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序章 11


 


 自身の失脚を予感したシリウス王はその最も信頼できる、誰より親しいスナイデル卿を、身柄を拘束される寸前に使者として可愛い妹と実の兄弟以上に親しみを感じる、義理の弟フリッツの元へ送ったのである。


 スナイデル卿が無事に着いていなければ、それこそいったいなにが起きているのか、まったくわからない状況で今夜の侵攻を迎えていたことになる。


 しかし、ここまで素早い行動をとるとはサイレン側は考えていなかった。

 スナイデル卿を送り出したシリウス王自身どころか、謀叛を起こした張本人たるヴォーレンでさえ知らされてはいなかったのである。


 すべての指揮権は帝国の(ほこ)と呼ばれる、ヴァビロン正規軍『帝国聖騎士団』総大将の〝シュザイロン・ダン=オスフェライ伯爵〟が執っており、ヴォーレンはただのお飾りでしかなかった。



 この天地をも欺くような電光石火の侵攻は、楼桑国内の叛乱と同時進行で立てられた作戦であったことはまず間違いあるまい。


 いや、元々ヴァビロン帝国の、サイレン公国への侵攻作戦が先に計画され、その有効な手段として、楼桑国の王兄による叛乱が企てられたと考えるべきだろう。


 九年前の作戦失敗からすでに、ヴァビロン帝国の標的はサイレン公国に定まっていたのである。


 楼桑国などは、いつでも手中に収めることはできる。

 問題は小国ながら尚武の気風高いサイレンは、力を持って陥落させる意外に従わせることは不可能と結論づけていた。


 また、サイレン陥落となれば周辺の小国は恐れをなし、戦をせずとも降るところが出てくるだろう。

 それほどサイレンという国は、小さいながら影響力のある要衝であった。


 どちらにしろすべての出来事の首魁は、ヴァビロン帝国皇帝である。


 そしてこれほどの見事な作戦を立案遂行したのは、ヴァビロン帝国枢機卿(カーディナル)にして皇帝特別最高顧問である、ライディン・ド=マーベルにまず間違いあるまい。


 大陸中に勇名を馳せる、最良の文官であり最高の武官でもある、半ば生きながら伝説となっている人物だ。


読んで下さった方皆様に感謝致します。

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