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薬剤師が異世界転生!  作者: なぎさセツナ
6/10

エラグ酸とカルシウム

ある程度平穏な日々を送っていたナギサ・イシュタル。


(ナギサの弟子兼助手 アリス・ヴェルホード:女)

先生、何か新しい事しませんかぁ?


(イシュタル侯爵家ひとり娘 ナギサ)

新しい事って言ってもねぇ……


(アリス・ヴェルホード)

そうだ、痩せ薬作りません?


(ナギサ・イシュタル)

脱法ドラっぎゅっ♡



いつも通り、ナギサの股間を蹴り上げたアリス。

ナギサの身体が69.8セメ浮き上がった。(1セメ=1cm:当社データ)


(アリス・ヴェルホード)

何ヤバい薬、作ろうとしてんですか!(感情の消えた目)


(ナギサ・イシュタル)

ぐおほほぉぉぉぉ♡



のたうち回るナギサ。

桶に水を汲んできて……


(アリス・ヴェルホード)

復活してくださ……いっ!



そのままナギサにぶっかけた。


(ナギサ・イシュタル)

ぶほっ♡……はぁ♡はぁ♡はぁ♡ はぁ♡……


(アリス・ヴェルホード)

復活しました?先生(感情の消えた目)


(ナギサ・イシュタル)

はい……


(アリス・ヴェルホード)

で、何を作ります?


(ナギサ・イシュタル)

うーん……エラグ酸、取れるかな?


(アリス・ヴェルホード)

エラグ酸、ですか?


(ナギサ・イシュタル)

いちご、ラズベリー、クランベリー、ブラックベリー、ブドウ、くるみ、ざくろ、ヤマモモ、パイナップルとかに多く含まれているんだ、この中で安定して手に入るのは?

あるだけ集めたら良いよ。


(アリス・ヴェルホード)

うーん、パイナップルは南国ですから、希少品ですが、それ以外なら手に入りますね。


(ナギサ・イシュタル)

なら、それを使おう。


(アリス・ヴェルホード)

痩せるんですか?


(ナギサ・イシュタル)

限度があるよ、個人差もあるし。


(アリス・ヴェルホード)

どんな効果があるんです?


(ナギサ・イシュタル)

糖分を脂肪に変えにくかったり、脂肪の肥大化を抑えたり、肝臓に脂肪の蓄積を防いだり。

それで、体重減少、ウエストが細くなったりするんだ。


(アリス・ヴェルホード)

わぉ!夢のような薬!


(ナギサ・イシュタル)

でも、適量摂取と食事療法も要るよ?

飲んだからって、暴飲暴食すれば意味がない。


(アリス・ヴェルホード)

まぁ、そりゃね。


(ナギサ・イシュタル)

それに薬みたいに即効性はない、数ヶ月飲み続けてどうか?って感じかな。


(アリス・ヴェルホード)

他の効果は?


(ナギサ・イシュタル)

まぁ、あるけど……炎症を起こす原因の抑制とか、皮膚の色素沈着、いわゆるシミや黒ずみの抑制とか……


(アリス・ヴェルホード)

良いじゃないですか、先生!早速作りましょうよ!



早速材料を買いに行くアリス。


(ナギサ・イシュタル)

そう簡単にいくかなぁ……

まぁ、やってみるか。



この世界には魔法がある。

という事は魔法を駆使してできないか?

それでできれば魔動具を作り、量産できないか?とナギサは考えた。


(アリス・ヴェルホード)

先生!買って来ました♪


(ナギサ・イシュタル)

まぁ、やってみるか。



ナギサはエラグ酸の抽出に取り掛かる。


(ナギサ・イシュタル)

上手くいくかな?

 【抽出】



魔法でエラグ酸を抽出する。


(ナギサ・イシュタル)

いやぁ〜、魔法って便利だなぁ……


(アリス・ヴェルホード)

でしょ、って、いつも使ってましたよ?

薬を作る時は必ず使ってたんですよ。


(ナギサ・イシュタル)

なるほど、魔法バンザイだよ。



エラグ酸を抽出した。


(ナギサ・イシュタル)

うーん、やっぱりな。


(アリス・ヴェルホード)

どれぐらい要るんです?


(ナギサ・イシュタル)

目安は1日3〜47ミグ。(1ミグ=1mg:当社データ)


(アリス・ヴェルホード)

今あるので作っても1回分あるかどうかよね。


(ナギサ・イシュタル)

みるからに高くつきそうだ。

それに、これは標準体重だったりしたら、あまり効果が出ない。

痩せてたりしたら、当然……


(アリス・ヴェルホード)

痩せないわね。

じゃあ、太った人が要るわね。


(ナギサ・イシュタル)

そんな都合良く居るか?


(アリス・ヴェルホード)

私のお父様よ、最近太ってねぇ(ニヤッ)


(ナギサ・イシュタル)

親をモルモット!


(アリス・ヴェルホード)

娘の為に死ぬなら本望でしょ(ニヤリ)


(ナギサ・イシュタル)

おいおい(ため息)



アリスの案内でヴェルホード伯爵家に行く。


(アリス・ヴェルホード)

お父様!


(ヴェルホード伯爵家当主 ジリス:男)

おかえり、アリス。

あっ、これはナギサ・イシュタル様。



お辞儀をするジリス・ヴェルホード。


(アリス・ヴェルホード)

お父様、痩せ薬ができたんです。


(ジリス・ヴェルホード伯爵)

おお!痩せ薬か、最近恰幅が良くなり過ぎたからなぁ……


(アリス・ヴェルホード)

そこで飲んでみない?

数ヶ月飲み続ける必要があるし、食事もある程度は摂生しないとだけどね。

暴飲暴食したら意味ないからね。


(ジリス・ヴェルホード伯爵)

そりゃそうだな、気をつける。


(アリス・ヴェルホード)

じゃあ、これ飲んで。

1日1回で大丈夫。


(ジリス・ヴェルホード伯爵)

ああ?あゝ……


(アリス・ヴェルホード)

酷い、信じてないんだ(涙目)


(ジリス・ヴェルホード伯爵)

いや、そんな事はない、そんな事はないぞぉ〜(汗)


(アリス・ヴェルホード)

じゃあ飲んで(上目遣い)


(ジリス・ヴェルホード伯爵)

分かった、飲むよ。



そう言うと、ジリスは飲み干した。


(アリス・ヴェルホード)

体調悪くなったら言って、大丈夫なはずだけど。


(ジリス・ヴェルホード伯爵)

アリス(涙目)



涙目でアリスを見るジリス伯爵。


(ナギサ・イシュタル)

なぁ、大丈夫か?


(アリス・ヴェルホード)

大丈夫よ。

昔、私の作った薬で治癒院に運ばれた事が10回ほどあるぐらいだから。


(ナギサ・イシュタル)

酷ぇ〜……



ジリス伯爵は無事だった。

それから数ヶ月。


(アリス・ヴェルホード)

お父様。


(ジリス・ヴェルホード伯爵)

おお、アリス。

お前の作った薬、よく効くな。

暴飲暴食はしてないし、メイド長が管理したいつもの食事をしてるだけなのに、少し痩せたぞ!


(アリス・ヴェルホード)

でしょ?でも、続ける事と、少しで良いから運動したら、もっと効果が出るわ。

で、それを社交界で宣伝して欲しいの。

因みに考案して作ったのは先生ね。


(ジリス・ヴェルホード伯爵)

なんだ、イシュタル先生だったのか(ほっ)


(アリス・ヴェルホード)

ああぁぁぁっ!私の事、信じてなかったんだ(涙目)


(ジリス・ヴェルホード伯爵)

いや、違う、違うぞ!もちろん信じているとも!(焦)


(アリス・ヴェルホード)

じゃあ、これ飲んで(上目遣い)


(ジリス・ヴェルホード伯爵)

お、おぉ、分かった。



一気に飲み干したジリス。


(ジリス・ヴェルホード伯爵)

で、これなんだ?


(アリス・ヴェルホード)

えっ?下剤と媚薬。

排泄する時、強烈な快感が走るから(ニヤッ)


(ジリス・ヴェルホード伯爵)

ああぁぁぁっ!!(泣)


(アリス・ヴェルホード)

嘘です、お父様。

最近お疲れみたいだったので、疲労回復薬と栄養剤です。


(ジリス・ヴェルホード伯爵)

よっ、良かった……(涙目)



そして、ジリス・ヴェルホード伯爵の宣伝で社交界では噂になった。

きちんと説明し、後々薬局へクレームが来ないようにアリスが念を押したからか、特に何もなかった。

それより、"健康に良い"という事と、"希少な材料からできている為、非常に高価"というのが、貴族達の、特に女性達の心を鷲掴みし、注文が殺到した。

ナギサは魔石を使った抽出器を作り、簡単に作れるようにした。

しかし、成分が成分だけに材料が大量に要る。

これが高価になる理由だが、"プライド高いお貴族相手でしょ?ならプレミア付けちゃえ"と、しかし"貴族なら買えるよね?"価格に設定した事も注文が殺到する理由でもある。


(アリス・ヴェルホード)

順調ですね、先生。


(ナギサ・イシュタル)

そうだね、しばらくこのままでいこう。

新しいのは、"これを飲むのは嗜みよ"ってなってからにしよう。

まぁ、そんなに次々思いつかないしね。


(アリス・ヴェルホード)

たしかにそうですね。

次ですか……何かあるかな?

化粧品?とか?


(ナギサ・イシュタル)

米糠化粧水があるやん。

あれもあって当たり前になってる感じだから、順調に売れてるよね。


(アリス・ヴェルホード)

はい、それに一緒にできる米を使ったおにぎりやお弁当も好調ですよ。

変に薬局で売ってるから身体に良いって言われてるし、子供でも買える小ぶりの価格を抑えたのなんて、喜んで買って行きますしね。

実際、パンより米の方が太りにくいというのもウケてますね。


(ナギサ・イシュタル)

良かった良かった。


(アリス・ヴェルホード)

でもこうなると、"次は何だろう?"っていう視線もありますよ(笑)


(ナギサ・イシュタル)

次かぁ……なんか気になるとか、要望があれば言って。

今はネタ切れだわ。



ある日♪森の中♪熊さんには出会わなかった。

ある意味、王都のど真ん中で熊さんと出会えば大騒ぎになる。

まぁ、いつもビタミン飴を買って行く船乗りの中に、髭面のガタイのいいヤツで"クマ"と呼ばれているのは居たが……


(アリス・ヴェルホード)

先生、何かやりません?サプリメントとか……


(ナギサ・イシュタル)

サプリメントなぁ……カルシウム剤?


(アリス・ヴェルホード)

カルシウムって、あの骨のカルシウム?


(ナギサ・イシュタル)

そう、ビタミンDと一緒に摂る事で吸収が良くなる。


(アリス・ヴェルホード)

良いじゃないですか!骨に良いなんて!骨折しにくくなりますよ!


(ナギサ・イシュタル)

で、飲み続けると……


(アリス・ヴェルホード)

飲み続けると(ワクワク)


(ナギサ・イシュタル)

まぁ、少しは骨の密度、骨密度ね、が、少しぐらいはよくなるかもだけど、骨折予防にはならない(笑)


(アリス・ヴェルホード)

ダメじゃないですか!


(ナギサ・イシュタル)

ただ個人的な経験ね、それだと、剥けやすかった爪が剥けにくくなって、艶が少し出たりした。

それと美容に多少影響があるとか。

骨が痩せるといわゆる"老け顔"になる。

垂れるんよ、特に口の辺りが分かりやすい。

血圧が高い人や心臓の調子が悪い人は飲まない方が良いよね。

精神の安定にもカルシウムが良いって言われてるよね。


(アリス・ヴェルホード)

うーん、でも、爪も美容のひとつですし、効果があったのなら、しっかり忠告してとか。


(ナギサ・イシュタル)

なら、やってみる?


(アリス・ヴェルホード)

材料はなんですか?


(ナギサ・イシュタル)

牛乳や乳製品、チーズとかね、あとは小魚や干物、骨ごと食べるでしょ?

大豆も良いよね、海草や野菜の中にも多いのはあるね。

魚の身にもあるとか。


(アリス・ヴェルホード)

意外と簡単に集まりますね、やりましょうよ。


(ナギサ・イシュタル)

じゃあ、やってみるか。



カルシウムサプリメントの製作にかかる。

ビタミンDも混ぜて。

液体の水分を飛ばし、粉にした。

そこからアレコレやって型に嵌め、打錠して錠剤を作る。

簡単に壊れないように、しかし、飲めば溶けるように固めた。

詳しい事が知りたけれはググッてくれ、省略する。

って、その為の魔法じゃん!!


(ナギサ・イシュタル)

できたな、飲んでみるか。


(アリス・ヴェルホード)

私も飲みます。



ふたりで飲んでみた。


(ナギサ・イシュタル)

ん”お”っ♡



なぜか股間が蹴り上げられ、ナギサの身体が18セメ浮き上がる(1セメ=1cm:当社データ)


(アリス・ヴェルホード)

あれっ?


(ナギサ・イシュタル)

な・ん・で(涙目)


(アリス・ヴェルホード)

いや、何か言うと思ったから、つい……(テヘッ)


(ナギサ・イシュタル)

酷ぇ〜!!(涙目)



しばらく飲んでみる。


(アリス・ヴェルホード)

ホントだ、爪が……


(ナギサ・イシュタル)

まぁ、ウソって言われてるけどね。


(アリス・ヴェルホード)

おい。


(ナギサ・イシュタル)

爪の主成分はタンパク質だからね、カルシウムは微々たるもんだよ。


(アリス・ヴェルホード)

でも爪が……


(ナギサ・イシュタル)

でしょ?ボクもだよ、ほら。


(アリス・ヴェルホード)

ホントですよね。


(ナギサ・イシュタル)

不思議でしょ?


(アリス・ヴェルホード)

ですよねぇ〜、なんでですかね?


(ナギサ・イシュタル)

ぶっちゃけ、分からん。

まぁ、個人差というか、人体の不思議?


(アリス・ヴェルホード)

たしかに人体は謎だらけですからねぇ……


(ナギサ・イシュタル)

で、売り出すなら、なんて言う。


(アリス・ヴェルホード)

うーん……美容?いえ、もう普通に身体に良いでいいかと。


(ナギサ・イシュタル)

だよねぇ……


(アリス・ヴェルホード)

まぁ、今の勢いなら、ノリで売れそうですよ。


(ナギサ・イシュタル)

ノリでいっちゃうか!


(アリス・ヴェルホード)

せっかくだから、やりましょう。



まぁ予想通り、新製品として売れた。

その中でも、やはり"爪が"というのが出てきて喜ばれたが、謎が深まるばかりだった。

まぁ、売れたし、そういう事なら良いかぁ〜という事にした。


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