いのこりクエスト
「ちょっと待って、それって誰が作ると思ってんのよ!」
「当然!い…アイ!」
言い馴れないのは分かるけど、「いあい」なんて言うから私が剣の達人と勘違いされて困ってるんだぞ。
「あのね、簡単に言ってくれるけどね。思いついたまま、ぱっ!と何でも出来るわけじゃないの!常識に基ずいて構造を練らないと出来ないの!!」
「馬車の揺れは辛いって、い…アイも言ってただろ」
言った。そりゃ言ったよ?けど、遠征しなきゃいいだけだよね?遠くに行く回数多くなる原因アルのせいだよね?
「俺も調べるの手伝う」
「エーヌゥ」
突撃爆走男と違って頼りになる!嬉しさのあまりエヌに抱きついた。
「な………そ、その間に仮題終わらせとくから…な?だから頼のむ」
人の頭を叩きながら、調子言い事言う。
最低限の用量の空間収納と、魔力の確保の為に討伐突進組に生産業を1職攻略する事を条件にVRMMOを続けてくと約束してしまった。
「早まったかも」
回復薬と魔法薬だけで手一杯なのに、魔道具まで作るの?しかも超大型の物。
「ごめんね?私、文字が多いい本はちょっと……」
「あははは、無理、無理!里は本開いて数秒で寝…」
「「あ゛」」
言い終わらない内に、ケイの見事な右ストレートが決まった!
「誰がさとだ!私はケイ!間違えるな!!」
「暴力反対!」
回復薬で治るとはいえ、容赦ないな。
「アルも悪いよ?呼びやすいといえ、ここではケイなんだから」
「けどさ、いの」
「私もアイだからね?遊ぶ為に決めた事だよね?アルだってそうでしょ?ケイにちゃんと謝ってね?」
「う゛……………………………………分かった」
間が長いぞ?ちゃんと反省してくんないと困る。そんなに酷くないし、下級薬でも大丈夫そうだな。
「さすが馴れてるな」
「……………」
「ケイもいつまでも怒ってるな。俺も音読みで呼ばれたままだぞ?」
「だって!」
「ケイ」
「分かってる」
「…………」
「分かっているから」
何話したらケイを落ちつかせられるのだろう。さすがエヌ凄い!
「ほら、アル」
いつまでも動きそうにないから、背中を押して行かせようと試みた。
「い………アイ」
「ん?」
「す…………悪い」
「はい、はい…謝る相手違うでしょ?」
「…………」
苦虫噛み潰したような顔して、私には簡単に謝れるくせにケイには何で出来ないのかなぁ?
もしかして、見た目か?幼女には気安いのか??
「アイ」
「もう、何なの?」
「俺も努力する」
「分かったから、先ずケイに謝れ!」
「アル」
エヌに呼び寄せられ耳打ちされてから、アルってば借りてきた猫みたいにケイに謝ってる。おぉ!さすがエヌ凄いわ!
「アイは、ありのままで良いんだけど、少しだけ人との距離感を考えてみて」
「?」
距離感とは?
「俺、来年大学生」
「!だ、大学………って、今一番忙しい時じゃない!遊んでて大丈夫なの!?」
「息抜きだよ」
ゲームが息抜きになるの?ログ少ないとは思ってたけど、受験か………2歳上だった事すっかり忘れてた。ごめんエヌ………距離感って、こーゆう事?
「俺達は、昔のままじゃない。成長している。けど、心を留めたまま、仮想人物で再会したのは失態だ」
「……?何の事?」
「いや、最近図書館にはよく行っているから、休憩がてら探しとくよ」
「!?あれは、私一人で何とかするから!」
図書館なら私だって良く行ってる!MMO初めて本数減ったけど、読むのは得意だ!
「機微に弱いのか好意に弱いのか」
「え?」
「ああ、アイが変わらなければ、地獄が続くと改めて実感しただけだ」
「な!?」
それって早く達成して転職しろって事ですか?
「私に何になれと?」
「思いのままに」
それじゃ分からないよ!
「アイ!エヌ!!行くぞ!時間無いんだから」
良く分からないまま、アルに引っ張られ今日もダンジョンに連れて行かれた。




