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2・願い

皇子を落として副賞をゲット!とは言ったものの――――

私はどうも皇子のめがねにかなうインパクトがかけている。

家は裕福といっても爵位のない平民、お金など一般の男性は連れても皇子には通用しない。

唯一上げられる他の女性との差は髪だけだ。


この国にはある伝説がある。

遥か昔、恋に落ちた魔人と人間の皇女がが引き裂かれた末、二人同時に命を絶つという悲劇

その最中に国一帯に呪いを掛けたのが始まりとされている

一説によると魔人は銀の髪、皇女は金の髪をしていたから

とも言われており真相は定かではない。

ただし異国の血を混ぜれば呪いには対抗出来るようで

私の場合、父が異国出身なので呪いはかからなかった。

そのため出歩く際、ローブで髪を隠さなければ騒ぎになってしまう。

―――

このままではらちがあかない、皇子を落とすためのアドバイスを貰おう。

思い付くやいなや私は幼馴染みの‘イレーサー’の屋敷を訪れる。

彼とは幼い頃から互いの家に招きあう関係だ。

何かいいアイデアをくれるに違いない


私は彼を見つけると開口一番“皇子の妻になる方法を教えて”

脈絡もなく必要な部分だけ話してしまった。


これでは誤解を生むと思い慌てて訂正しようとしたが遅かった。


「皇子と結婚したいだって!?」

白髪の少年はみるみる顔の血相を変え、私の肩に手を置いてニッコリと微笑む

言葉を告げられずとも何を言われたのか察しがつく

頭がおかしくなったのかと

私をソファに座らせてから彼自身も向かいに座った。


「取り合えず話を聞いてあげるけどお茶を飲んだらお医者様に見てもらうといい」


“もちろん頭のほうで”嫌味たっぷりに言われてしまった。


「君はどう頑張っても皇子の妻にはなれないだろう」


たとえ容姿や性格が皇子のめがねにかなっても、家柄の問題が出てくるのではとイレーサーはもっともらしい指摘する。


「たしかにそれは私も思ったわ」

だけど皇子の出した条件には女であればいい、とある

ならば可能性もないわけではない。


「たしかに私はお屋敷に住む富豪の娘ではあるけど平民よ」

金があっても貴族階級にはとうていかなわない。

「貧乏下級貴族に対する当て付けかな?」

たまに彼のように落ちぶれてしまう貴族もいるだろうけど。


「大体どうして皇子を射止めたいんだ?金か?」


彼が知りたいのは私が皇子の妻になって

自堕落な生活を手に入れたいと思っているかどうかだろう

だがその質問は“いいえ”金は家に十分あるし父も私に甘いので十分すぎるほど贅沢な暮らしをさせてもらっている。


「愚問だったね、君の家は身分はなくても金はある!が売りみたいなものだし?」

父が何をしているのかは娘の私もしらないが

お金を大量に稼ぐすごい人である。

「ええそうよ!パパはすごいのよ!!」

自分がすごいわけじゃない父がすごいのだ。


「だったらなんでまた皇子なんか…顔?」

顔も違うだいいちに私の外出はこの屋敷か自宅くらい

たまに顔を出して国民の前へ現れるらしいけど

ローブを着て長時間外を出歩くのはつらいから観にいかなかった。


なので皇子の顔は見たことがないし知らない。

「…言いたくないなら仕方ないね」

それ以上追求することなくいつも通りに接してくれる。

本当の目的は教えられないので助かった。当たり障りのない城下町の菓子の話と話題の本の話をしばらくして帰った。

――

私の目的は副賞のエレメンタルクリスタル、実際に目にしたことはないけれど有名な鉱物だ。


その名の通り火のように紅く燃え、水のように青くすずやかで、土ように安定を、緑の葉のように安らぎを雷のように輝きを与える綺麗な石だったといわれる。

それと同時に触れた者に呼ぶいわくつき

それでも願いを何でも叶えると言われている幻の鉱石でそれだけ価値があるのだ。


私には叶うはずもない叶えたい願いがある。

“死んだ人間を生き返らせること”それが出来るのはきっと神様だけだ。


けれどわずかでも可能性があるなら賭けてみるしかない

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