3.魔法でお祭り楽しもう
(言っちゃった〜!ほんとにできるかな…?でも、言ったからにはやらないと!)
私は手を合わせて、目を瞑り、願った。
「…この男の子のお財布が見つかりますように。」
パシャッ、と音がなったと思うと、男の子が笑顔で駆け寄ってきた。
「ユウガねえちゃん!見て!僕のお財布!戻ってきたよ!」
男の子は満面の笑みで青いポーチを握っている。
「ありがとう!ユウガねえちゃん!お礼に一緒にお祭り行ってあげる!お金も僕が出すよ!」
「え!?いいの?君は優しいね。」
「僕はクラム!よろしくね、ユウガねえちゃん!」
そんなこんなで、私はクラム君とお祭りを楽しむことになった。
「ねぇ、クラム君。このフルーツ飴は何?」
「そっか。ユウガねえちゃんは旅人だから知らないよね。これはね、カンロフルーツって言う果物だよ。」
「カンロフルーツ?初めて聞いたな。」
「カンロフルーツはね、この町ホルンの特産品!とっても甘くて美味しいんだよ!」
「そうなんだ!じゃあ、私これ欲しい!」
「分かった!買ってあげる。一緒に食べよう!」
「う〜ん、美味しい!あま〜い!」
「でしょ?僕、これ大好きなんだ〜!」
「なんか、いちごと味が似てる!」
「いちご?なにそれ?」
(あ、ここは異世界だった。)
「みてみて!これ僕が好きなお菓子!」
「これはチョコバナナ?」
「ううん。これはチョコパナナだよ。食べてみる?」
「チョコパナナ!?バナナじゃないんだ。いいね。食べてみたい!」
「えっ!?パナナ、とっても甘酸っぱい!これはこれで美味しい!」
「ユウガねえちゃんが言ってるバナナってどんな味なの?」
「バナナはね、とろりとしてて、もっと甘いんだ。」
「そうなんだ!僕も食べてみたいなぁ。」
この世界には存在しないけどね…(・・;)
〜夕方〜
「クラム〜!もう帰る時間よ〜!」
「ママ!聞いて聞いて!魔法少女のユウガねえちゃんがね、僕がお財布落とした時に、一瞬でお財布を見つけてくれたの!」
「まぁ!そうだったんですね。うちの子がどうもすいませんでした。」
「いえいえ!私、クラム君に奢ってもらっちゃったんです。美味しいもの食べれたし、いい日になりました!」
「そうですか。この祭り、今日で終わりなので楽しめて良かったですね!」
「うん!僕、とっても楽しかった!ありがとう、ユウガねえちゃん!」
「こちらこそありがとう!クラム君。楽しかったよ。」
「では、お世話になりました。さようなら!」
「さようなら!」
「はぁ〜、めっちゃ楽しかった!今日はいい日になったなぁ。」
「良かったですね。魔法も上手く扱えていて安心しました。」
「あ!ユミさん!見てたんですか。」
「うん。この調子で、楽しく生活していってね。じゃあ。」
「…この生活、意外と楽しいかも!」
[ユウガの豆知識]
クラム君10歳
趣味は走ること
小学校の短距離走ではいつも一位!
パナナのオススメの食べ方は、ヨーグルトと一緒に食べることらしい。
分かる!私もそれ思った!
読んでくれてありがとう!
次も見てね