第二章 時を越えた邂逅と別離 1-3
「――それがいけなかった」
苦い顔でダリウスがぽつりと呟いた。
ペランも目を閉じ、なにかに耐えるように〝ふっ〟と短く息を吐いた。
まるで時が止まったかのように、ふたりにしばしの間沈黙が流れる。
「並みの才でよかったのだ」
気まずい静寂の後、ダリウスが口を開く。
「せいぜい周りと肩を並べるか、頭半分ほど先を行く程度でよかったのだ。――しかしお前はあまりにも突出し過ぎてしまった。それはお前のせいでないことはよくわかっておる、ただブルガ様のために必死に努力した結果だったのだと儂はわかっている」
ダリウスが弱々しく笑った。
「そうであったらしいな、俺は人の妬みを買ってしまった。自分ではそれと気付かぬうちに、嫉妬の対象となってしまっていた」
「お前が輝けば輝くほどブルガさまはお喜びになり、その寵愛は留まる所を知らぬまでになっていった。それを危惧したコルデスがお前に忠告したはずだ、覚えておるかペラン」
たしかにその時のことを、彼はいまでもはっきりと覚えていた。
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