表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

16/133

序章 16




 この抜け道の存在を知っている者は、大公フリッツと大公妃ロザリー、それに公国軍の最高責任者で〝サイレンの青き雷神〟と呼ばれる元帥府・上級大将ブルース・ヴァン・D=マクシミリオンとその妻たる、サイレン公国近衛騎士団総司令・黄金の雌龍ことエメラルダ・サウス=マクシミリオン。


 そして現大公を含め四代の領主に仕えてきた、先代の上級大将でありサイレン家臣団の象徴といってもよい、この老武人ダリウス。


 そのダリウスとは幼いころからの盟友であり、生涯のライバルたる、政治の要であり代々執政や内大臣を務め大公家に次ぐ力を持つ、ネルヴァ方爵(ランドグラーフ)一族の総帥かつ、公国の宰相でもあるガリフォン侯爵の六人だけである。


 知らぬ者がどう丹念に探そうとも、簡単にこの隠し通路を発見することはできないであろう。

 仮に発見されたとしても、その頃には一行はとうに城外へと逃れ去った後である。



 ダリウスの思案は城内からの追手ではなく、外へ出てからの身の振り方であった。


 どうやって安全な所まで辿り着くか。

 その安全な所とは一体どこであるのか。

 国の再興の為に、どう立ち回るかということにあった。


 超大国ヴァビロンが関わっているいま、近隣にサイレンに手を差し伸べてくれる国があるとは思えない。


 もし頼る術があるとしたら、ヴァビロンと覇を競っている最大のライバルである『ラインデュール正王国』、大陸西部に君臨する『グレナダ連合王国』、そして北方に孤高を保つ謎多き大国『ライトファーン』のどれかに縋るしかあるまい。


 果たしてこの状況の中、遠く離れているその国々へ辿り着くことが可能なのか。

 また、その国々が亡国サイレンの孤児を受け入れてくれるという保証もない。

 とにもかくにも、いまは一刻も早くこの通路を抜け、外へ出るのが先決だった。


読んで下さった方皆様に感謝致します。

ありがとうございます。

応援、ブックマークよろしくお願いします。

ご意見・ご感想・批判お待ちしております。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ