第一話 卒業そしてさようなら
「さようなら」
雨が降る中最後のメッセーを見つめる。
今後お互いが合うことなどないのだろう。
中学校3年生の頃を俺(赤羽唯斗)は正直浮かれていた。彼女がいたこともその一つでありインスタの動画にいろいろと黒歴史となるコメントを残していたためアカウントを消してしまい友達もいなくなった挙げ句、一年間付き合った彼女とは中学校を卒業したと同時に別れを告げられた。中学校の友達を失った俺は、地元とは離れた場所の高校に行くことを決断した。
高校入学初日、中学校の後半にいじめられたことが頭から離れずうまく人と喋れずクラスの中でもひとりぼっちになってしまった。中学校では剣道をしていた、そのため高校でも剣道をしようと思っていた矢先のことだった。
「友部ってなんだ?」
聞いたこともない名前の部活に驚いていると
「きみ友部に入りたいのかい?」
と後ろから声をかけられた。
振り向くとそこには長身でスリムな女性が立っていた。黒くて長い髪に短いスカートで顔立ちからして日本人だろう。僕はそのとき見惚れてしまった。
「おい君大丈夫かい?」
そう声をかけられると焦ったように
「大丈夫です。てかこの友部って何なんですか」
少し焦った口調でそう呼びかけると手を差し伸べ
「友部とは、入学初日に過去のことや苦手なことでクラスで孤立してしまった子のクラスや学校での立場での道を引いてあげる部活さ」
正直良くわからなかったしかしこのときの自分はこの部活に入ることにした。
高校生活でどんな事があるかわからない。しかし、この時僕は確信した絶対に先輩を惚れさせてやるんだと頭から離れなかった。