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序章 8

 


 楼桑国では、昨年王の交代劇があった。


 三十七年の長きににわたり君臨したロルカ王が亡くなり、正嫡であったシリウス王子が順当に新王に即位した。


 サイレンとの盟約をとりわけ大事にしている、次男ながら正嫡であるシリウスが先代王の跡を継ぎ新国王になってから、まだ一年ほどしかたっていない。

 諸国の来賓列席の中で新王即位の盛大な戴冠式が行われたのは、ほんの半年前のことである。


 シリウスは同じ正室である母から生まれた妹ロザリーが嫁いでいる、サイレン公国を父王の時代以上に手厚くあつかった。

 義理の弟であるサイレン大公・フリッツとも、実の兄弟以上に馬が合うようすであった。

 歳もふたつしか違わない。


 それこそこの二国は楼桑の王女ロザリーのサイレンへの輿入れ以降、まるで蜜のように親しく睦み合っていた。



 先ほど名前の出た王兄ヴォーレンは長子ではあるが正妻の子ではなく、側室との間に出来た庶子であった。

 シリウスとロザリーにとっては異母兄となる。


 ほかにも男子として産まれた庶子が三人いたが、そのいずれもが成人前に臣籍へと下っていた。


 先代のロルカ王が急な病で倒れた際に、このヴォーレンを次期国王に担ごうと画策した一団があった。

 どこにでも見られるお家騒動が、楼桑国にても発生したのである。


 策謀の張本人たちは現体制の下で冷遇されている貴族、宮廷で閑職へと追いやられていた文官や、反主流派となって冷や飯を食っている軍人等で形成された不満分子たちであった。


 この騒動がややこしくなった原因は、嫡男であるシリウスがまだ王太子の地位に立っていなかったことにある。

読んで下さった方皆様に感謝致します。

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