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エンドオブスイートタイム

心配そうな顔でジッと見つめてくるアルクレスタさんを不思議に思いながら立ち上がって寝衣……ではなく、ネグリジェに着替える。


視線は感じていたけれど、アリエルが心配で気にしている余裕はなく、着替えが終わるとベッドへと入る。

さすがに3日目ともなると、手を出されでもしない限りは普通に休めるようになっている自分に少し驚いた。

後からアルクレスタさんもベッドに入って近づいてくると肘を立てて横向きに私を見つめてくる。



「遺跡のに何を言われた?」


どうやら私が遺跡の領主に何か言われたと勘違いしているらしく、それが先程から心配そうに見つめていた理由のようだった。



「夜伽の相手をしろと言われました」

「そうか、それで断った腹いせに命を狙ったと罪を着せてきたといったところか。

……何にせよ間に合ってよかった」

「重ね重ねありがとうございます」



いや、良いんだよと言いながら髪の毛を撫でてくる。それが妙に心地良く、撫でられるままになっていた。


思い出したように、護衛と言われた冒険者風の3人が何か弱みを握られているようだった事を話すと、どういう経緯でそうなったのかがわからない以上、アルクレスタさんには関与する事は出来ないしする気もないと。

ついでに霊峰の領主にして現代表であるイスカニエル様が言った、今回の刺客の犯人についても伝えてみると、やはりアルクレスタさんも勘付いていたと言う。

何故そこまでしてアルクレスタさんを排除したいのかを尋ねてみると、髪の毛を撫でていた手が今度は頬に触れてくる。



「遺跡のは権力を持って自分の思うがまま、欲望を満たしたい節があるんだよ。しかも無類の女好きで、今回のサーラにやったような事も当たり前のようにするだろう」

「今のアルクレスタさんは、人の事が言えるのですか?」


一度触れてきている手を見つめてから言うと、頬から肩の方へと手が移動していき、優しく微笑むと私の胸を触ってくる。


「私は……君だけだ」



アルクレスタさんの優しさに触れられ、また女性の部分が強く出てきているのか、抵抗する気も起こらずされるがままになっていく。


口を開こうとすれば、その口を塞がれてしまう。もちろん口づけで。ついに初めて男としてしまった、というショック的な感情や意識よりも女性としての感情が強くなっているのか、むしろそれを喜んで受け入れてしまっている自分に気づく。



「んっ!」


胸に触れていた手が下へ下へと伸び、ネグリジェでも下着越しでもなく直に触れられる。

アルクレスタさんが体を密着してきて、知らず知らずのうちに私も抱きしめていた。


一度離れて寝衣のガウンを脱ぐと抱きしめてキスをしてくる。それをただされるままに受け入れる。

やがて口から首筋へ、もっと下へとアルクレスタさんの頭が下がっていき胸で止まると両手で私が抱きとめる。


アリエルとはまた違ったその感触に声が漏れ、そしてアルクレスタさんが更に下へと進んでいき、お腹の更に下、脚の付け根に迫り、舌が触れようとした時だ。



寝静まり返っていた館から騒がしい音が聞こえはじめた。


そこでアルクレスタさんの動きが止まり、頭を上げる。


「何が起こっているというんだ」



ハァハァハァ……ふっ……くぅ……


あまりにも中途半端な所でお預けにされたせいで私の身体が快楽を求めて止まらなくなっていた。

アルクレスタさんを探し求めて目を彷徨わせ、見つけた時には既に衣服を着て窓から外を眺めていた。


待って……やめないで……



部屋がノックされ返事を待たずに開かれ、セバスチャンが姿を見せる。


「アルクレスタ様、敵襲にございます」

「相手は誰だ」

「い、遺跡の……領主の手の者です」

「一同に集まったところを狙ったか」



そこへ駆けつけたキャッティさん達が武装した姿で現れる。


「アルクレスタさん、これは一体どういう事ですか!?

っ! サーラ!?」

「彼女の話は後だ。今は各地の領主達を守ってくれ」

「分かりました」


ベッドに横たわり、悶え震えている私をもう一度チラッと見てからキャッティさん達は走り去っていった。


「セバスチャン、済まないが少しの間この部屋に誰も入れないでくれ」

「畏まりました」


そう言うとセバスチャンも部屋から出て行き扉を閉めた。

扉が閉まるとアルクレスタさんが私の元へ駆け寄り抱き上げてキスをしてくる。


「頼む、正気に戻ってくれ。君の助けが必要なのだ!」


抱きしめられキスをされて落ち着いてくると、急に今度は恥ずかしさが押し寄せてきた。


「あ、私……どうして……」

「こうなることを予測しておくべきだった。済まない、申し訳ない。恥をかかせた私を許してくれ」



抱きしめられている手を腕を振りほどき、鞄から黒いローブと杖を取り出し、衣服も着ないで羽織る。髪はそのままで、フードで顔を隠すように深く引っ張って下げた。


「これは私の過ち……私の間違いでした。この騒動が収まったら……私の事は忘れてください」


「ま、待ってくれ、サーラ!」


アルクレスタさんの横を素通りして扉を開けて廊下に出るとセバスチャンがお辞儀をしてくる。


「アルクレスタさんを、領主様をお願いします」

「……畏まりました。サーラ様」



一気にそこから走り出し、感知(センス)予測(プレディクション)を使い、すぅぅぅはぁぁぁと修道士(モンク)特有の呼吸法をして全身に気を巡らせた。



まずは霊峰の領主イスカニエル様の部屋!


高速移動をして一気にイスカニエル様の部屋を目指した。




イスカニエル様の部屋の近くまで来ると部屋から争う音が聞こえる。

部屋に飛び込んだ私は、イスカニエル様を守って必死に防戦している護衛2人、襲撃してきたであろう5人の姿が確認できた。


イスカニエル様を護衛していた2人の足元には既に事切れた3人の護衛がいるところから、襲撃者達の実力は本物のようだ。

そして私に気がつく前にその2人の護衛も斬り伏せられた。



それだけ確認すると他の領主の事もあり、一気に潰す為に行動に移した。


「新手か!? グハァッ!」


1人が私に気がついて声を上げた男の手首を打ち、首を薙ぎ払って意識を刈り取る。それに気がついた他の4人が一斉に私に向かって斬りかかってきたところを連撃で叩き伏せた。


「そ、其方、その姿……まさか」


その後に出るであろう言葉を言わせる前に否定する様にフードを後ろに下げ、


「サーラです。助けに参りました」


思い人と違ったといった顔を一瞬見せたが、すぐに感謝を述べてくる。

恐らくサハラだと思ったのだと思う。間違いではないけれど。


「サーラ……か。よく来てくれた。さっそく……」

「他の領主の救出に向かうので、失礼致します」


何か言おうとしたようだったけど、それを無視して他の領主元へと私は急いだ。



土日休ませてもらいましての更新です。


ジャンル恋愛に変えようかな……



次回更新は明日です。時間指定は出来なくてすみません。

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