表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
53/133

第一章 楼桑からの使者 2-⑮

 


 一騒動起こしたばかりのダリウスとブラーディンは、発言するのをはばかっているのか、なにか言いたげな表情のまま、不満そうに楼桑国からの使者を睨み付けている。


 それを察知した外務卿のユーディが、やれやれといった風に軽く息を吐くと、二人の言葉を代弁するかのようにガンツに尋ねた。


「わが大公殿下と、楼桑国の姫君の婚礼話しであれば、正使をお送りなされたうえで、物事の筋を通されるのが当たり前の作法だと存じますが。先程のガンツ殿のお言葉ですと、正式な国の使者ではなく、ロルカ王の友としての使いだとおっしゃられたと記憶します。それはいかなる存念でございますのか」


「方々のご懸念はもっとものことでござる。このような作法にかなわぬ訪問となったのには、わが国が直面しておる、ある事情が関係しておりまする」

 老伯爵が暗鬱な表情で声を絞り出す。


「その事情とは、姫君に持ち上がっておる、もう一つの婚礼話しではござりませぬか」


「ご存じでござったのか・・・・・」


 ガンツがはっとした表情で、ガリフォンを見詰めた。


「わがサイレンと楼桑とは隣国同士、小国とはいえその位の情報網は持っておりますぞ」

「それではなにも遠回しな言い方をする必要はございませんな。その通りヴァビロン帝国のロッキンガム公家の公子との縁談話が持ち上がっております。それも急な申し出の上に、かなり強硬な態度でありまして」


「気に喰わぬな、その縁談話!」

「なにか、怪しい裏があるとしか思えませんな」


 それまで口を閉ざしていたダリウスとブラーディンが、我慢もこれまでといわんばかりに同時に言い放った。


「その方らは少し口を閉じておれ」

 ガリフォンが語気鋭く、二人をたしなめる。



読んで下さった方皆様に感謝致します。

ありがとうございます。

応援、ブックマークよろしくお願いします。

ご意見・ご感想・批判お待ちしております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ