?」

「ん〜? あたし両刀だから全然そういうの気にしないよ?」


あはは……無駄な心配だったみたい。



もちろんその後抱き合いながら眠りについた。



本日分の更新です。


次の更新は明日です。


外伝は独立したストーリーですが、本編に多少関係した話も多少含まれています。

感じ的には本編に関係する話は悪魔臭いのが絡んだ時ですが、外伝を読まないで本編だけの人でも全く問題ない程度です。


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