表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/8

【愛】1

出来損ない男の成長   主人公『山本圭助』ニート。アイドルオタク。

彼女は今週も相変わらず珍解答を連発。笑いも取りMCには散々いじられた。今回の放送も大活躍だ。最近は色々な番組に出演するようになったしドラマの話もあるようだ。これから、どんどん彼女は活躍の場を広げていくだろう。僕はそれが嬉しくて仕方ない。


僕がスザンナのことを知ったのは地元の地方番組のニュースだった。彼女はニュース内のグルメコーナーのキャスターだった。彼女のコーナー中のコメントは最悪だった。見ているこちらに何も伝わってこないし、的外れなコメントも多く見ているこっちがヒヤヒヤした。僕はそんな彼女を一目見た時からファンになった。理由は単純。顔が好みだからだ。

その後、彼女は地方を飛び出し、芸名を本名からスザンナに変えた。途中よく分からないオタクユニットに入ったりはしたが、今はゴールデンに出演、成功をおさめたわけだ。


僕は最近流行りのニートってやつだ。高校卒業後に就職した会社には半年も経たず辞めた。理由は単純、きついからだ。そんな僕の毎日は、寝る・食事・風呂・スザンナ、この4項目のサイクルだ。

親との会話はほぼなく食事以外は顔を合わせることはない。あちらも僕に干渉することはないので、この生活に不十分はなかった。


スザンナが出演した番組が終わると、早速パソコンを開く。某巨大掲示板のスザンナ板を見る為だ。僕のポリシーは見るだけであって書き込みはしない。僕にとってのスザンナ板のチェックは市場調査・情報収集なのだ。スザンナファン同士の馴れ合いには興味ない。


やはり有名になると注目も集まり数々の噂・裏話も出てくるものだ。元ヤンだとか整形だとか馬鹿キャラは作っているだとか…挙げたらきりがない。でも僕はそんな事には全くもって興味ない。嘘だろうが本当だろうが関係ない。彼女が今まで歩んだ道はそりゃあ気になるし整形疑惑は多分真実なのだろう。しかし、あえて無視しておこう。なぜなら、今の彼女を陰ながら応援し見守ることが僕が今すべきことなのだ!と考えるからだ。


だが最近、僕のニート生活を危惧した父が口うるさくなってきた。僕はまだ若い、確かに時間は有限だが今はやりたいようにさせてほしい。一人旅もしたいし、一回は上京というものを味わいたい、あと「あいのり」にも参加したい。すべて味わい尽くすのに時間はまだまだ使う。まだ就職だなんて出来るはずがない。


そんな4サイクル生活が続いている中、大変なことが起こった。父が亡くなったのだ。早朝、母が父を起こしに行くと、すでに身体は冷たくなっていたという。心臓発作で突発的に亡くなったらしい。大黒柱を無くしたことで父の死の悲しみが癒える間もなく母が昼も夜も働くことになった。そんな時に僕はと言うと今まで通り就職もせずスザンナニートをしていた。あの頃の僕は自分以外に興味はなく、とことん自分に甘い男だった。


しかし女手一つで家庭を支えるのは、やはり無理だった。僕も働かざるをえない状態になった。流石の僕も就職する決意を固めた。僕が就職を決意するということは今までのスザンナ生活を捨てることでありスザンナとの決別を意味するものだった。僕は最後に思い切った作戦に出ることにした。やはり僕も男だ。一皮剥けば狼。もうファンが無理なら最後に告白して終わる!彼氏になってやる!僕はファンでおさまる気なんてさらさらないのさ。ファンからスザンナのたった一人の男になってやる。大体のアイドルファンは言うだろう「ファンだが恋愛感情はない」と。そんなもんは手に入らないと思っているから言うだけだ。僕が先駆けになってやるさ。ファンの希望の星に!


つづく


実在の人物とは一切関係ありません。完全フィクション・妄想です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ