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新たなクエスト

 ここは何処だろう。


 気がつくと見知らぬ部屋のベッドで寝ていた。


 ずいぶん綺麗な所ね。


 全体的に白を基調しているものの、病室のような寂しい感じには見えない。

 六畳ぐらいの明るい部屋だ。


 小さなサイドテーブルの上には、綺麗なフラワーアレンジメントが置いてあり、窓から差し込む優しい光が壁に描かれた模様を淡く浮かびあがらせ、上品な部屋のように見えた。


「よし!帰ろう!!」


 分からない事は後で考える事として、今はゆっくり湯に浸かってアイスでも食べたい。


「ステータスオープン」


 言葉に反応して目の前に自分の現在の状態が表示される。


 …………はずだったのに。


「ステータスオープン!!」


 何度言ってもまるで反応がしない。


「誰かいる?」


 ステータス画面がないから出来るか分からないけど、通信を試みてみた。


 もともと合間に冒険……いや、鬱憤解消というモンスター討伐をしてる友達達だ。応答が無い事の方が多いい。

 だから反応が無くてもいつもの事だから慌てる事は無いが、画面が見えないと通信が使えてるのか全く分からない。


「困ったなぁどうしよう」


 とりあえず、今の状況を把握しようとベッドから起き上がろとした時、ドアから一人の青年が入って来た。


 軍服?騎士服かな?左腰に剣を携帯してるようだし、警備兵とかかなぁ?

 幼さが見える顔立ちをしてるので、街の自衛団とかかもしれない。


「ーーーーーーーー」


 にこやかに話しかけて来たんだけど?


「ーーーーーーーーーーー」


 言ってる事がまるで分からない。


「えっと……こんにちは?」


 こっちの言葉が分かるか不安だけど、一応挨拶をしてみる。


 …………………………駄目だ!通じてないみたい。

 ……というか、ここであまり話したこと無かった。話さなくても画面指示に従って行動すれば上手くいっていた。

 みんなが来る迄、ひたすらレベル上げばかりしてた弊害が今の状態だろう。


 どうしようかと、頭を抱えて悩んでいると、同じ格好をした数人の青年が入って来た。


「ーーーー」

「ーーーーーーーーーーーーー」

「ーーーーーー」

「ーーーーーーーー」


 誰か一人でも分かる人がいてくれると助かると願いながら、もう一度挨拶を試みる。


「初めまして」


 驚いたような顔してるっぽい。

 どうしよう?ここで言葉が違うとか聞いてないんですけど。


 全部で4人か……同じくらいの年齢ぽいし、友人か同僚って感じかな?何かを話し合ってて、その内一人が手を上げ出て行った。


 ここに居ても仕方ないし、店に戻った方がいいかもしれない。


 私達は、友達と一緒に小さな雑貨屋を営業してる。運営というか、レベル上げで増えてく物を人任せで捌いてもらうだけの[店舗]という隠れ家(ホーム)なのだ。


 ギルドで買いとってくれるけど、私達が持ち込む量が多すぎて手続きに時間がかかり過ぎる。確認作業だけで2日待たされた事があまりに辛く、自分達で在庫処理をする為に作った倉庫(みせ)だ。


「どこのどなたか知りませんが、お世話になりました。後日お礼に伺います」


 システムエラーが気になるし、早く状況確認をしたい。


「仲間達と合流しますので、本日は失礼致します」


 分からないといえ、気持ちは通じると信じ、お辞儀して去ろうとしたのに……一人の青年に抱き抱えられてしまった。


「な!!」


「ーーーーーーー」

 いやイヤ、にっこり微笑まれても困るんですけど?


 抱えられ運ばながら、ドアに見覚えがある陣を見た。確か、あれは魔力枯渇症状緩和処置だったはず……だとすると、私、()()()()()()()()()()

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