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領主だョ! 全員集合

土日お休みしますので、本日あと2話分後ほど更新します。

広間にメイド達が集まっている中、私が姿を見せると一斉にお辞儀をしてくる。


「「「おはようございますサーラお嬢様」」」

「おはよう皆さん……あれ? キャッティさん達は?」

「はい、サーラお嬢様、まだ姿を見ておりません」


はう! まさか逃げ出した……



「ふぁぁぁ、あ、おはよう、ございますサーラ、侍女長」

「おはようなのれす」

「キャッティのせいで遅れてしまいましたぁ」

「面目ない」



明日、この人達では要人の相手は絶対に無理だぁぁ。



今日は昨日と同じことをキャッティさん達に任せてみる。




キャーーー違う違う違うー。そうじゃなくてこうだったぁぁぁ。

こ、これはしょっぱすぎるれすぅぅ。

皆さんのんびりいきましょぉ〜。

君達の瞳に乾杯。


……終わってる。




メイド達も的確ではない指示に従って動いてくれるけど、しっちゃかめっちゃかになっている。

あまりに見かねた私が指示を出して何とか1日を終えることが出来た。


「もう無理だぁぁ。辞める辞めるったら辞める。こんな事よくサーラ出来るよう」

「迷宮行ってる方が楽れす」

「私はぁ楽しいですよぉ〜」


あれ? アーテミスさんがいない。


キョロキョロしていると気がついたのかキャッティさんが居場所を教えてくれるのだが……



「アーテミスならメイド達の部屋に行ってるわ」

「ちょ、それ止めなくていいんですか!?」

「そんな気力もう残ってない」


キャッティさん達の部屋を飛び出てメイド達の部屋にダッシュで向かい、扉を開けるとアーテミスさんがメイド達をたらしこんでいた。


「ん? サーラか。どうした?」

「どうしたじゃないです! 明日は大事な日なんですからメイド達を休ませてあげてください!」

「というわけだ。残念だがお別れだ子猫ちゃん達」


……アーテミスさん。


メイド達も残念そうに別れを惜しんでいた。


もう嫌……




精神的に疲れ果てた私を最後の難関が待ち受けている。

ドアを開けて部屋に入るとアルクレスタさんがこちらを向いて待ってましたと言わんばかりで見ている。



今日迫られたりでもしたら抵抗する元気なんかもうないよ……


「今日はご苦労だったね。セバスチャンから話は聞いた。明日は忙しくなるから早く休むといい」

「いえ」


返事を返し、見られようが何だろうが構わず着替えをすませるとベッドに向かい、倒れる様に横たわる。



アリエルは今日でデプス3辺りで休んでいるのかなぁ。


そっと目を閉じてアリエルに集中する。


『アリエル無事?』

『あ、サーラ』


従属化により精神的な繋がりで会話をすると、今アリエル達はデプス3まで来たところで休んでいるそうで、心配だった火を吐く狼には出くわしてないらしく、順調に進んでいるそうだった。

実際にアリエルの見ているものを感じ取ると、まるでいきなり迷宮の中にいる様な情景になって、休んでいるポラベアさんの姿と見張りをしているオルカさんの姿が見て取れ、怪我らしい怪我もなかった。


『気をつけてね』

『うん、サーラも悪い虫に迫られたりしない様に気をつけるんだよ』


ギクゥ!


『だ、だだ、大丈夫だよ』



「サーラ、サーラ?」


アルクレスタさんの呼び掛けで集中が途切れてそこでアリエルとの会話も終わってしまう。


「あ、はい?」

「明日は大丈夫そうかね?」

「はい、お任せください」

「そうか、ではもう休め」



返事をしたのかわからないうちに眠りについた。





朝日を浴びて目が醒めるとアルクレスタさんはちゃんと距離を置いて眠っていてくれた。


紳士だなぁ。こういう優しさを見せ続けられると心苦しいよ……




そっと起きて支度を済ませ部屋を出ると、本日集まる各町の領主達を迎える準備に取り掛かりに入った。



「「「おはようございますサーラお嬢様」」」

「おはようみんな、今日は大変な1日になりますが、頑張ってください」

「「「はい!」」」


メイド達の元気な返事を聞いて私も気合いを入れる。もちろん修道士(モンク)としてのではなく。



アルクレスタさんの朝食の準備をし、各町の領主達を迎える為の食事の準備やらに取り掛かる。

そうそう、キャッティさん達は今日は夕方までのんびり休んでもらう事にした。


セバスチャンの話では、早い領主はお昼には到着し、夕食までには全領主が揃う予定だそう。

賓客の為の部屋のチェックも済ませ準備は万端になった。




「サーラお嬢様、霊峰の領主様が参られました」

「今行きます」



1人のメイドに呼ばれて、館の入り口に向かうとズラッとメイド達が立ち並び、馬車が止まり扉が開く。霊峰の領主を丁重にお招きして部屋へと案内する。


「ほぉ、迷宮の領主も素晴らしい侍女を用意された様で羨ましい限り」

「ありがとうございます。こちらで旅の疲れを休んでくださいませ」



その後も次々と各地を治める領主達が到着していき、夕飯前には全ての領主が揃った。

各町の領主の付き添いの侍女長らしい人物達の部屋の案内や、護衛についてきた兵の休む部屋の案内も済ませやっとひと段落する。



ひと段落とは言っても次はすぐに会食の用意に移る。失敗は許されない為、皿によそった料理は全て一口ずつ夕方に戻って貰ったクゥさんに味見をしてもらい、メイド達に怪しい動きがないかキャッティさん達に見張ってもらう。この手の仕事ぶりはさすがだった。


私はアルクレスタさんの背後に立ち控えて、全ての準備が整う。



さぁアルクレスタさんの出番です。




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