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序章 6



「ねぇ爺、爺はこの道の出口を知っているの」

 それまで黙って手を引かれるにまかせていた少年が、守役の老人ダリウスにきいた。


「大丈夫ですぞ若さま。この爺がついておれば無事に出口へ、城の外へ出られますとも」

 ダリウスは少年の手をしっかりと握り締めたまま、ゆっくりと優しい口調でこたえた。


「僕ね、こんな秘密の道があるなんて全然知らなかったよ。あんな所が扉になっているのもね」

 少年は自分がどんな状況にあるのかもわからずに、無邪気にダリウスに話しかけた。


 まるで小さな冒険にでも出かけるかのように、瞳を輝かせている。



「爺、なぜお城が燃えていたの? 火事になっちゃったの?」

 少年は目覚めてこの方ずっと疑問に思っていたことを、やっと老人に問うた。


 少年の問いに対し、ダリウスは顔に深い苦悶の色を浮かべた。


「敵が攻めて来たのです。信じておった隣国の楼桑国(ろうそうこく)が、不意を衝き夜襲をかけてきたのです」


「えっ、楼桑国は(かあ)さまがお生まれになった国でしょ。シリウス伯父さまが治めている国じゃないか。それがどうして攻めてくるの。僕、去年シリウス伯父さまが王さまになるお祝いに行ってきたよ。優しそうな顔をした方だったよ。母さまのすぐ上のお兄さまなんだ、珍しいお菓子も沢山くれたよ」

 少年は驚いたように、ダリウスの手を強く握り締めた。


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