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序章 もう一度、二人で

 


 


 出逢いは、別れの始まり。



 その出逢いは唐突で。

 


 別れもまた、唐突で。



 愛しているだけ、辛くなる。



 分かっていた、はずなのに。



 本当の意味では、全く分かっていなかった。



 ただ、この幸せな、大切な日々が、いつまでも続くと思っていた。



 こんなに、想っているのに。愛しているのに。



 想いは、届かない。



 二人なら、なんだって出来ると思ってた。



 夏も、秋も、冬も、春も、そしてまた次の夏も。



 側にいて、微笑んでいて欲しかった。



 手を握っていて欲しかった。



 叶わない。



 願いは、こぼれ落ちていく。




 神様。僕の祈りは、あなたに届いていますか。




 届いているなら、救ってください。



 他には何もいらない。ただもう一度、目を開けてほしい。



 それでも、これがあなたが決めた『運命』だというのなら。



 こんな悲しい結末なら。



 こんな寂しい別れなら。



 僕は、あなたに抗います。



 たとえ、全てを失っても。



 僕は,もう一度、一度だけでいい。




 君に、笑っていて欲しい。




 夏の、淡い日差しを浴びて。



 お気に入りの麦わら帽子をかぶって。



 もう一度二人で歩こう。




 夏の空の、下を。




 いつまでも、手をつないで。


















 白い、病室の、光の中で。



 真っ白な少女の手を握りながら。




 

 僕は、時を泳ぐ。逆流する。


 

 彼女と出逢う、あの夏の日へと。



 運命を、変えるために。




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