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第一章 楼桑からの使者 1-①

 ここから「サイレン公国」の物語が始まります。

 若き大公「フリッツ」と隣国の末姫「ロザリー」の結婚への道は険しい。

 しかもその先に待つ「サイレン滅亡」と言う運命。

 果たして、その悲劇を回避することは出来るのか。

 宮廷劇の開幕です。

 




「殿ーっ、殿はどこにおられる。殿ーっ」

 星光宮の大回廊中に轟くような、大音声(だいおんじょう)が響き渡った。


 正しく〝雷鳴〟と呼ぶべきほどの大声である。

 しかしその声には、若々しく爽やかな響きも含まれていた。


 サイレン公国近衛騎士団の第三隊司令、ブルース・ヴァン=デュマ伯爵が、回廊を大股で歩きながら怒鳴っているのであった。


 短く刈り込んだ漆黒の髪は針金のように固く、眉も太く目も大きく鼻までがでかい。

 その黒曜石のごとき真っ直ぐな眼光には、睨まれただけで身が竦むほどの迫力があった。

 頑丈な顎に意志の強そうな引き結ばれた唇、人並み優れた長身は分厚い筋肉に包まれており、すべてが武骨そのもののような風貌の青年である。

 まるで岩が歩いているようだ。


 戦場では蒼一色の甲冑を身に纏っているさまから、誰言うと知らず〝サイレンの蒼き雷神〟と渾名されている。

 まだ若いながらも、その名は徐々に諸国に知られ始めていた。


 そんな武人そのものといった大男が、滅多に軍人が出入りすることもない内宮(所謂後宮の意)を歩き回りながら、大声を張り上げているのである。



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