ループ
ガバッ
「はっ………はっ………はっ………」
今のは………夢?周りを見渡す。
おばあさんにここを使ってと案内された部屋だ。
何一つとして変わっていない…………。
心臓に手を当ててみる。しっかりと脈を打っている。
「ねぇ………」
と、かおりが話しかけてくる。
「いまのって………………今の夢、みんなも見た?」
すると皆が
「私も見たよ」
「うん、私も………。」
みんなもこの夢を見てるの?
それってなんかおかしくない?
「ねぇ…………もしさ………今の夢が予知夢だったら?」
私はそう口にする。するとあやが
「……そうだったら私達死んじゃうってことでしょ?
ねぇ……ここから逃げよう?」
「そうだね……。なんかおかしいしはやく逃げよう。
もし…もしも……夢のとおりになったら死んじゃうし
おばあさんには悪いけどはやく逃げようっ!」
みんなもここから逃げるという意見に賛成した
「とりあえず玄関に行こう………」
私達は肝試し用に持ってきていたリュックを持って
足音を立てないように、そっと……ちょっとずつ進む
そして玄関までたどり着いた。
「やったね、はやく出よう。」
そう言って扉に手をかける
が、
「あれ!?あかない!?あかないよっ!?」
ガチャガチャとするもいっこうに開かない。
もしかして夜遅くだから鍵がかけられたのだろうか。
そう考えていると後ろから
「何をしているんだい?」
と、おばあさんの声がした
恐怖で震える手を抑えながら振り向くと
ナイフを持っているおばあさんがいた
「ひっ………な……なんでおばあさんこそ………
ナイフを持っているんですか………?」
「ああごめんなさいね…ガチャガチャ音が
するものだから泥棒かと思っちゃったのよ。」
「あ…そうだったんですね!」
な〜んだ。
てっきり私達を殺しに来たのかと思っちゃった。
早とちりはやっぱりだめだな〜
「ちなみに何をしていたんだい?
そんな大荷物でどこに行こうとしてたんだい?」
「いや、ちょっと…」
私達は安心しきって
おばあさんに殺される悪夢を見たこと
そして妙にリアルだったため怖くなり逃げ出そうと
したことを話した
するとおばあさんが
「まあまあ。そんな事があったのね。
にしてもあなた達、予知夢を見るなんてすごいわね」
「「「「え…?」」」」
「意味がわからないって?
私が今からあなた達を殺すからねぇ………」
そう言ってナイフを振り上げ………
かおるちゃんに深く深く突き刺した
ナイフを引き抜くと同時に
あたりを赤い鮮血が覆い尽くした
そしてかおるちゃんの悲鳴が響いた
私達はとにかく逃げなければという思いで
かおるちゃんを助けることもせず三人で走り出して
三人で隠れられそうなクローゼットを見つけて隠れた
「ねぇ、ねぇ、今……かおるちゃんがっ…」
「あのおばあさんに………殺されちゃったっ……!」
かおるちゃんの悲鳴が今も耳から離れない
ああ、
どうして私は………あの人を信用してしまったのだろう
そう考えているとおばあさんの足音が近づいてくる
恐怖のあまり身を縮こませる。怖いよ……。
そして足音が聞こえなくなり私たちはホッとした瞬間
クローゼットの扉が開き真っ赤に染まったおばあさんがいた
「ひっ…………!」
ナイフが振り下ろされ激痛とともに私の意識はなくなった