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ユーレッド風土記 楚地方

作者: wildgun

日本の「ログ・ホライズン」ファンの皆さん、こんにちは。

中国上海からのファン、wildgunです。


自分が「ログ・ホライズン」のTRPG資料『セルデシア・ガゼット』の「ヤマト風土記」を読んで、「さて、自分が住んでいた都市に相当する〈セルデシア〉世界はどんな姿でしょうか?」と考えながら、この個人的な設定『ユーレッド風土記 楚地方』を書きました。


勿論、最初は中国語で《欧雷德风土记 楚地》という形で書き上げるので、こちらは自分で日本語に訳するものです。間違いだらけの文章ですが、ご添削、ご感想、ご意見を頂ければ、幸いです。


自分の設定ですが、中原サーバーの〈大都〉そして〈楚〉地方について、ご参考になれるように。


中国語版《欧雷德风土记 楚地》はこちらです:http://wildgun.net/2020/05/loghorizon_yuureddofudoki_chu/




◆〈()地方〉の地勢


 〈楚地方〉は、ユーレッド大陸に位置して、地球世界での長江中下游平原に相当する地域である。西から東へ流れる〈ファーロン河(遠長江)〉が大地を横断して、巨大なプレイヤータウン〈大都(ダァドン)〉がその東端に位置して、珠を銜む巨龍の形になっている。


 〈楚地方〉の中に、多くの地域は平野で、〈ファーロン河〉を中心とする幾つの河が複雑な水系を構成して、この平野を多くのエリアに分割している。一部の地域には丘陵が存在し、ほとんどの地域には、周りに目立つ山がないという。天際(てんさい)は、地平線(ホライズン)と接するように見えて、幕のような天が無限に広がっている。〈大地人〉たちが自然のままに形成するエリアによって、それぞれの村や町、都市に暮らしている。〈楚地方〉では、都市などが〈ファーロン河〉の川沿いに集まっていて、全体的に見れば、東に行くほど発展している。主な〈大地人〉都市といえば:〈呉〉、〈良渚〉、〈金陵〉、〈柴桑〉、〈夏口〉などが挙げられる。


 〈セルデシア〉世界のほかの地域と同じように、こちらの住民もヒューマンを主として、他の〈善の種族〉と共に仲良く生きている、一部の地域では、亜人種との共生関係すら構築しているケースもある。たまに、〈大地人〉には自分が仙境に迷い込んて、〈天人〉に御馳走を頂いだと述べる人がいる。伝承の中に、彼らは常に小柄で機知に富む花貂の姿で現れるという。しかし、全ての結局と真相が濃霧に隠れている。


  この地方では、河川と平野という二つ主要な地勢環境に対して、〈大地人〉は主に二つ違い交通手段が持っている。木の船や簡単な竹の筏で河を渡して、少量な貨物を運ぶ。だけど、これは明らかに流れの方向と勢い、風向によって限られている、しかも一部の地域もしくは期間の中に、水生系や両生系、爬虫系のモンスターが出現する。平野部では、騎乗生物は商人たちや村から出かけて遠い場所に行く人々に対して、不可欠な交通手段と言える。重荷を背負うことや遠距離移動に適する馬が言うまでもなく商人たちの愛用で、地域の領主や貴族、そして一部の裕福な〈大地人〉家庭は〈鹿〉、〈麒麟〉などの象徴意味が持つ騎乗生物の方を選ぶ——彼らの「メンツ」という考え方に関わるため。一方、〈楚地方〉大半の〈大地人〉家庭もしくは姓氏に基づいて大家族が擁して、しかし人生の結婚、都市にのお出かけ、出仕などの時、もしくはその村で一年中特別な祝日しか使わない騎乗生物といえば、〈熊猫(パンダ)〉である。そう、間違いない〈熊!猫!!(パ!ン!!ダ!!!)〉!!!楚地方で、騎乗動物としての〈熊猫(パンダ)〉は、〈大地人〉コミュニティの楽しい雰囲気が漂う時によく登場する。


  より巨視的な地域範囲から見れば、〈楚地方〉の〈大地人〉はユーレッド大陸の他の地域と物資を交換して、お互いに採長補短し合っている。行商隊、埠頭、関所、墟市など多くの要素によって構成される複雑で無形な交易路網〈香路〉は東の〈冒険者〉都市〈大都〉から、西へはどんなに遠くても届いて、貨物はその名前が誰でもしらない遠い地方へ流れていく。また、〈大都〉近くの重要な港を起点として、海中のモンスターや悪天候などの極端的なマイナスによる影響を避けて、〈ヤマト〉、〈フォルモサ〉などとの海上輸送ルートが確立している。



  〈楚地方〉では、自給自足でお米を食べていて、一部の地域で、漁業と狩りを行っている。〈()の町〉で作られた瓷器は昔から大陸各地域の貴族の珍品である。様々な〈芳草薬〉が〈方術〉思想による日常生活実践の産物として、各地域に広く輸出されている。〈真穿(しんせん)事件〉(〈大災害〉)*の後、二つ明確かつ重大な変化が起きている。一部の〈大地人〉は〈大都〉へ集めて移住して、特に〈大都〉の〈華王〉の争いが落ち着いた後、〈大都〉の周囲に〈冒険者〉にサービスを提供する為に〈大地人〉の居住地がいくつ築き上げられて、大体、規模は町に達した。〈真穿事件〉(〈大災害〉)がこの大地に齎すもう一つの変化は、元々もう一つ〈方術〉思想による幅広い実践——〈楚料理〉を含める中原地方の各地域独特の料理菜系は前例のない爆発的な発展が起きている。


(*〈真穿事件〉とは、〈中原サーバー〉のプレイヤーさんが〈セルデシア〉世界に転移という異変に対して、だんだん公認された呼び方で、つまり、〈日本サーバー〉プレイヤーさんの〈大災害〉である。また、〈大災害〉は〈ヤマト〉の〈大地人〉に〈五月事件〉や〈第三の森羅変転〉と呼ばれて、同様に、〈中原〉で、もしくはほかの地域範囲での〈大地人〉たちも、異なる呼び方もあると思う。「真穿」は中国語で「真的穿越了!」の略で、日本語に訳すれば「本当に(異世界に)飛び込んだ?!」の意味だ。また、「真穿」その発音は、痛々しい「針穿」(針で穿刺する)や、神々しい「真伝」(秘伝)の発音と似ていることも原因である。「真穿」は現存する中国語言葉ではない、筆者の造語である。)


  天と地、東と西、平野と河川、購入と売出、そして〈冒険者〉と彼たち自身……この地方の〈大地人〉たちは、〈方術〉の根本である陰陽思想で、世界を理解している。


◆〈楚地方〉の気候


  平野である〈楚地方〉の気候は、全体的に見て、相似性を示す。一部の山間部では、独特な気候もある。


  鳥瞰すれば、〈楚地方〉では、かなりの数量と面積の湖や河川が分布しているため、高湿な気候である〈ファーロン河〉の河口の近くの海岸地域、つまり〈大都〉とその周りの地域では、湿度がより一層高くなっている。


  高湿な気候が通年に呈している。特に夏季午後の蒸し暑さは並ぶものがない。〈大地人〉の体感で言えば、息苦しくて呼吸さえし辛くなる人もいる。適時な雷雨が来なければ、夕日が完全に西に沈んで、暑気が衰えてなくなるまでに暑苦しい一日が続いている。一方、高い湿度の影響で、冬の体感は〈ユーレッド大陸〉の同じ温度あるいは低い温度で乾燥する北の地方より、〈楚〉の方が身を切るように厳寒を感じる。善の種族の中で、ほかの七つはおろか、一番長い毛がある〈狼牙族〉すら耐えられない。何か理由で北の地方からこの南の〈楚地方〉に移住してくる者が、冬の高湿な厳寒に負けて、北に戻っていくこともよくある。「俺が北国の一匹の狼だ!南の厳寒で背中を丸める犬になっちゃった!」という話は、〈大地人〉の間でよく知られている揶揄である。


  夏や秋の季節、〈アサーズの大洋〉から頻発する台風が洪水災害を齎して、一部の村、町、街でも広く浸水する。そのため、〈楚地方〉でよく見れれる建物の屋根の様式は三角屋根で、もちろん排水の対策である。台風そのものによる建物や施設の損害も発生し、土砂災害も起こる。さらに、〈アサーズの大洋〉の深海に潜っているはずモンスターすらも陸地に齎してくる。その時期は、〈楚地方〉不定期フィールドゾーンのレイド級クエスト〈台風戦い〉が発生する。


  一方、海が齎す利益として、こちらは大きい塩産業があって、その規模から見れば、中原地方でも随一である。塩産業を手中していることで、〈楚地方〉が中原地方のなかに不動の優位を築きあげた。〈大地人〉学者が書いた経済を探究する作品『塩鉄論』の中に、「塩」の部分が〈楚地方〉の経済を考査の対象にして書かれたものだ。


  水は、苦痛を招く。水も、富饒を齎す。水は、〈楚地方〉の〈大地人〉の生活背景の基調色である。それでも、〈方術〉、特に〈楚地方〉の〈方術〉思想の中に、水は七つの美徳が揃っていると考えている。


◆〈楚地方〉について

  

  〈大地人〉が〈楚地方〉で、〈楚〉という国を築き上げた。〈楚〉の国は、中原地方の一部を占めているけど、平野部、沿海部、〈ファーロン河〉とその河口地域を擁して、この地方には、大陸の最強でもあり、油断すれば厄介になる恐れでもある存在——〈大都〉がある。

  ほかに、中原地方では大なり小なり、十つ以上の〈大地人〉の国が存在する。〈燕都〉を擁する北の国〈燕〉、〈羊都〉がある南の国〈越〉、西に位置して、〈冒険者〉のプレイヤー都市がないけど、特殊な〈方術〉を操って〈俑兵団〉を御する〈秦〉の国……それらは四雄と呼ばれて、もちろん三雄、七雄などの呼び名もある。国境エリアは常に戦争があって、国境もよく変動される。

  これらの国の中、いくつの国、面積は大なり小なり、〈覇〉を唱えることを政治的野望にして、自分の領地を全ての中原地方、さらに遠い四極まで広げようとしている。〈中原〉の中、いずれの国でも、人々が多少に、自分たちの先祖が同じ古代伝説中の〈神代〉の統一する大国〈方国〉に属したことを認める。信用できる史料が少ないけど、中原地方で浸透する〈方術〉は、その国の存在の証拠になれるかもしれない。今、〈覇〉を唱えようとする国々は、〈方国〉の盛世を再現されることを目指している。それらの国々の世襲君主たちは、自分が唯一の正統的な受け継ぐ人と一番有力な実現者であると信じている。一方、〈中原〉の一部の国は、面積は大なり小なり、拡大や復古といった野望がない。ただ一隅に安定な生活を求めるけど、諸国の版図戦争に巻き込まれている。


  〈楚〉を含む〈中原〉大地人諸国は、いずれにせよ、その国は〈覇〉を唱えるか現状を維持するかのがはっきり言えない。いずれの国の〈大地人〉の統治者、統治団体でも、変動しつつある〈中原〉地方、ユーレッド大陸そして遠い地域の情勢の中、自分の〈天命〉を探して問う——特に、〈第三の森羅変転〉が起こった後の今。


◆〈楚地方〉のモンスター

  〈楚地方〉の東には、海を望んで、海の中でも、空でも、巨大的で力強いモンスターがそこに徘徊している。かつてゲームだった時代、これはサーバーの間に移動する難易度を上げるために設置されるものであった。〈フォルモサ島〉のように、コンテンツの拡充による海洋モンスターが弱体化された例もあって、しかし、この辺の海は、主に〈中原サーバー〉と〈ヤマトサーバー〉の間の塀であって、プレイヤーに向ける挑戦するコンテンツではなかった。前に述べた通り、夏季と秋季の台風は海と空のモンスターを巻き上げて、〈楚地方〉に運ぶ事件が時々起こって、夏秋季節限定イベント〈台風の戦い〉が発生する。

  〈磁町〉の周囲には、綺麗な柄を持つ敏捷な磁器モンスター、磁器兵士が出没する。〈召喚術師〉もしくは〈大地人〉の強者と契約を結ぶと、力強い味方になれる。これらの磁器類は、西の〈秦〉の国の〈俑兵団〉に匹敵する(両方とも割れやすいため……?)。

  山林地域には、〈歩き樹〉などの植物系モンスターがいる。話すかいがあるのは、竹林地域に、竹類のモンスターが出没する。凶悪な〈暴れ竹人〉の特技〈竹笋烤肉〉*は、〈冒険者〉たちに苦痛を味わわせる強力な一手である。〈真穿事件〉(〈大災害〉)後の今の世界で、〈冒険者〉の強健な身体の限界に迫るほど苦痛だという。

*解説:〈竹笋烤肉〉を、上海弁でいうと「ゾセンコウニョウ」で、中国標準語では「筍と肉の煮物」の意味であって、上海方言のなかには、「子供が(教育の目的で)親に棒でお尻を叩かれること」も指す。


  それでも、〈楚地方〉では、〈冒険者〉たちがひっきりなしに〈暴れ竹人〉への挑戦に敢行する。ドロップアイテムの竹の材料は、竹製家具や工芸品、そして〈毫筆〉などを生産するための主要材料であって、それらの製品が〈冒険者〉と〈大地人〉に愛用されている。一方で、ドロップアイテムの〈爆竹〉は、〈中原〉各地方の12年一度(地球世界の年一度)に発生する冬季大型全域レイド〈過年〉(年を起こすこと)のラスボス幻獣である〈年〉を退治するためのキーアイテムである。〈冒険者〉が〈熊猫〉を騎乗にして挑戦すれば、〈暴れ竹人〉に対して巨大な抑圧効果があるという。


◆〈方術〉、〈方国〉と中原各地の料理


  〈楚地方〉を含む〈中原〉各地に住んでいる〈大地人〉たちは、貴族も、庶民も、職人や商人も、文人や学者たちも、この大地に暮らしている人々は、多少〈方術〉のことを知って、それは〈神代〉に存在していた〈方〉という古い国に由来するのを信じている。


  〈方術〉はすべてを網羅する。それが宗教的あるいは道徳的な規範でもあって、〈大地人〉の公爵、騎士、領主と農民の間の理想的な協力関係を説明し規定する。同時に、それが〈大地人〉たちが自然現象と自分の命に対する理解でもあって、それによって、人々の生産、労働、医療、飲食など様々な領域で指導する。さらに、〈森羅変転〉すらも〈方術〉が世界レベルでの表現であると考える人もいる。しかし、群雄割拠する〈中原〉のように、〈方術〉に対する理解もそれぞれの意見が分かれている。地方、人によって、〈方術〉について、全く違って、矛盾する見解もあるという。

  サブ職業〈方術師〉は、〈方術〉に精通する〈大地人〉たちで、その中には、お城に貴族を補佐するものもいて、村に暮らしているものもいて、〈魔法都市松江〉に日々論理的研究を進めるものもいて、〈冒険者〉を守り手として雇用して、各地を行脚するものもいる。ゲームのシナリオ資料によりますと、〈ヤマトサーバー〉で〈ミラルレイクの賢者〉と名乗って代々受け継ぐ〈魔法学者〉の一派も、サブ職業の〈星詠み〉も、〈中原〉の〈方術師〉の一部の流派に由来する。特に、古い〈方国〉の思想に因む「魂魄理論」は、今は〈中原〉と〈ヤマト〉という二つ地域に住んでいる〈大地人〉の間にも伝承し発展されている。これも、それらのサブ職業がゲームの設定上の関係があるのを証明する(もちろん、ゲーム開発上は別の話だ)。

  〈中原〉地域で、〈方術師〉以外の一部のサブ職業を持つ〈大地人〉も〈方術〉に関連する訓練を受けたことがあって、もしくはある程度〈方術〉の能力が持っている。〈方術師〉は、一つサブ職業でありながら、一部のサブ職業に対する総称でもある。


  〈真穿事件〉(〈大災害〉)後の世界の中に、〈方術〉が〈中原〉地域全体に対す一番大きく貢献したものといえば、料理です。過去のゲーム時代には、料理の味はまだ無かった。しかし、〈大地人〉たちがその中の〈方術師〉の指導によって、各地方の食材の特徴を考えて、様々な「滋補」料理を作っていた。料理の味が無いにも関わらず、一部の〈方術師〉が、食材(果物、蜂蜜、塩)は自然の味によって、ある「要素」を秘めているのではないかと考えて、そこから一連の食べ物の「属性」や「帰経」に関する見解を発展させて、さらに、食べ物をそれぞれ分けて、組み合わせて、「食譜」(レシピ)を作成する。〈大地人〉の〈方術師〉たちが主張する「滋補」効果が一度も確認されていないだが、〈真穿事件〉(〈大災害〉)後の現在、それらの〈方術〉のよって作成されて、古い時代から受け継がれてきた「食譜」(レシピ)を参考にして、手料理で仕上がた料理は、その味は確かに調和して、美味くて、それぞれに独自の特徴もあるという。〈中原〉地域の〈方術師〉たちは、〈真穿事件〉(〈大災害〉)前の食べ物が味の無かったという虚無時代の中に、すでに食べ物の味の特性について、漠然と把握しているとも言えるだろう。


  そのお陰で、料理は味がないという問題が、〈中原〉地域では〈真穿事件〉(〈大災害〉)発生直後の短い期間のうちに解決された。その短くて混乱な間に、「メニューを使わずに手料理で味のある料理を作り出す」という事実を一足先に確認したのは、〈楚地方〉の〈大地人〉の〈方術師〉であって、そして、〈中原〉の〈冒険者〉たちに広がってきたという。


◆〈楚地方〉と〈大都〉


  〈楚地方〉の〈大地人〉にとって、〈大都〉はなくてならないほど重要な存在だ。ゲーム時代に、〈楚地方〉の人々がクエストという形で、素材の集め、護衛、モンスター退治、辺境の安全の守りなどを〈冒険者〉たちに依頼していた。ほかのサーバーで〈冒険者〉と〈大地人〉の関係と同じです。


  〈冒険者〉たちが言い始めた現在には、〈楚〉の貴族領主たちが〈大都〉がユーレッド大陸で屈指する街であるのを認識するかどうかにかかわらず、〈冒険者〉との関係を真面目に考えて、慎重に維持する必要性を分かっている。そうでなければ、〈冒険者〉たちがクエスト〈台風戦い〉で台風が陸地に齎す海洋魔獣をはるかに超えた敵対的な力になってしまう。



  〈真穿事件〉(〈大災害〉)後、〈楚〉の国の〈大地人〉筆頭貴族は、都である〈金陵〉から西の地方に遷都することも一度検討したこともあるという。しかし、遷都が容易でないし、〈冒険者〉に対する認識もある程度変わって、コミュニケーションが取れると考えて、遷都計画を中止して、慎重に観察し接触する方針をとった。


  〈大地人〉の間で、〈大都〉に対する呼び方もいくつがある。一番普及しているのは、その広さからの呼び方〈大都〉である(もちろん、これはゲーム時代の公式的な名前)。もう一つは〈魔都〉、この呼び方がふたつ由来があるという。一つ目は〈冒険者〉たちが混乱中でも贅沢な生活を送っているのが〈大地人〉の貴族たちに与える印象に由来するという。二つ目の由来は、〈大都〉の近くの〈魔法都市松江〉にもたくさんの〈冒険者〉が活躍しているため、〈魔法都市松江〉を含むこの広いエリア全体を〈魔都〉と呼ぶ。〈大都〉もう一つ呼び名は古風な〈申之城〉であって、これは〈楚〉貴族システムの頂点に立つ君王にちなむ。この君王が〈春申君〉という雅号が与えられているため、〈楚〉から遠く離れた土地に住んでいるユーレッド各国の〈大地人〉は、〈楚〉の君王の名前を転用して、プレイヤータウンの名前として、〈申之城〉(申のお城)というまちがった呼び名をそのまま人に伝えるという。


  〈魔法都市松江〉は〈大都〉の南西にある小さい街で、〈大地人〉と〈冒険者〉の学者たちが一緒に暮らしている。これは〈魔法都市ツクバ〉と共に、極東地方の有名な学者都市として並び称されている。都市構造からみれば、〈魔法都市松江〉のほうが整っている。両方の学術的な雰囲気も自由を擁護して、各種族の人々を集める。


  一部〈魔法都市松江〉の〈方術師〉、〈職人〉、〈機工師〉などのサブ職業の人の協力によって、もちろん〈冒険者〉も大きく助けて支援してくれて、〈大都〉の東の地域には、〈陰陽方術浮上式鉄道列車〉とそのレール、運転システムが築き上げられて、実用路線として運転されている。


  〈大都〉、あるいは〈魔都〉、〈申之城〉と呼ばれ、この世の富の集まらぬものはなしと歌われるこの〈冒険者〉の都市は、画竜点睛するように、〈ファーロン河〉の流れる〈楚〉の大地に一層輝くように期待されている。




(完)



設定中の地名——現実世界の地名(中国語簡体字)——現実世界の地名(日本語)


ファーロン河——长江——長江

大都——上海——上海

魔法都市松江——松江大学城——松江大学城

呉——苏州——蘇州

良渚——杭州——杭州

金陵——南京——南京

柴桑——九江——九江

夏口——武汉——武漢

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