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函鬼  作者: 刹那END
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STAGE-3-  黒い物体

 「俺、まだ一回も函鬼なんて見たことないんだけど・・・・。」


 登校の途中でめんどくさそうな顔をしながらレンズに質問した。


 「だが、函鬼は増え続けている傾向にある。なんでここまで出会ってないんだろうな。お前の運が悪いからか?」


 あれから二日が経っていた。しかし、まだ一匹も会っていなかった。


 「おっ。噂をすれば影ありだ。いたぞ、あれが函鬼だ。」


 レンズは和己の背中に触れた。


 「あれが函鬼。本当に鬼だな。」

 「日本刀は持っているのだろう。じゃあ、早く行って来い。」

 「お前も一緒に来ないと俺見えないんだけど・・・。」

 「大丈夫だ。その日本刀を手で持っていれば見ることができる。」

 「本当だ。」


 和己は函鬼のいる方向へ行き刀を振り下ろした。しかし、それはあっさりと避けられた。


 「びっくりするなぁ。不意打ちとは何だ不意打ちとは。そこまで卑怯になったか、慙愧しろ!」


 そんな声にはかまわず刀を何回も振るう和己。やはりあっさりと避けられてしまう。


 「あっお前、新人の『斬鬼』だな。」


 和己はその言葉の意味が分からず、小首をかしげた。


 「あの人に報告しに行かなきゃ。」


 そう言って函鬼はどこかへ行った。


 「おい、何をしている。さっさと追いかけろ。」

 「でも、俺学校があるんだけど・・・」

 「どうせ行ってもつまらないのだろう?」

 「分かったよ。けど、一つ質問に答えろ。」

 「・・・・・・・」


 レンズは違う方向を向いて、黙ったままだった。


 「斬鬼とはなんだ。俺のことを言っているようだったが他にもお前みたいなやつと契約した奴がいるのか?」

 「当たり前だ。」

 「あいつが言っていた、あの人とは誰だ。函鬼の指示する者がいるのか?」

 「一つといったはずだ。」


 和己はチッと舌打ちして函鬼が行った方向へ歩き始めた。そして、レンズは和己に聞こえないくらいの声の大きさで言った。


 「お前は私に利用されるだけでいい。それ以外は何もいらない。」


 少しの間立ち止まった後、和己の後をゆっくりと追いかけていった。



                   *



 「O×O△▽様。」


 その名前は地球上に存在しない言葉で表された。


 「新しい斬鬼が現れました。」

 「そうか。じゃあ始末しに行こうか。」

 「いえ。ここで待っていたらもうすぐ来ますのでここで戦闘の準備をなされたらよろしいかと。」


 そいつらは空の上に座っていた。一人と一匹のほかに大勢の函鬼が周りにはいた。


 「あれは人間?」


 和己はO×O△▽を見て言った。


 「あれが新人か・・・・じゃあ試してみようか。」


 何もないところから刀が出てきてそれを手に取り、和己へと襲い掛かった。



                   *



 「先生!」

 「何だ。」


 学校で窓を見てから声を上げた。


 「あそこに黒い物体が・・・・」

 「本当だ。何なんだあれは・・・。」


 先生が授業を始めようと後ろを向いたときであった。教室にいる全員の生徒が倒れ始めた。


 「どうしたんだ!みんな!」


 血相を変えて生徒たちのところに駆け寄ろうとした時、先生も倒れた。

 他の教室でも同じことが起こっていた。

 倒れていた所にはその人の服しか残っていなかった。



                   *



 和己はそいつの攻撃を受け止めた。だがその衝撃で後ろに吹っ飛ばされた。


 「うあっ!」


 吹っ飛ばされたその先には人がいた。


 「危ない!」


 人とぶつかろうとしたその瞬間、人は消えて服だけが残った。

 それに驚いてる暇もなく吹っ飛ばされた和己は地面にたたきつけられた。


 「痛っ!」


 いろいろなところをすりむいているが大けがにはなっていないようだった。

 どうしてあの人、消えて服だけが残ったんだ。

 そして、和己は上空にある、黒い物体に気がついた。


 「何だ・・・・・あれ・・・。」


 光の粒が黒い物体に集まっている。だがそれは、不意に消えた。

 どこへ行ったんだ?


 「終わったようだね。一つだけ君に教えといてあげよう。君の同類以外この町に人間は一人もいなくなった。じゃあ始めようか。人類滅亡作戦を・・・。」

 「人類滅亡作戦?何だよ・・・それ・・・。」

 「君達、斬鬼はこの計画に不可欠だ。手伝ってもらうよ。」



                   :



 黒い物体が消えるのを見てレンズは一人で呟いていた。


 「始まったな・・・だが本番はこれからだ。」

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