新たなクエスト7
久々の帝都は、相変わらず賑わっているのだけど……街並みは少し変わっているように見えた。
馬車で膝抱っこは…………まぁいいよ……けど、街中で抱えられるのは、みんなに見られたら絶対笑われる!
「一人で歩けます」
「ダメ、危ない」
過保護過ぎるでしょ!!
黄色いフード付きケープをかぶされ、抱えあげられたまま街を移動していた。
「どこ?」
「大通りを真っ直ぐ……で中央噴水の……噴水!?」
あれ?デザインが違ってないか?噴水の西側この世界では珍しいエヌの揮毫の看板が見え………………………………な!?
「………………アイ?」
「無い」
「!?」
青い煉瓦の石畳。その先の奥に淡い青色のお城……記憶にある帝都の景色。でも、一番馴染み深い店がない。
『300年、アイは異なるか』
『冒険者登録は10才からだよ』
昨日聞いた2人の言葉が蘇る。
300年経ったというの?そうすると、現実で100年後になるけど……更新が時間経過を早めた可能性も無いとは言えない。
「ギルドに行きたい」
「ん、分かった」
「商人ギルドに」
「!?」
長い時間、店が店主不在で無くなったのかも知れない。商品補充は私達がやってたのだから、当然売る物が無ければ店は続かない。
みんなが居れば、また同じようにお店を再開してると思う。
「しりとりっていうお店はありますか?」
商人ギルドは街の南西、石畳と同じ青い煉瓦の建物。アーチ型の入り口に白で統一した窓枠と扉、以前と変わらず同じ場所にあった。
「少々お待ちいただけますか?確認してまいります」
受付に登録していた店名を告げ、ギルド内で待つことになった。
隣でシアが手を繋いだまま寄り添ってくれた気遣いが嬉しい。
「お店をお探しのお客様、お待たせ致しました」
受付のお姉さんは丁寧に対応してくれた。
「確認いたしましたが、お探しのお店は帝都内では見当たりませんでした」
……けれども欲しい情報は貰えなかった。
ギルドを出た後、どうして良いか分からず黙りこんでしまった私に、シアが声をかけてくれたけど、その問いに、ただ下を向いたまま首を振るしか出来なかった。




