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消失点のその先に  作者: 白雪 凛


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EP 1-2 黒岩編

「それでは図書委員会は、クラスごとに月に1、2回担当が割り振られているので、自分のクラスの担当を忘れないようにしてください。最初のうちは図書室の操作がわかる先輩が一緒なので、わからないことがあったら確認してください」

図書委員会の説明はすぐに終わった。

「あれ?一ノ瀬くん帰らないの」

一ノ瀬は下駄箱を通り過ぎようとしていた。

「うん。ちょっと用事がね。気をつけてね黒岩」

「あ、うんありがとう」

一ノ瀬に別れを告げる。まさかの同じ委員会になれると思っていなかったので、嬉しい。

一ノ瀬は本を読むのが好きって話だったけど、もしかして早速図書室に行っているのかもしれない。

この高校の図書室は広く、集中して勉強できる個別スペースも用意されている。今の所使う予定はないが、テスト前や受験生にはなかなか快適な場所だ。



数日後

図書委員会の担当が回ってきた。

「一ノ瀬くん、今日大丈夫そう?」

ホームルームが終わると、僕の方から声をかける。

「うん大丈夫。だけど先生に呼ばれたから少しだけ遅れる」

「わかった。先輩にも伝えておくよ」

「ありがとう。またあとで」


図書室に着くと先輩に本の処理を教えてもらった。

「まず生徒から個別カードを借りて、ここに置くと情報をスキャンできるから、このパソコンの画面を確認して問題なければ、画面の次へボタンを押す。それから本をこの上に重ねると勝手に本を読み込んでくれるから、本の冊数とタイトル間違ってなさそうなら、画面に表示されたこの”完了”のボタンを押して終わり。複数の本を貸し出す時も重ねてここに乗せるだけで大丈夫。特に難しくはないだろ」

先輩は理解したかという目でこちらを見つめる。

「あの返却は?」

「あぁごめんごめん。返却時はパソコンの返却処理ってところを押して…」

先輩はその後も貸し出し期限が過ぎた生徒の確認やお知らせの方法、本の戻し方などを丁寧に説明してくれた。

その日は何度か実践することもできたので、なんとか慣れることができた。

「すいません。これお願いします」

「はい処理しますのでカードをお願いします」

「くっくっく」

本しか見ていなかったので、顔を見ると一ノ瀬だった。

「一ノ瀬くん何やってんの」

「いや実際にやってるところ見た方がわかるかなと思って」

そう言って一ノ瀬に説明するために実際に彼の借りる本の処理をした。



この学校の凄いところは、本の受付システムやwebで検索できるサイトを生徒が作ったという事だ。

図書室だけではなく、タブレットに最初から入っているアプリなども生徒が企画して作ったものだという。この学校のモットーは自主的にということみたいだ。まぁさすがに全て自由にというわけではなく、先生方の承諾や管理の下に行なっているようだ。

そのため生徒の服装や校則なども生徒会や生徒の代表などの議論の場もあるという。

ちなみに校内で何か起こった場合は、裁判のような形で解決したこともあるという。ここ本当に高校だよなと常々思う。

先輩の話によると、タブレットから学校への意見やいじめその他相談可能な場所がいくつかあり、生徒と先生だけでは解決できない時は、外部の講師を呼んだりするらしい。

僕がすでに使っているアプリは授業の教科書の範囲を指定するとAIが復讐のための問題を作成してくれるというものだ。それだけではなく予測問題や苦手な部分を個人毎に分析していってくれるらしい。



タブレットではいろんなことが確認できる。

クラスの時間割、移動教室の場所、食堂のメニューなどの王道のものもあれば、チャレンジ企画、コンテストへの応募、または部活のアイディア募集など学校独自のものも多い。

一体どれくらいの人が参加するのだろうか。よくはわからないが、どのコンテンツも凝っている。

部活動の一環でやっているものであれば、きちんと予算があるようで御礼として食券などがもらえるものもある。



4月も終わりになると、なんとなく一緒に過ごす友達が決まってくる。

さて僕はというと、お昼を一緒に過ごすほど仲の良い人はいない。人気のない場所を探してお昼を食べる日々だ。まぁ食堂でもおひとり様は多いし、あまり気にしなくて良さそうなのだが、あまり視線を感じたくない。

中学校時代のトラウマがまだ治らないのだ。大多数の視線に晒されるかもしれないと思うとうまく呼吸ができなくなる。

お昼をどこで食べてもいいというのはとてもありがたい。

早めに昼を食べると教室へ戻る。次の時間は理科実験室なので、教科書や筆記用具を持つと移動した。早めに移動してそのまま昼寝をする予定だ。お昼後の移動教室はそんなに早く人が来ないのでゆっくり眠れるのだ。



実験棟の廊下を歩いていると、どこからか声が漏れてきた。

「〜が、…で」

「ありがとうございます。それでは〜は…」

こんなところでお昼でもとっているのだろうか。

声が聞こえるその教室を通り過ぎる際に中を覗くと、一ノ瀬が白衣姿の人になりか聞いているようだった。

生徒だろうか。生物室と書かれているその教室は、文字通り水槽には魚がいる。

魚のことを聞いているのだろうか。それとも生物について詳しい人なのだろうか。真意はわからないが目的の教室へ向かうことにした。


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