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私は世界に落とされた。
名前はまだ無い。
形もはっきりしない。
しかし、製作者は私のことをこう呼ぶ。
人形
製作者の身代わり人形であり、製作者の操り人形。
それが私の役目なのだ。
そんな私は落とされた。
ここは天界という場所らしい。
すごく偉そうな人が私の体を掴んでいる。
別に私の体掴むのはいいけど、痛くはしないでほしいよねまったく。
彼は私に語りかける。
「今日からお前は私のだ。」
私はその言葉に応えるどころか、頷きもしない。
「今日からお前が、私の力だ。」
そして私は閉じ込められる。そこは白くて明くて、そして広い。
しかしそこにいるのは私だけ。
別に文句はないんだよ?
退屈なのは仕方がない。
だから私はそこに居る。彼が何をしたいのか考えることもなく、ただただそこに居る。




