水飴と甘納豆、納豆と乳液と
王宮を後にしたナギサ。
(イシュタル侯爵家ひとり娘 ナギサ)
次かぁ……次って言われてもなぁ……
(ナギサの弟子兼助手 アリス・ヴェルホード:女)
とか言って、あるんですよね?先生♡
(ナギサ・イシュタル)
あのなぁ……いや、大豆があるな、大豆を使ったスイーツは?
とういか、大豆があるなら"小豆"は?
というか、まず"水飴"を作ろう。
(アリス・ヴェルホード)
水飴ってなんですか?
(ナギサ・イシュタル)
"水飴"っていうのは、穀物や芋類に含まれる"でんぷん"を人工的に分解・糖化して作られる、透明でとろりとした甘味料の事なんだ。
主成分は"麦芽糖"なんだ(by Google先生)
これ、このままおやつにもなるんだ。
よく混ぜると空気が入って白くなるし。
ただ、とろりとしているだけに、気をつけないと、ベトベトになるけど(苦笑い)
まず、これを作ろう。
(アリス・ヴェルホード)
穀物があれば良いんですね。
(ナギサ・イシュタル)
あゝ、ジャガイモ、さつまいも、とうもろこし、米ね。
米は今、大量に使っているから避けよう。
(アリス・ヴェルホード)
分かりました、ジャガイモ、さつまいも、とうもろこしを買ってきます。
そういうと、結構な量のジャガイモ、さつまいも、とうもろこしを買ってきた。
(ナギサ・イシュタル)
では、やってみるか。
【抽出】
でんぷんを取り出すナギサ。
(ナギサ・イシュタル)
これを糖化だな。
これまた魔法を使い、糖化したナギサ。
ほんと魔法って便利だな。
水飴が出来上がる。
(ナギサ・イシュタル)
食べてみ。
(アリス・ヴェルホード)
はい、あれ、これどうやって取るんです?糸引いて凄いです。
(ナギサ・イシュタル)
こうやるの。
ナギサは適量取り、クルクルと巻き付けて取った。
(アリス・ヴェルホード)
なるほど、いただきます。
んっ♡甘い♡美味しい!
(ナギサ・イシュタル)
まずは出来た。
次、"甘納豆"だ。
(アリス・ヴェルホード)
"甘納豆"?
(ナギサ・イシュタル)
"豆の砂糖菓子"と思えば良いよ。
(アリス・ヴェルホード)
"豆の砂糖菓子"?あの豆の?
(ナギサ・イシュタル)
そう、小豆、大豆、緑豆、黒豆、白豆でも出来る、甘くて美味しいよ。
ついでに納豆も作る?大豆を発酵したやつ。
あまり好きじゃないけど、好みでハマる人はハマる。
発酵食品だから、身体には良い。
(アリス・ヴェルホード)
せっかくだから、作りましょう。
(ナギサ・イシュタル)
じゃあ、まず、"甘納豆"から。
(アリス・ヴェルホード)
じゃあ、色んな豆を買って来ます。
(ナギサ・イシュタル)
あくまで知っているのは、小豆、大豆、緑豆、黒豆、白豆だから、それにしてね。
(アリス・ヴェルホード)
分かりました、先生。
アリスは早速、市場に買いに行った。
(アリス・ヴェルホード)
先生、買って来ました。
また大量に買って来たな、アリス。
(ナギサ・イシュタル)
では、作ろう。
まずは豆を洗う。
そして、かぶるぐらいの水を入れて強火ね。
(アリス・ヴェルホード)
はい!
(ナギサ・イシュタル)
で、沸騰して豆が踊りはじめたら、たっぷりのびっくり水をすると。
で、再び沸騰したら、少し沸かし、湯をこぼす。
かぶるぐらいの水を入れて煮詰める。
静かにおどるぐらいの状態で、豆が水から出ないように、途中差し水をしながら煮る。
(アリス・ヴェルホード)
はい!先生。
(ナギサ・イシュタル)
ふっくら柔らかく煮えている事を確認する。
ムラがあるようなら、火を止めて蓋をして蒸らす。
全部の豆が芯まで柔らかくなったら、ザルに上げる。
分量の8割ほどの砂糖と水を入れて沸かして砂糖蜜を作る。
(アリス・ヴェルホード)
大量の砂糖が要りますね。
(ナギサ・イシュタル)
でしょ、だから、ターゲットはお貴族だね。
砂糖が高いし。
(アリス・ヴェルホード)
ですね。
(ナギサ・イシュタル)
で、豆を戻して汁に浸し、一晩おいて砂糖を染みこませる。
で、ふたたびザルにあけ、砂糖蜜の残りに砂糖を加え、煮立たせたら豆を戻して一晩おく。
(アリス・ヴェルホード)
また砂糖ですか!
(ナギサ・イシュタル)
そう、で、また豆をザルに上げ、砂糖蜜を煮詰め、半分ぐらいになったら豆を戻し、汁が無くなるまで弱火で煮詰め、塩も加える。
(アリス・ヴェルホード)
塩も!いくらかかるんです?
(ナギサ・イシュタル)
で、ザルに広げて乾燥させて、表面に汁気が無くなったら出来あがり。
まぁ、砂糖振って、砂糖化粧した方が見栄えが良い(by Google)
(アリス・ヴェルホード)
どんなけ砂糖を使うんですか!もう、高級砂糖菓子です。
(ナギサ・イシュタル)
だよね、出来上がったら、食べてみ。
出来上がったのを食べてみるアリス。
(アリス・ヴェルホード)
!うーん!甘ぁ〜い!贅沢ぅ!美味しい!!
(ナギサ・イシュタル)
早速、陛下のとこに行って来る。
帰って来るまでに大豆を用意しておいてくれ。
次は"納豆"と"大豆エキス入りの乳液"だ。
(アリス・ヴェルホード)
分かりました!
早速、リリアス皇帝の元に行ったナギサ。
(マンティコ帝国皇帝 リリアス・マンティコ:女)
おお、来たな、ナギサ。
お前なら、何かすると思っていたぞ(ニヤッ)
(ナギサ・イシュタル)
ははっ!今度は"水飴"と"甘納豆"という菓子を作りました。
(リリアス・マンティコ皇帝)
ほほぅ、菓子とな。
早速、運ばれてくる"水飴"と"甘納豆"。
水飴を取り分け、混ぜるナギサ。
(リリアス・マンティコ皇帝)
ほう、面白い菓子だな、我にもやらせよ。
(ナギサ・イシュタル)
ベトベトになるので気をつけてくださいね。
やはり上手くいかないリリアス皇帝。
(リリアス・マンティコ皇帝)
なかなか難しいな。
(ナギサ・イシュタル)
慣れるまでベトベトになるのが通過儀礼です(ニヤッ)
(リリアス・マンティコ皇帝)
お前もか(ニヤッ)
(ナギサ・イシュタル)
はい、散々ベトベトになりました(ニヤリ)
(リリアス・マンティコ皇帝)
そうか、お前もか(笑)
では食してみるか。
リリアス皇帝は食べるが……
(リリアス・マンティコ皇帝)
食べるのも一苦労だな、しかし甘くて美味だ。
で、もう一つが"甘納豆"か。
そう言うと、一粒食べるリリアス皇帝。
(リリアス・マンティコ皇帝)
これは!美味だ!
単なる甘いだけの砂糖菓子ではない、豆の素朴な味わいも残っておる。
これは良い!お前は菓子職人にもなれるな。
(ナギサ・イシュタル)
無理です。
これぐらいしかできません。
(リリアス・マンティコ皇帝)
これが出来れば充分だ。
しかし、豆から菓子を作るか、やるな。
で、この次は?(ニヤッ)
(ナギサ・イシュタル)
陛下……(ため息)
まぁ、"納豆"というおかずと大豆エキス入りの乳液を考えています。
(リリアス・マンティコ皇帝)
"納豆"とな、"甘納豆"とは違うのだな。
(ナギサ・イシュタル)
はい、"納豆"は大豆の発酵食品、菓子ではありません。
逆に、"甘納豆"の方が似ているという理由で"甘納豆"と呼ぶようになったという説があります。
似てるかな?と違和感はありますが(笑)
(リリアス・マンティコ皇帝)
名付けは似てると判断したと(笑)
(ナギサ・イシュタル)
多分、そうかと(苦笑い)
(リリアス・マンティコ皇帝)
では、楽しみにしておるぞ。
リリアス皇帝に期待されたナギサ。
ナギサはそのまま王宮研究室に行った。
(ナギサ・イシュタル)
お久しぶりです。
(王宮研究室室長カビ研究者 ケイス・リカント:女)
お久しぶりですナギサ様。
どうされました?
(ナギサ・イシュタル)
新しい食品を作ろうと思って。
"納豆菌"ってあるかな?
(カビ研究者 ケイス・リカント)
"納豆菌"かどうか分かりませんが、大豆を発酵させて食品にする菌ならあります。
ただ、だれにも信じてもらえなくて。
(ナギサ・イシュタル)
たしか、稲わら居たかと。
(カビ研究者 ケイス・リカント)
はい、稲わら、枯草、落ち葉などに生息してますね。
(ナギサ・イシュタル)
多分それです!大豆を発酵食品にしたんですよね。
(カビ研究者 ケイス・リカント)
そうです。
信じてもらえるんですか?
(ナギサ・イシュタル)
はい、それを探していたんです。
それで大豆の発酵食品、"納豆"と呼ばれている食品を作るんです。
(カビ研究者 ケイス・リカント)
異世界、ですか?
(ナギサ・イシュタル)
はい、そうです。
(カビ研究者 ケイス・リカント)
では、使ってください。
やっとあの子達が日の目を見ます。
(ナギサ・イシュタル)
もちろん。
食品に使いますから……
(カビ研究者 ケイス・リカント)
分かってます、任せてください。
(ナギサ・イシュタル)
お願いします。
納豆菌を受け取り、薬局へ戻るナギサ。
(アリス・ヴェルホード)
先生、大豆、たくさん買っておきました。
(ナギサ・イシュタル)
じゃあ、作ろか。
(アリス・ヴェルホード)
はい。
(ナギサ・イシュタル)
じゃ、まず、大豆を水洗いしよう。
それが出来たら、18時間ほど水につけるんだ。
すると水を吸って2倍ぐらいの大きさに膨らむんだ。
そうしたら、煮て親指と小指で潰せるぐらいの柔らかさにするんだ。
で、その煮豆に、熱いうちにボールき入れ、納豆菌をふりかける。
それをよくかき混ぜる。
この時、煮豆を潰さないように気をつけてね。
その後、発酵させて出来上がり(by Google)
(アリス・ヴェルホード)
なるほど、早速やりましょう。
早速作ってみるアリス。
(アリス・ヴェルホード)
出来ましたが、臭いが……
あと、糸引いてますよ、腐ってません?
(ナギサ・イシュタル)
えっ?まぁ、そういうもんだ。
ボクは嫌いだけど。
(アリス・ヴェルホード)
なんでです?
(ナギサ・イシュタル)
糸引くのと、臭い。
味は良いんだけど、天秤にかけたら、食べなくて良いやって。
身体には良いんだよ?
(アリス・ヴェルホード)
まぁ、安く作れるから"身体に良い"となると売れる?
でもかなり好みで分かれるかも。
(ナギサ・イシュタル)
分かれるよ、これは。
(アリス・ヴェルホード)
でしょうねぇ〜。
(ナギサ・イシュタル)
でもまぁ、とりあえず一品という事で。
お腹の調子を整えたり、同じ大豆成分だからその効果もあるけどね。
(アリス・ヴェルホード)
なるほど、なら、好きな人が食べれば良いと。
(ナギサ・イシュタル)
そういう事。
では、大豆成分入りの乳液を作ろう。
こっちが本丸だ。
(アリス・ヴェルホード)
どんな効果があるんです?
(ナギサ・イシュタル)
潤いを閉じ込めて柔らかな肌に整えるね。
保湿力も上がるから、いわゆる"美肌効果"が期待できる。
(アリス・ヴェルホード)
潤い!柔らかな肌!美肌効果!
先生、早く作りましょう!!
(ナギサ・イシュタル)
ってなるよね。
(アリス・ヴェルホード)
はい!
という事で、大豆成分入り乳液を作った。
詳しくはGoogleかメーカーへ。
(アリス・ヴェルホード)
出来ましたね、早速使ってみます!(輝く目)
(ナギサ・イシュタル)
はいはい、じゃあ、ボクは皇帝陛下のとこに行って来る。
ナギサはリリアス皇帝のところへ。
(リリアス・マンティコ皇帝)
もう出来たのか!早いな。
(ナギサ・イシュタル)
納豆は既にケイス教授が成功してました。
それを量産しました。
乳液は新製品です。
そうしてナギサはリリアス皇帝に説明した。
(リリアス・マンティコ皇帝)
ホントか!なら、早速使ってみよう。
(ナギサ・イシュタル)
しかし、使い続けないといけません。
(リリアス・マンティコ皇帝)
それは分かっておる。
で、もう一つが"納豆"だな。
(ナギサ・イシュタル)
個人的には好みではないんですが、発酵食品なので、身体には良いです。
(リリアス・マンティコ皇帝)
なんだ、好みではないのか。
(ナギサ・イシュタル)
味は良いんですが、臭いと糸を引く事ですね。
臭いがしつこいんですよ。
(リリアス・マンティコ皇帝)
ははは(笑)
(ナギサ・イシュタル)
完全に好みなんです、これは。
嫌いな人も一部地域では非常に多いですから(苦笑い)
(リリアス・マンティコ皇帝)
あの知識だな。
まぁせっかくだ、食そうではないか。
そう言うと、食べた。
(リリアス・マンティコ皇帝)
ん?たしかに独特な臭いはあるが、美味だぞ。
(ナギサ・イシュタル)
そうなんですよ。
刻んだネギや生姜を混ぜたり、醤油や出汁を入れたり、卵と混ぜてもいけますね。
卵と混ぜて、卵焼きにしたりもします。
(リリアス・マンティコ皇帝)
好みではないのに詳しいな。
(ナギサ・イシュタル)
試したり、メニューとしてあったりはしたんです。
味は良いんですが、食べた後に、特に口の周りにネバネバが残るのと、しつこく残る臭いが嫌なんですよ。
(リリアス・マンティコ皇帝)
完全に好みだな。
おい、今聞いたのを、一通りやってみよ。
(ナギサ・イシュタル)
私も一緒に行きますね。
(リリアス・マンティコ皇帝)
頼む。
ナギサは料理長と厨房に行き、色々作った。
(リリアス・マンティコ皇帝)
ほう、種類は色々できるんだな。
(ナギサ・イシュタル)
そうなんですよ。
(リリアス・マンティコ皇帝)
どれ。
リリアス皇帝は片っ端から味見した。
(リリアス・マンティコ皇帝)
美味ではないか。
我は気に入ったぞ。
たしかに食べた後は気にはなるが、拭けば良かろう。
(ナギサ・イシュタル)
それが洗わないとなんですよ……
(リリアス・マンティコ皇帝)
どれ、貸してみよ。
リリアス皇帝は布で拭いたが。
(リリアス・マンティコ皇帝)
うーん、たしかにな。
洗えば良いのだな。
(ナギサ・イシュタル)
はい、それでもしつこいんです。
開き直って気にしないというのも手です。
好きな人は気にしないらしいですし。
今度は濡れたタオルで拭く。
(リリアス・マンティコ皇帝)
たしかに臭いはしつこいな。
まぁ、濡れタオルで拭けば、我は気にしないな。
それより料理が気に入った。
(ナギサ・イシュタル)
なら良かったです。
(リリアス・マンティコ皇帝)
で……
(ナギサ・イシュタル)
次はまだです、ネタ切れですね。
(リリアス・マンティコ皇帝)
と言いながら、何かするのがお前だろ(ニヤッ)
(ナギサ・イシュタル)
流石にもう……何かあるかな?
(リリアス・マンティコ皇帝)
期待してるぞ(ニヤリ)
(ナギサ・イシュタル)
いや、お手柔らかに。
しばらくは無いかと。
かなり探してみないと……
(リリアス・マンティコ皇帝)
まあまあ(ニヤリ)
リリアス皇帝にもの凄い期待をした目で見送られたナギサ。
ナギサは開き直って一時閉店と、本業に戻る事にした。




