あるバイト
レイトは黒い、熱されたコンクリートの上を歩いた。コンクリートから伝わる熱気はヒーターよりも熱い。この辺りはコンビニや塾、ショッピングモールが軒を連ねている。レイトはゲームセンターに行くところだ。スロットが揃った時の快感がたまらないため、レイトはパチンコの虜になってしまった。
私はこの機械を監視しているものだ。1日12時間これを監視するだけで月90万が手に入る、怪しい仕事だ。監視と言ってもただ見つめるだけではなく、この機械に不具合が起こらないかを監視するのだ。もし起こったら、この機械の隣にある四角いボタンを押せばよい。しかし、いままで四角いボタンを押した事は1度もない。
この中に人が入っていると知らされたのは、この仕事を始めて2年の事だった。その日はいつも通りこの機械を監視していた。すると、いつもはならないジジという音が聞こえ、四角いボタンを押した。10分程すると大柄な中年の男が現れ、その機械を見回すと作業を始めた。あのー、と声を掛けると男は、はいり。と返事をしこちらを向いて、この機械の事聞きたいのかい?と微笑んだ。はい…
内臓神経以外をこの機械に接続して、中で人が暮らしているのさ。
レイトは200年生きるそうな。
レイトの一生は本にされて、売られるそうな。