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蒼の推測

「………え?」



「聖女って知ってるでしょ?聖女はね、主に、というか、今までは必ず日本から来たんだ」


いつもとトーンのちがう声で話す蒼に恐怖を覚える。



「……で、さすがに王宮にいるから、いつ聖女をでむかえるのか……そのタイミングが風の噂で耳に入る」



「……………」




「………最近、インターネットでサイトを見た人にこっち(異世界)に来させたらしい」



「あっ…………」




「きちんと、使い魔からもこちらに送ったと連絡が入った」



「………」



「でも、王宮に転送させたはずの聖女が、まだ見つかっていないらしい。

………そこで、黒髪を持つ真冬が王宮にいた」



身体から体温がなくなる。



「………つまり、真冬。君が聖女なんだ」




聖女ってなに………?

ちょっと待ってよ………やだ…………。



「………まぁ、これはただの推測なんだけどね♪」


アハハーと笑う蒼が、どうしようもないくらい怖かった。



「………そうそう。真冬のドレス、少し調べさせてもらったよ。本当に、ミシンでつくられていた。

つまり、真冬は日本から来た聖女である可能性が非常に高い」




「…………っ!そうだよ、私は、日本から来た!」


自分でも驚くくらいの声で怒鳴ったが、

蒼は表情1つ変えずに言う。



「やっぱり」




「でも、聖女だなんて聞いてないっ!

私は、パソコンを直す方法を知りたくて………っ」





「パソコンなんか直すためだけに?」



「なんか、じゃない!大切なものだっ!」



「まぁまぁ。でも、パソコンは直らない」



「なんで言いきれるのっ!分からないじゃんっ」




「いや、分かる。あのパソコンは、王様の優秀な部下が支配した。もう直らない」




「いいや、直す!」



「………まぁ、どうせ無駄さ。帰れないんだから」



「えっ………?」



「当たり前だろう?聖女がここからいなくなれば、マズいんだ。だから、帰れない、帰らせない」




「必ず帰る!」




「もう抗うのはやめな」


蒼が右手を出して、冷気をうみだす。

その冷気が真冬の鼻あたりまで行き、凍る。




「次は、口にもやるから。

そうしたら……窒息死だろうな」








沈黙。









「あら?蒼に、真冬さん」


沙奈……!




「口に氷が……!蒼っ、なにをしているの!

待ってください、今溶かしますから」



沙奈さんが手をかざすと、熱で氷が溶けた。



赤の属性。




氷を溶かすと、沙奈が蒼をキッと睨む。




「おっ、なに、る?」



「いいでしょう」




魔法競技場


『左、青の属性。右、赤の属性』


蒼が沙奈の口を狙い氷の玉を飛ばす。


沙奈は避けるが、頬に玉が擦れて血が出てしまう。



『右コーナー、頬負傷』



沙奈が反撃として、炎を蒼の服を狙う。


服に1度でも当たれば、すぐに燃え移る。



裾に炎がつく。


あっという間にどんどん燃え広がる。



「………!」


蒼が冷気で火を消す。




こんなやり取りがしばらく続いて、

いよいよ両者とも体力が限界に近づいた。




炎が蒼の右腕につく。



どんどんと燃え広がるが、気にせず氷の玉をとばす。



なぜかというと、冷気で冷やすと腕の血行もろもろ、すべて冷やしてしまうから。




結局、沙奈の勝利だった。



なぜ、わざわざ競技場で殺りあったかというと、

競技場では決着がついたら緑の属性の人が体力やキズを回復してくれるからだ。




そして、いつものように部屋まで送ってもらった。

次回 3月5日(月曜日)

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