異世界で出会った男の子
こんにちは!
連載日を決めました。
月・水・金
です。
たまに遅れるでしょうが、頑張ります。
それから、数日は経った。
まだ、パソコンは変わりなく『異世界に行く方法』のサイトが表示されたまま。
「強制シャットダウンは………えーっと、こことここを押す……と」
真冬はスマホでパソコンの強制シャットダウンの方法を調べていた。
「えー!なんでっ!このパソコンもう使えないってこと?」
今日は、サラサラの黒髪を一つに結んでいる。
「………異世界、かぁ。少し行ってみたいかも」
その時、一つの案が頭をよぎった。
「異世界に行けば、パソコンも直るかも?!
そうだよっ!うん、行こう、異世界にっ」
ポジティブ思考と称したこの性格。
上手く使おう。
「うーんと……へぇ。いろんな行き方があるのねー」
『清め塩と赤い布を用意します。』
「…清め塩?普通の塩じゃダメなのかな?」
『なにも必要ありません。
思い切って、18階から飛び降りましょう。』
「いやいや、フザけてるって」
『ここに、メールアドレスを打ち、しばらくしたら使い魔と呼ばれる天使が来ます』
使い魔なのに天使?!
なんて思いながら、言われるがままにアドレスを入力していく。
さっきまでは使えなかった機能(右クリック、文字入力)も、今では使える。
やっぱり、なにか関連してる。
「…うん、これで大丈夫!だよね」
最後、やや不安になった。
ポンッ
耳元で音がする。
『やっほー!私は天使だよ♡
異世界に行こう!』
ずいぶんと軽いノリで話す悪魔のツノをもち天使の羽をもつ(おそらく女子)これが、使い魔なのだろう。
『さぁ、この、怪しげな薬を飲んで!』
小瓶を受け取る。中身を確認してみる。
「うわ…」
どす黒い色をしたドロッとした液体の入ったビンを開けてごくり、と飲んだ。
「……うん、見た目のままの味」
みなさん、たぶんこの味は知らない方がいい。
いうならば、百味ビーンズのアレ味だ。
「……っ?!」
身体の中から、ジンジンする。
痛み。
「……な、なにこれっ」
『それは、異世界でも生きれる身体にする薬なの。この世の身体で異世界に行ったら、すぐに死んでしまうからね!』
「し、ぬ………」
真冬はその言葉を噛み締めた。
『ん?どうしたの?意味深な顔して』
「べ、べつに。大丈夫、早く行こう」
『ラジャ☆』
パッ!
「?」
周りが真っ白。なにもない。
「こ、こは?」
『ここは、一時的なものだから。
異世界に行くって言っても、すぐには行けないのよ!』
「へぇ」
よく分からないけど、異世界に行く。
そんな気がした。
『あ、そうだ。異世界に行ったら私は──』
ん?なにか言った………?
周りに、人がいる。
1人だけ。
「あれ、君…どうしてここに………?」
キレイな顔立ちをした、つまりイケメンの私と同い年くらいの男の子が言った。
「えーっと………」
私は、いいかけた言葉をのんで、こう問う。
「あなたは、どうして罪人のような格好をしているの?」
だって、そうだもん。
白黒ボーダーの全身タイツのような。
「………そうか、君は知らないんだね。
僕は……」
ふっ、と悲しそうに彼は笑った。
「僕は、罪人だから」
今日は、2度投稿です!