表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/63

センスがない!

恋愛要素の方が強い気がした為、ジャンルを恋愛に変えてみましたが、違う様ならご指摘ください。あとがきに続く。

外から声がかけられて仕方なく試着室から姿を出した私を待ち受けていたのは、


「あー……」

「なるほど〜」

「うわぁぁ……」


と、微妙な返事だった。


「パルカにズボンはいくら何でもセンスなさすぎるよ」


ぐはぁっ! アリエルに痛恨の一撃を喰らってしまう。


「そんなに酷いかな……」

「ちょっとないれす」

「うんー」


オロローン……男の私に女性の服装のセンスなんてあるわけないよ。



「んもぅ、しょうがないなぁ」


アリエルが服を適当に見繕ってくると、一緒に試着室に入ってくる。


後はもう成されるがままで、全てをアリエルに着せ替え人形のごとく身をまかせると、白のレースベアトップワンピースにウエストマークにコルセット風のベルトを巻いた格好になる。



「うん、似合う似合う可愛いよ、サーラ」


着替えた私にそう言って軽くハグしてきたから、私はキスで感謝の気持ちを伝える。


試着室から出てきた私をキャッティさんとクゥさんが見てうわぁと声を上げてくる。


「サーラ、可愛い!」

「妖精みたいれす!」

「ありがとう、アリエルもありがとう」

「これでバッチリね。なんならこの格好に慣れるためにも着て帰る?」


さすがにこの格好でこの町を歩くのはなぁと思っていたら、キャッティさんとクゥさんがノリノリで賛成してしまった為、反対もできずにこの格好のまま町を歩くことになった。




町を歩く私達4人を見て二度見する人は数知れず、中にはナンパしてくる人もいた。

確かに色とりどりの女性が揃っていれば誰か1人に興味を引くはずで、美人のアリエルに猫獣人特有の釣り目の可愛いキャッティさん、そして身長140㎝程しかない少女の様に見えるクゥさん。私は……なんだろう?



「こんなに男の人から見られたり、声をかけられるの生まれてはじめてなのれす」

「私も私も」


キャッティさんとクゥさんは普段と違う反応を堪能していて、冒険者である事すら忘れている様に見えなくもない。



商業地区から冒険者たちが集まる中央地区に戻った私達は、まずは今夜宿泊する宿屋を探す事にした。


「アリエル、私宿屋に希望があるんだけど、キッチン付きの宿屋なんてあるかな?」

「それなら前に泊まった一番大きい宿屋にならあるんじゃないかな?」

「うひぃ、またあそこに泊まるつもりなの?」

「僕達そこの一番安いところで精一杯れすよ」


とはいえ、そこを避けるとせっかくの買い物が無駄になってしまう為、私はアルクレスタさんのところで侍女として働いた給金を取り出して2部屋分借りる事にした。


「私達の分まで出してもらうなんて悪いよ」

「別にいいですよ、それに明日から暫くはまた野宿なんですから、今夜ぐらい豪華にいきましょう」

「おっきいお風呂なのれす!」

「でもまだ夕飯まで時間あるけど、この後どうする?」

「それなんですけど……」



部屋に向かい中に入るとキッチンもちゃんとあって、アリエル達には休んでもらっている間にさっそく準備に取り掛かる事にする。



まず生地作り、買ってきたミルクを温めて、次にバターを溶かして冷まして〜、小麦粉と砂糖と塩と卵をよ〜くかき混ぜて、ミルクとバターを入れてよく混ぜ合わせて完成っと。


そしたら、フライパンで薄く伸ばして両面焼いたら、完成!


「む! 何やら凄く良い匂いがしてきたのれす!」


さっそく焼けた匂いに反応したクゥさんが、鼻をひくつかせて声を上げてきた。


残りの生地を全部焼いたら生地はお終い。次は今回は生クリームとバナナだけだけど、チョコレートはさすがに無かったから仕方がないっと。


焼いた生地に生クリームと切ったバナナをサササッと塗って伸ばしてクルクルっと巻いたら生クリームバナナのクレープの完成!

これを4つ分作り、最初に涎が止まらないクゥさんに手渡して、その後アリエルとキャッティさんにも渡した。



「お待たせしました。美味しく出来たか自信ないけどどうぞ召し上がってください」

「これってさっき食べたガレット?」

「似てるけど、ちょっと違うみたい」

「頂きますれす! あーんっ……

ピャーッ! な、何れすかこれはぁぁ! ふわふわで甘くて……あーんっ……止まらないのれすっ!」


どうやらクゥさんは気に入って貰えたみたいで、感想も中途半端に食べるのに夢中になっている。



「凄い、クゥが感想も中途半端で食べるのに夢中になってる。それじゃあ私も……あーんっ……」


一口口に入れたキャッティさんが、ぱあぁぁっと幸せそうな満面の笑みを浮かべる。


「お、美味しい! 美味しいよこれぇ」


同じく気に入って貰えたようだった。



「いくらなんでも少し大げさなんじゃない?」


チラッと一度私の顔を見てからアリエルが一口齧る。


「あーんっ……!」


あれ? アリエルの口には合わなかったのかなと思った次の瞬間、アリエルが泣き出してしまった。


「お、美味しいよぉぉぉ」


あ、もしかして嬉し涙だったのかな?


なーんて思っている間にペロッと3人は平らげてしまった。

もちろん私も食べてみて、完成度を確かめたけどまぁまぁな出来かな?



「あ……」

「何? サーラ」


アリエルの頬っぺたについていたクリームを指ですくって口にパクッとしたら、アリエルが顔を真っ赤にしてニマニマしている。


「やっぱりサーラとアリエルさん仲良いね。ね? クゥ」

「サーラさん、おかわりが欲しいのれす!」


ガクッとなるキャッティさんを見ながらキッチンへ向かい、まだ焼いて残っている生地にクリームとバナナを巻いてクゥさんに渡すと嬉しそうに口に入れだした。


「サーラさん、これは何ていう食べもの何れすか?」

「んー、クレープっていう食べ物で、今回は生クリームにバナナだけですけど、イチゴを入れても良いし、挟むものはお好みで大丈夫です」

「サーラさん、おかわり」

「あ、あはは……」



その後はお互い部屋に戻って着替えを済ませてから、女の子4人で夕飯を食べに酒場に向かう事にした。




本日分更新です。


私個人的にはかなり戦闘関係を減らしていて、日常を増やして男女絡みを増やしていると思うので恋愛寄りなんですが、いかがなんでしょうかね?

もしジャンルがおかしいと指摘があれば直したいと思います。



次回更新は明日です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ