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第一章 楼桑からの使者 2-④



「はっ、これは未確認な話しなのですが近頃ヴァビロン帝国から、皇帝一族のロッキンガム公家の公子と、ロザリー姫との縁談の申し入れがあったとの情報がございます。それも一方的にヴァビロン帝国のみが、積極的なようすなのです」


「なにぃ、ヴァビロン帝国からの縁談話だと。楼桑国ごとき小国との縁組など、一体どのような利があるというのか。解せぬ話だな」

 ダリウスの目が真っ直ぐに、ガリフォンを見据えている。


「そこが問題なのじゃよ。多分この縁組が成れば、わがサイレン公国にも必ずなんらかの影響が出ると儂は考えておる。それも悪い方へのな」

「なぜヴァビロンと楼桑の縁組みが、わがサイレンに災いを呼ぶというのだ」

 ダリウスが不思議な顔で訊いた。


「儂が考えうるに、これはいよいよヴァビロン帝国が、中原全体を手中に収める為の行動に出た始まりなのではないかと──」

 ガリフォンの言葉に、老武人の目が鋭く細められた。


「その予想に自信があるのか」

「まずは十中十間違いはあるまい」


 かねてから諸国の間に、ヴァビロン帝国が大陸統一を画策しているのではないかとの噂が、しきりに流れていた。


「かの怪物、ライディン・ド=マーベル枢機卿。帝国丞相にして皇帝特別最高顧問を務め、強大なヴァビロン帝国正規軍の独断による指揮権までを委任されていると言われているあの男が、とうとう動き出したのか。だとしたら殿、ここは心して掛からねばなりませんぞ」

 ダリウスの鋭い眼光が、フリッツへ向けられた。



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