表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

鈍感な先輩

作者: モク

  最近私の家に毎日のように来る後輩が、います。正直何をしに来ているのか私には、見当がつきません。

  だって彼女──後輩は何かゲームしに来たりとか、勉強をしに来たりとかでもなく、話をしにきてるわけでもないのです。強いて言えば私の顔を見に来ているのような感じが、少しだけするぐらいです。


「今日も麦茶でいい?」

「はい。大丈夫です」

  後輩が私の質問を受け流すように答えるのに、私の気持ちが堪えていますが私はそんなことを表情には、出さないようにして麦茶を運んできます。

  あまり喋らない後輩ですけど、何かやたらとスキンシップが多い気がします。具体的に言うと、後ろから抱きついてきたり、手を恋人繋ぎしてきたり膝枕を要求してきたり、その他諸々。

  喋らないからこその表現方法なのでしょうか?

  そんなことを考えながら私は自分のベッドに、座って彼女に思いきって質問をしてみます。


「ねぇ。どうして最近よくうちにくるの?」

  私がそう質問をすると後輩は、不機嫌というか何か覚悟を決めたというかそんな感じの表情で、立ち上がるとベッドの上に座っている私の目の前にきてゆっくりと私を押し倒してきます。

  私がいきなりのことで戸惑って、何も抵抗できずにいると後輩が、耳元で囁いてきました。

  後輩の吐息が耳にかかるぐらい近い距離です。


「先輩そろそろ気付いてください」

  後輩の言葉を私は、理解ができません。

  何? どういうこと気付いてくださいって何を?

  後輩の言葉の意味に気付く前に、私は私の顔が真っ赤に染まっていることに気づいてしまいました。

  つまり恥ずかしいのです。

  後輩が近くにいて、後輩の吐息が耳に入ってくるのが恥ずかしいのです。

  私はなんとか、言葉を振り絞って喋りだします。


「それってどういう?」

  後輩は、振り絞って言ったことがそれか、というように呆れた様子で私を見てから、喋りだしました。


「しょうがないですね」

  そう言って後輩は、私の耳元から離れるとすぐに私の口元に近づくとそのまま、キスをしてきました。


「!?!?!?!?!?!?!??!?!」

  私が言葉にもならないことを叫んでいると、後輩は言いました。


「これが私の気持ちです。次会った時に返事聞かせてください」

  そう言い残すと後輩、すぐさま私の家から出ていってしまいました。

  その後私は自分の唇を触り、微かに残る後輩の雰囲気を感じながら呟きました。


「好き」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ