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第9話 この糸を如何に解かん

 公園のベンチにジェイドと座りながら、私は王子の部屋で見つけた魔法陣について話をすることにしました。

「実は、空間魔法だと思われる、不可解な魔法陣を見つけたんです」

「不可解? 君が見てわからないんだ?」

 魔法学校時代、私は主席にこそなったものの、その後勉強をしていたわけではないので、専門的に学んできたジェイドに及ぶはずもありません。

「多分部屋にいる人をそこに留めさせる魔法が付与されている、というところまではわかるのですが、それ以外にも複雑な何かがかけられているようなのです」

「まあ、見てみないとわからないけど、そういうのはちゃんと(ほど)かないと危ないよ」

「解く?」

「糸と一緒で、解いてみないとすべてを解除できない場合があるんだ」

 私が浅学なのもあって、どういうことかよくわからずにいると。

「たとえば、一つの線が複数の魔法効果に影響していることがあるんだよ。その場合、それをぶち切ってしまうと、他のものがバランスを崩す可能性がある。そうなると、その魔法陣そのものが爆発するとか、そういう危険性があるんだ」

「さながら爆発物解除班と言った感じでしょうか」

「そんな感じだね」

「そうなんですね……」

 また危険を伴うのか。まあ、今更ですけど。

「手伝おうか?」

「良いんですか?」

 危険がわからず言っているわけでは無いと思うので、彼の提案に私の声は少しはずむ。

 これであの部屋の魔法陣をどうにかできるかもしれません。

 そうすれば、王子の助けになれるかもしれない。

 そう安堵しかけた、その時。

「だけど、一つ頼みがある」

 ジェイドはそう言って私をじっと見つめると。

「俺と一緒に、サウザに行って欲しい」

「行くのは構いませんが」

「そういう意味じゃない」

 茶化して誤魔化そうとしたのですが、ダメみたいです。

 一緒に行って欲しい。

 その言葉、彼が今も飛んで来てくれる、その意味。

「君と離れて思ったんだ。俺の隣には、やっぱり君が必要だと」

 そう真剣な瞳で見つめられ。

 どう答えるべきか、少しだけ考えたのだけど。

「すみません。今は仕事のこともあるので、行くことはできません」

 私ははっきりと答えた。

「仕事、ね」

「絶対断れない仕事が入っているんですよ」

「王族関係?」

「まあ、そんな感じです」

 ジェイドはしばし考えるように間を置いて。

「それなら、まずはそれを解決してやるよ」

 彼は自信満々に言って立ち上がると。

「その後、もう一度聞くから、その時は良い返事を期待しているよ」

 彼はにこやかな笑みを浮かべて、はっきりとそう言ったのでした。


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