番外 女暗殺者は第5皇子に恋をする①
「おまえがウチに入って今日で三年になるな」
アニキに暗殺者の極意を叩き込まれて今日で3年になる。
「よし、お前に初仕事をやろう」
ようやく暗殺者の任務を貰えるらしい。
「おおっ!」
あたしはずっとこの日を待っていた。
「本音を言うと女のお前にはこんな仕事させたくはねえが…ってめちゃくちゃ嬉しそうじゃねえか」
あたしは両親が殺し屋だからというのもあって生まれたときからそういう仕事に抵抗がなかった。
「じつはココに入ったのもオヤジとオフクロの影響なんスよー!」
アニキは若干引きつつ納得した。
「まあ普通は生活に困って入るもんなんだがなあ」
たしかに殺し屋は仕事柄ほとんど捕まるか死ぬもんだから
あたしは珍しいタイプかもしれない。
「ターゲットは第5皇子!!」
皇子は美形揃いの噂だけど、もしイケメンだったら殺すのもったいないな。
城の警備は手薄で、簡単に忍び込めた。
こうもあっさり侵入できると、逆に罠かと疑ってしまう。
5番目の王子は眼鏡だって聞いたけど、確かに城内に眼鏡の奴は城にまったくいないから特徴にはなるかな。
適当に皇子のいそうな部屋を物色する。
「誰だ!!」
こいつ頭の悪いやつばっかで有名なパレッティナの皇子のくせに鋭い、入ってすぐにバレた。