表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/63

刺客

今回ちょっと短め?

刺客。確かアルクレスタさんは他所の領主に狙われているとキャッティさんが言っていた事を思い出す。


「危ない!」


咄嗟にアルクレスタさんを抱きしめるように刺客から離れた。


「そいつを食って動けるお前は何者だ」


刺客である人物から言葉が発せられる。声から男であることが分かった。

私はアルクレスタさんを護るように前に立つと修道士(モンク)の呼吸法をして、鞄から杖を取り出して杖に気を送る。


「私は冒険者のサーラ」

「冒険者風情が、なぜ邪魔立てをする」

「貴方が仲間まで巻き込んだからに決まっているでしょう! それに領主様を守って何かおかしいですか」


すると刺客はポケットから何かを放り投げてきた。


「解毒だ。くれてやるからそこを退け。早くしないと死ぬぞ」


思い出したようにオルカさん達を見ると3人は完全に横たわってヒューヒューと苦しそうに呼吸をしている。


「私はいいから、仲間を助けてあげなさい。君達まで政治絡みに巻き込むわけにはいかない」


どうする、どうしよう。正体をこれ以上バラしたくないけど、そうも言ってられないよね。さっさとあいつを倒して解毒する。これしか無い。


覚悟を決めて身構える。

相手もそれが分かったのか、姿勢を低くして身構えた。


「どちらにせよ、顔を見られた以上助けるつもりは無い」

「その解毒は偽物だったのか」


オルカさんが立っていた。私も驚きを隠せず、レンジャーにも毒が効かないとかあったかを思い出そうとしたけど、思い当たる事はなかった。


「何故だ!」


うんうん。


「俺は誰も信じない。信じるのは俺自身だけだ」


そうじゃなくて、オルカさんも食べたでしょう! 毒入りの食べ物を。


「毒が入っているかは食べる前に見て分かっていた。ただ、誰が仕掛けたかだけが分からなかったから、引っかかったフリをした」


オルカさんがテーブルのナイフを手にして身構えた。

しかし刺客の男は慌てる素振りを見せずに余裕があるように見えた。恐らく絶対な自信があるからなのだろう。


暗殺者(アサシン)か、貴様」

「その通り、貴様らに俺は捉えられない。まずはそこの女から始末してやる」


ご指名ありがとうございます。


予測(プレディクション)を加える。

暗殺者(アサシン)を名乗った男が高速移動で私に攻撃を仕掛けてきた。


遅いなぁ……


過去に敵として出会った暗殺者(アサシン)だった人達を思い浮かべながらそう思った。


逆手に杖を構え捕縛優先で突き出された小剣(ショートソード)を持った手首に杖を打ちこむ。逆の手で持ったダガーで隙をついて突き込んできたつもりのようだったけど、既にスライドして持ち直している私は、その一撃も軽く捌いて更にスライドさせて鎖骨の辺りを打ちつけ、そのまま1度杖を引いて突きを鳩尾に叩き込んで呼吸を奪った。


「ガハッ! 馬鹿な……」


よし! 修道士(モンク)の代名詞でもある昏倒打撃!


「はぁっ!」


空いた手で暗殺者(アサシン)の首筋に手刀を叩き込んで意識を刈り取った。


アリエルさんとポラベアさんは!


刺客を無力化した私は視線をオルカさんの方に向ける。アリエルさんは立ち上がっていたけど、ポラベアさんは倒れたまま起きていなかった。


「ポラベアさん!」


まさか、嘘。間に合わなかった!?


慌てて駆け寄って倒れたままのポラベアさんの元に行く。


嘘……


「サーラ、信じられる?」


なんで……どうして……





「なんで、気持ち良さそうに寝てるのよー!」


解毒が済んだポラベアさんはスヤスヤと気持ち良さそうに眠っていた……





刺客を縛り上げ、屋敷を調べた結果、警備をしていた領主の兵は皆んな一撃の元に殺されていた。

料理をしていたものも殺されていて、生きている者は私たち以外にいないかに思われたが、セバスチャンだけがなんとか息が残っていて、アリエルさんの治療で九死に一生を得た。


あれ? 私セバスチャンだけさんをつけてないような……うん、深く考えるのやめよ。




「君たちのおかげで助かったよ。とは言えこれは少しマズイな。今日のところは戻ってくれるか……」

「報酬の話は上乗せで次の機会にもらいに来る」

「そうだね、改めてその時に」


チラッと私の方を見る。

ひとまず領主の屋敷から出て行く事になって、オルカさん、ポラベアさんの後にアリエルさんが私の手をギュッと握って引っ張るように後に続いた。




「厄介なことになりそうか? オルカ」

「いや、しばらくはおとなしくするだろう」

「そうね、立て続けにやったら足がついてしまうものね」

「じゃあ俺らはどうするよ?」

「取り敢えず、ギルドに報告だろう」


迷宮での事をあの狼の事、そして翼を持つ謎の魔物の事を冒険者ギルドに報告しに向かう事になった。


お腹すいた……



本日分の更新です。


書溜めがあと3話分になってしまいました。

まぁすすんでいってますけど。


作者自体は楽しんで書き進めちゃってますが、読んでくれてる人たちはいかがなんでしょうか……


本編早く進めろって思っている人もいるのかな?

同時進行も考えた事もありますが、ど素人にはそこまで出来そうになく、ただでさえ薄っぺらな中身が更に薄まりかねないので外伝が終わるまでもう暫くお待ちいただければと思います。


あと誤字脱字には気をつけていますが、もしありましたら報告お願いします。また意見や感想を書いてもらえると、話に加えられそうなら加えたり、修正するようにしていくので出来たらお願いします!



次回更新は明日の予定です。



「私はもう別人でもいいんじゃないかなぁ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ