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女の子グループ

本日分の更新です。

酒場を出て2人手を繋いで町をぶらつこうとした時にキャッティさん達が声をかけてくる。


「サーラとアリエルさんって仲が良いんだね。 その……手とか握ったりして」


ハッとなって手を離して両手をぱたぱたさせながら照れ笑いを見せると、その様子を見たアリエルがクスッと笑うと私をガバッと抱きしめてくる。



「どうしたの? 羨ましい?」


抱きついて頬と頬をくっつけたままキャッティさんにアリエルが言うと、顔を真っ赤に染めてキャッティさんが今度はぱたぱた手をさせる。


「う、うううん、別に、全然。た、ただその仲良いなぁって思っただけだから、うん」


一緒にいたクゥさんを見れば、同じように顔を赤く染めながら指を咥えて見ている。


「仲が良過ぎて羨ましいのれす」


にっこり笑って明るく言うクゥさんは正直可愛く見えた。



「話はそれだけ?」

「あ、そうだった。コンサートに行く時に着ていく服とかどんなのが良いかアリエルさんにアドバイスして貰おうと思ったんですよ」



歌姫(ディーバ)のコンサートに行くのはいいけれど、何しろ初めてでどんな格好がいいのか分からないでクゥさんと相談したら、アリエルに聞いてみようとなったみたいだった。


ひっつくのをやめるとアリエルは腕を組んでなにやら考え出したと思ったら、おもむろに私のローブをめくってきた。


「ひゃあぁ!」


当然ローブの下には冒険者が身につける服装はしているけれど、それでも捲られるとつい焦ってしまう。



「うーん、確かにそうねぇ」


そして1人勝手に頷き出して、捲っていた手を放すと、


「サーラにも必要そうだし、よかったら一緒に服とか買いに行くのついてくる?」

「お願いします!」

「お願いするのれす」



そんな訳で喋りながら4人で町を歩いて目的の店にアリエルが先導していると、クゥさんが鼻をヒクヒクさせはじめる。


「ちょっと待って貰っていいれすか?」


トトトっとクゥさんが歩いていき、一軒のお店に入っていって暫くして抱えるように何かを持ってきて私達に手渡していく。



「ねぇクゥ、これってガレットでしょ? 美味しいけど塩味で喉が渇いちゃうのが欠点なのよねぇ」

「ところがなのれす! このお店のガレットは甘くて美味しいのれすよ!」

「へぇ〜、あたしこういうの食べるのはじめてだけど、甘そうないい香りがするわね」

「それはジャムが入っているからなのれす」

「まぁクゥが言うんだから間違いないかな? どれどれ……

あーんっ……うわっ、イチゴのジャムが程よく甘みを出してて美味しい!」

「本当、美味しい!」

「私もガレットって初めて食べたけど美味しいんですね」

「喜んでもらえて良かったのれす!」


店先で食べながらここで少しのんびり4人でガレットを堪能していると、ふとある物が思い浮かんだ。



後で作ってみようかな?


ちなみにガレットとはそば粉・水・塩などを混ぜた生地を熱したフライパンに注いで薄い円形に伸ばし、正方形に折りたたんで完成となる。片面だけを焼き、肉類、魚介類、チーズ、鶏卵、サラダなどを盛り付けて食べる食べ物の事。




ガレットを食べ終えて歩いていると、私のお目当の物を取り扱っているお店があった。


「あのー、ちょっとお買い物いいですか?」

「いいけど、サーラここって食料品を取り扱っているお店よ?」

「うん、ちょっと買ってくるね」



えーっと、小麦粉と卵と塩と砂糖にバター、それとミルクっと。

後は、クリームとバナナ……お試しだし、これだけでいいかな?

後は道具を買っておしまい!


「お待たせ」

「一体何を買ったの?」

「あとのお楽しみ」

「ふ〜ん」


私とアリエルのやりとりをキャッティさんが見ているのに気がつくと、なんか恋人同士みたいとか言われて思わず焦ってしまう。


まぁ、恋人なんだけどね。




お目当のお店に着くと色とりどりの服が売られていて、店先には庶民が着ているようなものから店の奥に行くにしたがってドレスのような貴族が着そうな服まで置いてあった。


「ブリーズ=アルジャントリーのコンサートは吟遊詩人の詩とは違って、席も無くてオペラを更にリズムを良くした雰囲気なの。

だからリズムにノッて踊れるような服が良いわよ」


うん、なんかライブみたい。じゃあ、カジュアルな感じで動きやすい服が良いのかな?



アリエルも新調するらしく服を選んでいて、それを参考に見ながら私とキャッティさんとクゥさんも選んでいく。



「あたしはこれに決めた」


そう言って着替えてきたアリエルは普段赤のイメージから、綺麗な緑のワンピースにウエストマークに太いベルトをローウエストに巻いていて、寸胴に見えがちなワンピースにコントラストをつけてモードな感じになっている。


「わぁアリエルさんかっこいい」

「でも丈が短くて足元が心許なくないれすか?」

「見られるぐらいの覚悟は必要よ」



うーん、なるほど……



続いてキャッティさんが決まったようで、オフショルダーに膝上程までの長さのティアードスカートを履いて、猫獣人のしなやかでスレンダーな体型からスポーティな感じにも見えてこれまた可愛らしさがある。


「なかなか良いじゃない。似合ってるわ」

「えへへぇ、スカートはちょっと冒険してみたけど、これが限界!」

「キャッティ可愛いのれす」


これはチラッと見える胸元や見えちゃいそうな短いスカートで男性の目を釘付けにしそうかな?




そしてクゥさんも決まったようで、試着室から出てきたクゥさんは可愛らしいフリフリのオフショルダーにショートパンツ姿で、身長が低いクゥさんでもスラッとした生足が見えていて、男性の目が足に釘付けになりそうな服装になっている。


「ボーイッシュな感じでいいんじゃないかしら?」

「クゥってばだいた〜ん」

「ちょとだけ頑張ってみたのれす」


うんうん、みんないい感じな服装選んでるなぁ。



それにひきかえ私は今、試着室に籠って外で見せ合っている3人を覗き見ながら自分が選んだ服のセンスのなさに出てこれなくなっていた。




今回はいろんな意味で頑張りました。

服装に関しては異論があるかもしれませんが、ご了承ください。



さて次回更新は明日で、たぶん今日ぐらいにあげられるかと思います。

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