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side死生
「ただいまー」
シャーレアを屋敷に送り届け、帰宅したフィードは窓辺でブツブツと呟くミレースを見ていた。
「おいミルエスなにやってんだ?」
覇気のない姿にフィードは気味が悪くなる。
ミレースは正しくは姉ではなく兄だ。
フィードが産まれて間もなく、追われていたところを両親が助けた。
追っ手の目を避けるために性別を変えて暮らしている。
「彼女を見ていると思い出す…」
両親が言うには前世の記憶を持って産まれたらしい。
記憶の混濁が見られて、滅多に人目には出ない。
そしてミレースというのは彼の者の仮の名であった。
「嗚呼、懐かしい…彼女を見ていると、死国を思い出す」
突如、ミルエスは小さく笑い始めた。
今彼が口にした死国と呼ばれる国は遥か昔、存在していたのは確かである。
彼はそこから来たのだと言っていた。
「これは偶然なのか…?」
否、これは運命だろう。
初めは普通のサブキャラクターの予定でした。
書いている間にこうなってしまいました。