4.宿屋での出会い
「なんか楽しくなってきた!魔法が使えるって不思議…。」
カァーカァー
「あ、キャラスが鳴いた。家に帰ろうぜ!」
「キャラス…?カラスみたい。…って、あ!もう夜だ!どうしよう!どこで寝よう!?」
私はホルンの町の地図を見てみた。
「え〜っと、あ!『宿屋ホルン』!良かった〜。ここに泊まろう。」
「いらっしゃいませ。お泊まりですか?」
「はい!どの部屋が空いてますか?」
「今空いているのはスイートルームAとベッドルームですね。それぞれ12600ベル、1130ベルです。
(ベル…?お金の単位が分からない…。)
「あ、えっと、じゃあ一番安い部屋でお願いします!」
「ベッドルームですね。1130ベル頂戴致します。」
(お、お願い!1130ベル?出てきて!)
そう頭の中で唱えると、手の中に硬貨が現れた。
(やった…!)
「は、はい、これです。」
「1130ベル丁度頂戴致します。では、ルームキーをお渡しします。この番号の部屋に行ってくださいね。」
「分かりました。」
…そして、まさかの相部屋だった。
「あー、こう言うタイプか。ベッドが並んでるだけのシンプルな部屋…。」
私はとりあえず空いているベッドに腰を下ろした。
「はぁ〜、生き返る〜。今日ずっと立ちっぱなしだったしな〜。」
「魔法を使って体力削ったんじゃない?」
隣のベッドから、聞いたことの無い声が聞こえた。
「っ!?だ、だだだ、誰…?それに魔法って…」
「あんた、さっき魔法でベル出してたろ。俺は見たぞ。」
「へぇ…?あ、あわわわわわ…」
「ほら、こうやって。」
そう言って隣の『不審者』は大量の硬貨をパッと出した。
「え…?私と同じ?」
「まぁ、俺も人のことは言えないが。同じことしてるしな。」
「…はぁ。やっぱり不審者はどこにでもいるんだ。嫌な世の中だなぁ。」
「おい、誰が不審者だと…?」
「へぇ。あなたも魔法が使えるの。」
「俺の能力は『魔法使い』だからな。」
「私は魔法少女。似たもの同士なんだ!」
「ふぅん。魔法少女…ねぇ。で、お前名前は?」
「私はユウガだよ。あなたは?」
「俺はライラだ。よろしくな、魔法少女さん。」
「うん、よろしくね!と言うかずっと気になってたんだけど、なんでこの世界は苗字がないの?」
「あ?この世界?苗字?何を言っている、貴様。お前、何者だ。」
あっ…(察) _:(´ཀ`」 ∠):グハァ
「あ、あ、あ、わ、私はぁ…えっとぉ…」
「さっさと吐け。お前は何者だ。」
「ちょ、ちょっと外にきて!」
「何するんだよ。おい。」
「ユミさ〜ん!来てくださ〜い!」
「どうしたの?ユウガ。」
「この人になんとか言ってください!」
「まぁ、ライラじゃない。なにか質問があるの?」
「ユミ!コイツは何者だ!」
「ユウガはあっちのミスで死んでもいないのに転生してしまった可哀想な子よ。」
「あ〜、やっぱりか。お前も転生者だったんだな。」
「そうだよ!なにか文句ある!?…ん?『お前も』?」
「俺は元人間だ。事故で死んでこの世界に転生したってわけだ。」
「えぇ〜!?私以外にも転生した人いたんだ〜!仲良くしようね!」
「はいはい。勝手にやっとれ。」
[ユウガの豆知識]
1ベル=1円らしい
覚えておこう!
ちょっと長くなっちゃいました。
読んでくれてありがとう!
次も見てね