エラグ酸とカルシウム
ある程度平穏な日々を送っていたナギサ・イシュタル。
(ナギサの弟子兼助手 アリス・ヴェルホード:女)
先生、何か新しい事しませんかぁ?
(イシュタル侯爵家ひとり娘 ナギサ)
新しい事って言ってもねぇ……
(アリス・ヴェルホード)
そうだ、痩せ薬作りません?
(ナギサ・イシュタル)
脱法ドラっぎゅっ♡
いつも通り、ナギサの股間を蹴り上げたアリス。
ナギサの身体が69.8セメ浮き上がった。(1セメ=1cm:当社データ)
(アリス・ヴェルホード)
何ヤバい薬、作ろうとしてんですか!(感情の消えた目)
(ナギサ・イシュタル)
ぐおほほぉぉぉぉ♡
のたうち回るナギサ。
桶に水を汲んできて……
(アリス・ヴェルホード)
復活してくださ……いっ!
そのままナギサにぶっかけた。
(ナギサ・イシュタル)
ぶほっ♡……はぁ♡はぁ♡はぁ♡ はぁ♡……
(アリス・ヴェルホード)
復活しました?先生(感情の消えた目)
(ナギサ・イシュタル)
はい……
(アリス・ヴェルホード)
で、何を作ります?
(ナギサ・イシュタル)
うーん……エラグ酸、取れるかな?
(アリス・ヴェルホード)
エラグ酸、ですか?
(ナギサ・イシュタル)
いちご、ラズベリー、クランベリー、ブラックベリー、ブドウ、くるみ、ざくろ、ヤマモモ、パイナップルとかに多く含まれているんだ、この中で安定して手に入るのは?
あるだけ集めたら良いよ。
(アリス・ヴェルホード)
うーん、パイナップルは南国ですから、希少品ですが、それ以外なら手に入りますね。
(ナギサ・イシュタル)
なら、それを使おう。
(アリス・ヴェルホード)
痩せるんですか?
(ナギサ・イシュタル)
限度があるよ、個人差もあるし。
(アリス・ヴェルホード)
どんな効果があるんです?
(ナギサ・イシュタル)
糖分を脂肪に変えにくかったり、脂肪の肥大化を抑えたり、肝臓に脂肪の蓄積を防いだり。
それで、体重減少、ウエストが細くなったりするんだ。
(アリス・ヴェルホード)
わぉ!夢のような薬!
(ナギサ・イシュタル)
でも、適量摂取と食事療法も要るよ?
飲んだからって、暴飲暴食すれば意味がない。
(アリス・ヴェルホード)
まぁ、そりゃね。
(ナギサ・イシュタル)
それに薬みたいに即効性はない、数ヶ月飲み続けてどうか?って感じかな。
(アリス・ヴェルホード)
他の効果は?
(ナギサ・イシュタル)
まぁ、あるけど……炎症を起こす原因の抑制とか、皮膚の色素沈着、いわゆるシミや黒ずみの抑制とか……
(アリス・ヴェルホード)
良いじゃないですか、先生!早速作りましょうよ!
早速材料を買いに行くアリス。
(ナギサ・イシュタル)
そう簡単にいくかなぁ……
まぁ、やってみるか。
この世界には魔法がある。
という事は魔法を駆使してできないか?
それでできれば魔動具を作り、量産できないか?とナギサは考えた。
(アリス・ヴェルホード)
先生!買って来ました♪
(ナギサ・イシュタル)
まぁ、やってみるか。
ナギサはエラグ酸の抽出に取り掛かる。
(ナギサ・イシュタル)
上手くいくかな?
【抽出】
魔法でエラグ酸を抽出する。
(ナギサ・イシュタル)
いやぁ〜、魔法って便利だなぁ……
(アリス・ヴェルホード)
でしょ、って、いつも使ってましたよ?
薬を作る時は必ず使ってたんですよ。
(ナギサ・イシュタル)
なるほど、魔法バンザイだよ。
エラグ酸を抽出した。
(ナギサ・イシュタル)
うーん、やっぱりな。
(アリス・ヴェルホード)
どれぐらい要るんです?
(ナギサ・イシュタル)
目安は1日3〜47ミグ。(1ミグ=1mg:当社データ)
(アリス・ヴェルホード)
今あるので作っても1回分あるかどうかよね。
(ナギサ・イシュタル)
みるからに高くつきそうだ。
それに、これは標準体重だったりしたら、あまり効果が出ない。
痩せてたりしたら、当然……
(アリス・ヴェルホード)
痩せないわね。
じゃあ、太った人が要るわね。
(ナギサ・イシュタル)
そんな都合良く居るか?
(アリス・ヴェルホード)
私のお父様よ、最近太ってねぇ(ニヤッ)
(ナギサ・イシュタル)
親をモルモット!
(アリス・ヴェルホード)
娘の為に死ぬなら本望でしょ(ニヤリ)
(ナギサ・イシュタル)
おいおい(ため息)
アリスの案内でヴェルホード伯爵家に行く。
(アリス・ヴェルホード)
お父様!
(ヴェルホード伯爵家当主 ジリス:男)
おかえり、アリス。
あっ、これはナギサ・イシュタル様。
お辞儀をするジリス・ヴェルホード。
(アリス・ヴェルホード)
お父様、痩せ薬ができたんです。
(ジリス・ヴェルホード伯爵)
おお!痩せ薬か、最近恰幅が良くなり過ぎたからなぁ……
(アリス・ヴェルホード)
そこで飲んでみない?
数ヶ月飲み続ける必要があるし、食事もある程度は摂生しないとだけどね。
暴飲暴食したら意味ないからね。
(ジリス・ヴェルホード伯爵)
そりゃそうだな、気をつける。
(アリス・ヴェルホード)
じゃあ、これ飲んで。
1日1回で大丈夫。
(ジリス・ヴェルホード伯爵)
ああ?あゝ……
(アリス・ヴェルホード)
酷い、信じてないんだ(涙目)
(ジリス・ヴェルホード伯爵)
いや、そんな事はない、そんな事はないぞぉ〜(汗)
(アリス・ヴェルホード)
じゃあ飲んで(上目遣い)
(ジリス・ヴェルホード伯爵)
分かった、飲むよ。
そう言うと、ジリスは飲み干した。
(アリス・ヴェルホード)
体調悪くなったら言って、大丈夫なはずだけど。
(ジリス・ヴェルホード伯爵)
アリス(涙目)
涙目でアリスを見るジリス伯爵。
(ナギサ・イシュタル)
なぁ、大丈夫か?
(アリス・ヴェルホード)
大丈夫よ。
昔、私の作った薬で治癒院に運ばれた事が10回ほどあるぐらいだから。
(ナギサ・イシュタル)
酷ぇ〜……
ジリス伯爵は無事だった。
それから数ヶ月。
(アリス・ヴェルホード)
お父様。
(ジリス・ヴェルホード伯爵)
おお、アリス。
お前の作った薬、よく効くな。
暴飲暴食はしてないし、メイド長が管理したいつもの食事をしてるだけなのに、少し痩せたぞ!
(アリス・ヴェルホード)
でしょ?でも、続ける事と、少しで良いから運動したら、もっと効果が出るわ。
で、それを社交界で宣伝して欲しいの。
因みに考案して作ったのは先生ね。
(ジリス・ヴェルホード伯爵)
なんだ、イシュタル先生だったのか(ほっ)
(アリス・ヴェルホード)
ああぁぁぁっ!私の事、信じてなかったんだ(涙目)
(ジリス・ヴェルホード伯爵)
いや、違う、違うぞ!もちろん信じているとも!(焦)
(アリス・ヴェルホード)
じゃあ、これ飲んで(上目遣い)
(ジリス・ヴェルホード伯爵)
お、おぉ、分かった。
一気に飲み干したジリス。
(ジリス・ヴェルホード伯爵)
で、これなんだ?
(アリス・ヴェルホード)
えっ?下剤と媚薬。
排泄する時、強烈な快感が走るから(ニヤッ)
(ジリス・ヴェルホード伯爵)
ああぁぁぁっ!!(泣)
(アリス・ヴェルホード)
嘘です、お父様。
最近お疲れみたいだったので、疲労回復薬と栄養剤です。
(ジリス・ヴェルホード伯爵)
よっ、良かった……(涙目)
そして、ジリス・ヴェルホード伯爵の宣伝で社交界では噂になった。
きちんと説明し、後々薬局へクレームが来ないようにアリスが念を押したからか、特に何もなかった。
それより、"健康に良い"という事と、"希少な材料からできている為、非常に高価"というのが、貴族達の、特に女性達の心を鷲掴みし、注文が殺到した。
ナギサは魔石を使った抽出器を作り、簡単に作れるようにした。
しかし、成分が成分だけに材料が大量に要る。
これが高価になる理由だが、"プライド高いお貴族相手でしょ?ならプレミア付けちゃえ"と、しかし"貴族なら買えるよね?"価格に設定した事も注文が殺到する理由でもある。
(アリス・ヴェルホード)
順調ですね、先生。
(ナギサ・イシュタル)
そうだね、しばらくこのままでいこう。
新しいのは、"これを飲むのは嗜みよ"ってなってからにしよう。
まぁ、そんなに次々思いつかないしね。
(アリス・ヴェルホード)
たしかにそうですね。
次ですか……何かあるかな?
化粧品?とか?
(ナギサ・イシュタル)
米糠化粧水があるやん。
あれもあって当たり前になってる感じだから、順調に売れてるよね。
(アリス・ヴェルホード)
はい、それに一緒にできる米を使ったおにぎりやお弁当も好調ですよ。
変に薬局で売ってるから身体に良いって言われてるし、子供でも買える小ぶりの価格を抑えたのなんて、喜んで買って行きますしね。
実際、パンより米の方が太りにくいというのもウケてますね。
(ナギサ・イシュタル)
良かった良かった。
(アリス・ヴェルホード)
でもこうなると、"次は何だろう?"っていう視線もありますよ(笑)
(ナギサ・イシュタル)
次かぁ……なんか気になるとか、要望があれば言って。
今はネタ切れだわ。
ある日♪森の中♪熊さんには出会わなかった。
ある意味、王都のど真ん中で熊さんと出会えば大騒ぎになる。
まぁ、いつもビタミン飴を買って行く船乗りの中に、髭面のガタイのいいヤツで"クマ"と呼ばれているのは居たが……
(アリス・ヴェルホード)
先生、何かやりません?サプリメントとか……
(ナギサ・イシュタル)
サプリメントなぁ……カルシウム剤?
(アリス・ヴェルホード)
カルシウムって、あの骨のカルシウム?
(ナギサ・イシュタル)
そう、ビタミンDと一緒に摂る事で吸収が良くなる。
(アリス・ヴェルホード)
良いじゃないですか!骨に良いなんて!骨折しにくくなりますよ!
(ナギサ・イシュタル)
で、飲み続けると……
(アリス・ヴェルホード)
飲み続けると(ワクワク)
(ナギサ・イシュタル)
まぁ、少しは骨の密度、骨密度ね、が、少しぐらいはよくなるかもだけど、骨折予防にはならない(笑)
(アリス・ヴェルホード)
ダメじゃないですか!
(ナギサ・イシュタル)
ただ個人的な経験ね、それだと、剥けやすかった爪が剥けにくくなって、艶が少し出たりした。
それと美容に多少影響があるとか。
骨が痩せるといわゆる"老け顔"になる。
垂れるんよ、特に口の辺りが分かりやすい。
血圧が高い人や心臓の調子が悪い人は飲まない方が良いよね。
精神の安定にもカルシウムが良いって言われてるよね。
(アリス・ヴェルホード)
うーん、でも、爪も美容のひとつですし、効果があったのなら、しっかり忠告してとか。
(ナギサ・イシュタル)
なら、やってみる?
(アリス・ヴェルホード)
材料はなんですか?
(ナギサ・イシュタル)
牛乳や乳製品、チーズとかね、あとは小魚や干物、骨ごと食べるでしょ?
大豆も良いよね、海草や野菜の中にも多いのはあるね。
魚の身にもあるとか。
(アリス・ヴェルホード)
意外と簡単に集まりますね、やりましょうよ。
(ナギサ・イシュタル)
じゃあ、やってみるか。
カルシウムサプリメントの製作にかかる。
ビタミンDも混ぜて。
液体の水分を飛ばし、粉にした。
そこからアレコレやって型に嵌め、打錠して錠剤を作る。
簡単に壊れないように、しかし、飲めば溶けるように固めた。
詳しい事が知りたけれはググッてくれ、省略する。
って、その為の魔法じゃん!!
(ナギサ・イシュタル)
できたな、飲んでみるか。
(アリス・ヴェルホード)
私も飲みます。
ふたりで飲んでみた。
(ナギサ・イシュタル)
ん”お”っ♡
なぜか股間が蹴り上げられ、ナギサの身体が18セメ浮き上がる(1セメ=1cm:当社データ)
(アリス・ヴェルホード)
あれっ?
(ナギサ・イシュタル)
な・ん・で(涙目)
(アリス・ヴェルホード)
いや、何か言うと思ったから、つい……(テヘッ)
(ナギサ・イシュタル)
酷ぇ〜!!(涙目)
しばらく飲んでみる。
(アリス・ヴェルホード)
ホントだ、爪が……
(ナギサ・イシュタル)
まぁ、ウソって言われてるけどね。
(アリス・ヴェルホード)
おい。
(ナギサ・イシュタル)
爪の主成分はタンパク質だからね、カルシウムは微々たるもんだよ。
(アリス・ヴェルホード)
でも爪が……
(ナギサ・イシュタル)
でしょ?ボクもだよ、ほら。
(アリス・ヴェルホード)
ホントですよね。
(ナギサ・イシュタル)
不思議でしょ?
(アリス・ヴェルホード)
ですよねぇ〜、なんでですかね?
(ナギサ・イシュタル)
ぶっちゃけ、分からん。
まぁ、個人差というか、人体の不思議?
(アリス・ヴェルホード)
たしかに人体は謎だらけですからねぇ……
(ナギサ・イシュタル)
で、売り出すなら、なんて言う。
(アリス・ヴェルホード)
うーん……美容?いえ、もう普通に身体に良いでいいかと。
(ナギサ・イシュタル)
だよねぇ……
(アリス・ヴェルホード)
まぁ、今の勢いなら、ノリで売れそうですよ。
(ナギサ・イシュタル)
ノリでいっちゃうか!
(アリス・ヴェルホード)
せっかくだから、やりましょう。
まぁ予想通り、新製品として売れた。
その中でも、やはり"爪が"というのが出てきて喜ばれたが、謎が深まるばかりだった。
まぁ、売れたし、そういう事なら良いかぁ〜という事にした。




