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最強のタッグ 巨大ギルド”グランドレッド”編

登場人物

東条みゆき…拓斗の幼馴染で剣道の達人、見た目は和風美人だが中身はじゃじゃ馬、戦闘により死亡したがレオの力でゾンビとして行動している、しかしマスターであるレオにも遠慮なしの態度で接している

ステファン・レオ…闇の龍装備を付けるダークドラグナイト、闇の者には絶対的な支配力を発揮し夜の闇でこそ一番力を発揮できる、しかしなぜかみゆきには頭が上がらない

ラインハルト・カナ・ロマーヌ(沢渡香奈)…白剣姫ホワイトソードプリンセスとよばれるアミステリア公国最強の美少女剣士であり軍の最高司令官、そして国民的英雄でもある、拓斗の妹

チャングイ将軍…アミステリア公国の猛将、若いころは”暴走獣”と呼ばれたほどの猪突猛進型の戦士でアミステリアの双璧といわれている一人、ゲルハート将軍とは何かと言い争う事が多いが仲は良い

ゲルハート将軍…アミステリア公国の知将、ナイトの称号を持っている程の手練れだが指揮官が自分で戦う事を良しとしない、計略やはかりごとが得意アミステリアの双璧といわれた一人

サラボルン国王…アミステリア王国の国王で気がやさしく自分の考えを押し通す事を嫌う、それゆえに部下からは慕われている、香奈の事を自分の息子の嫁にしたくて度々言い寄っている

ロズワルド・サランディア…グランシア王国の皇帝、若くして皇帝に即位したがその能力は高く部下からの忠誠心も高い、幼少期に重鎮であるロネオラが教育係だったためその発言には一目置いている

ロネオラ…先代王から使えているグランシア王国の重鎮であり事実上のナンバー2、自分の立場を理解している為会議などではあまり積極的には発言しないがサランディアの発言には口を挟むことも多い

エジンドーレ・ロクス…若くしてグランシア軍の重鎮まで上りつめた野心高き将軍、昔ギルドチーム”グランドレッド”に所属していた、ナイトの称号を持っている程の手練れ

キルアヒム・エディ…”強い奴だけのオールスターチームを作りたい”という理由でグランドレッドを作ったチームの創設者にしてリーダー、頭が良く剣の達人という智勇兼ね備えた勇将、仲間思いの酒好き

バンガレット・マーシー…ギルドチーム”グランドレッド”の創設時のメンバーでありエディ、ロクスとは親友だった、普段はソロで行動していて武者修行的な行動をとっている事実上のチームナンバー2

グエンファ…通商連合の三巨頭の一人で最年長、リーダー格の人物で拓斗の正体を見抜いた

サザーデン…通商連合の三巨頭の一人でやや短気な所がある

バナック……通商連合の三巨頭の一人でややおっとりしている所がある



そわそわしながら部屋の中をウロついている老人をいさめる声が聞こえる


「おいサザーデン、少しは落ち着かんか!?」


「これが落ち着いていられるかバナック、内容いかんでは


 我々の命運がかかっているのだぞ」


「しかしお主がウロウロしたところで知らせが早まる訳でもあるまい」


「グエンファの言う通りじゃ、全くいい歳をして・・・」


そのセリフに過剰に反応するサザーデン


「歳の事を言うでないわ‼大体ワシの方がお主より9ヶ月若いのじゃぞ」


通商連合の三巨頭は不毛なやり取りを繰り広げながら


ある人物の到着を待っていた、その理由は今朝グランシアより届いた


書状が原因なのである、そしてドアをノックする音が部屋に響いた


「おっ!?ようやく来たか、入れ‼」


ドアをゆっくり入ってくる人物が目に入ってくる


それは三巨頭の執事兼護衛を務めるムルダムであった


「お待たせいたしました、大光星剣武祭の詳細なご報告を


 させていただきます」


「おう、早く聞かせてくれい‼」


「サザーデンお主はまた・・・まあよいわ、でどうだったのじゃ?」


ムルダムは丁寧に頭を下げ報告を始める


「大光星剣武祭は限定戦優勝が沢渡拓斗


 準優勝がジャン・アレーンでした、そしてこの両者共に


 ドラグナイトであったとの事です」


その報告を聞いた三人は驚き顔を見合わせる


「グエンファお主の言う通りあの小僧がドラグナイトであったな


 しかしもう一人現れるとは・・・」


「今まで全く情報すらなかったドラグナイトが同時に二人とは・・・」


サザーデンとバナックは驚いた態度を見せてはいたが


この事自体はわかっていたのである、それは今朝届いた


グランシアからの書状が


[メルトラント王国にてドラグナイトが二人出現せり、情報の提供を求む]


という内容だったからである、三巨頭の一人グエンファが


拓斗の正体を見破りドラグナイトであろうという予想はしていたので


ドラグナイトの出現自体は予想していたのだが


二人も同時に現れ戦ったという事実はさすがのグエンファですら


驚きを隠せなかったのだ、拓斗に目を付けていたグエンファは


ムルダムに命じて諜報員を放っていた、その詳細な報告を聞く為に


三人で待っていたのである、グエンファが静かな声で問いかける


「ムルダム、そのドラグナイトについては何かわかったか?」


「はい、まずはドラグナイトの戦闘力ですが


 これは伝説の通りであり一国の国軍に匹敵する


 という話もあながち大げさではないと思われます」


「そうか・・・しかしメルトラント王国が滅ぼされた


 訳ではないのじゃろ?」


ムルダムは大きくうなずく


「はい、伝説の様に”ドラグナイトは破壊の化身”


 という噂は眉唾であったようです、もう一人のドラグナイト


 ジャン・アレーンという男が観客をも巻き込み


 殺そうとした時、沢渡拓斗がこれを阻止した


 との報告が入っております」


その報告に眉をひそめる三巨頭


「つまり同じドラグナイトでもそれぞれの人格によって


 行動理念が違うという訳か・・・」


「はい、それとドラグナイトには種類があり沢渡拓斗は


 炎のドラグナイト、ジャン・アレーンは風のドラグナイトでした


 そして驚くべき事はこの二人が戦い沢渡拓斗が勝ったことによって


 ジャン・アレーンはドラグナイトではなくなってしまったようです」


その報告に驚き思わず立ち上がるサザーデン


「なんと!?そんな事が・・・それでその敗れた


 ジャンという男はどうなったのじゃ?」


「観客を複数殺害した罪でメルトラント王国にて


 投獄されているようです、優勝した沢渡拓斗は


 すぐさま会場を後にしたようで現在は所在がつかめておりません」


その報告に目を閉じ考え込む三人、そしてグエンファが口を開く


「のうバナック、お主はメルトラントにも顔がきくであろう


 そのジャンという男からドラグナイトの情報を


 なるべく多く集めるように手配してくれ


 そしてムルダムは沢渡拓斗の行方を追え


 金はいくらかかってもかまわん急ぎ手配せよ」


「わかりました、至急手配いたします


 それとグランシアへの返事はどういたしましょう?」


ムルダムのその質問にサザーデンとバナックが


グエンファの顔を覗き込む


「今報告のあった情報は早かれ遅かれグランシアにも入るはず


 ならば我々が報告しても問題あるまい、だが以前に我々が


 沢渡拓斗と接触を持っていたという事は伏せておけ、よいな


 こちらでも捜索はしているのでわかり次第報告すると


 付け加えておいてくれ、むろん所在が判明しても


 本当に報告するつもりはないがの」


「かしこまりました、早急にそのように手配いたします」


そう言って足早に部屋を出ていくムルダム


そのあとグエンファは椅子の背もたれにもたれかかり


天井を見つめ大きくため息をついた





グランシア王国のメルマンティア城では蜂の巣をつついたような


騒ぎになっていた、それはメルトラント王国にドラグナイトが


二人も現れたという事実に対処すべく、軍の上層部と


内政の重鎮達が今後の方針を話し合っていたからである


例によって皇帝サランディアは重鎮達のやり取りを


目を閉じ口をつぐんでジッと成り行きを見守っている


「ドラグナイトが二人も現れたという事実に我々は


 どう対処するべきかという問題だが・・・」


「そもそも伝説のドラグナイトに対処など可能なのか?」


「しかしメルトラントに現れたドラグナイトはお互い戦って


 敗れた者はそのままメルトラントに捕えられたというではないか?」


「なんじゃ、メルトラントに捕えられる程度ならば


 噂程凄くないのではないか?」


「しかし敗れた方はドラグナイトでは無くなったという話だぞ!?」


「なんだそれは!?一体何がどうなっているのだ?」


重鎮達が喧々諤々《けんけんがくがく》している中


ようやくサランディアが口を開く


「もうよい止めよ、ロネオラよドラグナイトの情報はどうなっておる?」


グランシア王国の事実上のナンバー2であるロネオラは


一呼吸置いてサランディアの問いに答える


「正直あまり重要な情報は入って来ておりません


 様々な所に情報収集の為の諜報員を送り込んではいるのですが・・・」


「そうか、では通商連合の方はどうなっておる?


 あそこにも情報提供を依頼したはずだが」


その質問に目を閉じ首を振りながら答えるロネオラ


「大した情報は入って来ておりません、しかし通商連合といえば


 こんな情報が入っております、今回現れたドラグナイトの一人


 沢渡拓斗という少年がメルトラントに行く前に


 トルチラの通商連合本部で例の三巨頭と会っていたというものです」


「ほう、それは初耳だな・・・まことか?しかし通商連合からは


 そのような情報は入ってきてはいないのであろう?」


「はい、通商連合からはそのような情報は入って来ておりません


 しかし通商連合に潜り込ませている諜報員からの報告なので


 間違いないと思われます」


ロネオラの報告に思わず舌打ちをするサランディア


「あのジジイ共・・・本当に食えない奴らだな」


思わずロネオラが口を挟む


「陛下、あの通商連合は信用できません、今回の事もそうですが


 我が国の度重なる敗北もあ奴らが一枚かんでいるとの


 報告もあります、証拠となる物はないのですが・・・」


「ちっ、あのタヌキ共は証拠を残すようなヘマはすまい


 全く忌々しい・・・」


サランディアが舌打ちしながら吐き捨てるように言うと


軍の幹部の一人が発言する


「陛下、ならば武力で潰してしまうのはどうでしょう?


 トルチラなど我がグランシアにかかれば


 赤子の手をひねる様なものです!?」


その発言にサランディアは答えなかった、代わりにロネオラが口を開く


「通商連合を武力で潰すのは二つ問題がある、まずはあそこは


 各国の流通に関して恐ろしいまでに影響力を持っておる


 表立ってあそこを敵に回せばさまざまな妨害を受け


 我が国の経済にも多大な影響が出てしまうのじゃ


 戦にしても補給がままならない戦いは負け戦と


 相場が決まっているからな、それにトルチラには


 本部があるだけだからの、いくらトルチラを攻め滅ぼしても


 三巨頭を逃がしてしまえば同じことなのじゃ


 もう一つの理由はあそこを潰すと流通の権利や統制が


 取れなくなって様々な障害が起こる、我がグランシアが


 大陸を制覇した時、また一から流通システムや統制機関を


 構築せねばならなくなる、そんな面倒な事をせずとも


 大陸制覇を成し遂げればその流通システムを


 通商連合ごと飲み込んでしまえば何の苦労もせずに運営できる


 流通を抑えれば経済を抑えたのと同じじゃからの」


ロネオラの説明に不機嫌な顔を見せるサランディア


「だからこそあのタヌキ共は好き勝手やっておる


 全く腹の立つ・・・他に何か情報は無いのか?」


その時、軍の重鎮の列の末席にいたロクス将軍という男が手をあげた


このロクスは今回初めて重鎮の中に入ることが許された人物で


負け続きのグランシアに中でも戦場での活躍で成り上がった男であり


サランディアと直接話すのも初めてなのである


「陛下にご報告したい事がございます、今回の件とは少し違いますが


 トップギルドとして名を馳せている”グランドレッド”が


 わが軍に力を貸してくれるとの事です」


その報告に一同がざわつく


「グランドレッドだと!?あの有名なギルドチームが我が国に


 力を貸してくれるというのか!?」


「今まで何度要請しても首を縦に振らなかった


 あのギルドチームをどうやって?」


「ドラグナイトとはいかなくともこれは凄い戦力になりますぞ陛下!?」


サランディアの口元が緩む、それもそのはず”グランドレッド”は


通称【城落としギルド】とよばれていて依頼された戦いには


必ず勝ってきており、その際いくつもの敵城を落城に追い込んでいる


のである、総勢3000人の巨大ギルドでその内500人程が


ナイトの称号を持っているという質、量ともに他の追随を許さない


トップギルドそれがグランドレッドなのである


このチームは特殊な形態をとっていて各メンバーは普段


それぞれ違うギルドに所属している者が多い


しかしいざ招集がかかった時だけ各地から集まり


ギルドチームとして行動するのだ


それゆえにチームとして行動するのは年に1、2度であり


報酬も恐ろしく高い、小国であるならば国家予算に匹敵する額である


しかもいくら大金を積んだとしてもそれだけで依頼を受けてくれる


わけではなくギルドリーダーであるエディー・リッチという男を


納得させないと依頼を受けてくれないのだ、それゆえにグランシアも


過去何回か依頼したのだが断られているという経緯があった


そんな事があった為サランディアはロクス将軍に尋ねた


「どうやって”グランドレッド”を納得させたのだ?


 あそこは金では動くまい」


「私は2年前まで”グランドレッド”に所属しており


 リーダーのエディとは友人であります、そのつながりで


 今回の依頼を取り付けて来ました」


得意げな顔で報告するロクスに対してサランディアが続ける


「そなたは”グランドレッド”に所属していたのに何故我が国に来たのだ?


 あそこにいれば金には不自由しないであろう?」


「確かに金には不自由しませんでした、ですがいくらトップギルド


 とはいえ所詮雇われ傭兵にすぎません、私は出世したいのです


 しかも大陸を制覇するような力のある国で・・・


 ですから陛下の元にはせ参じました、後悔など微塵もございません」


何の躊躇も無く言い放つロクス将軍の態度に重鎮達は


呆気に取られている、しかしサランディアは大声で笑いだした


「なるほど、よくわかった思う存分手柄を立てて出世して見せよ


 余は貴様のような男は嫌いではないぞ!?」


珍しく機嫌のよさそうなサランディアの態度にロネオラを始め


周りは驚きを隠せずにいた、そんな周りの反応をよそに


ロクスは嬉しそうに頭を下げる


「ありがとうございます、必ずや陛下の役に立ってみせます


 ところで陛下”グランドレッド”にはどんな依頼をしましょうか?」


ロクスのその質問に少し考え込むサランディア


不意にロネオラの方を向き問いかけた


「のうジイ、確かガルゾフとアミステリアの同盟の調印式は


 来週であったな?」


「はい、ガルゾフには内通している協力者がおりますので


 調印をなるべく遅らせるように工作してきたのですが


 この辺りが限界だったようで・・・」


「よいそれで十分だ、来週締結という事は来週までは


 何のつながりも無い国という事だからな」


ニヤリと笑うサランディア


「陛下、という事は”グランドレッド”に依頼する攻撃対象は・・・・」


「そうだアミステリア公国だ、あそこの小娘には散々煮え湯を


 飲まされてきたからな、わが軍の兵も10万人動員して


 今度こそひねり潰してくれるわ」


場内一同”おぉ~”という感嘆の声が上がる


しかしロネオラだけは渋い表情を見せていた


「どうしたジイ、この作戦に不満か?」


「いえ、不満はございません・・・ただ10万人もの大軍を動員した場合


 もしガルゾフから攻められた時を考えますと不安なのです


 締結前とはいえアミステリアは同盟国なのですから


 援護としてガルゾフ軍が我が国へ出兵する・・・


 という事は十分考えられるのでは?」


その質問に笑って答えるサランディア


「ジイ、その心配は無用だ、そもそも今のガルゾフに


 他国に侵攻する余力は無い、それに今回の同盟も


 ガルゾフ側は国の事情を考えて渋々承諾したに過ぎないのだからな


 ガルゾフ帝国のネルリアス皇帝の本音は自国に何かあった時


 助けて欲しいがこっちは助けたくはない 


 だから同盟の調印前ならば絶対に動かない・・・


 アイツはそういう奴だよ、不安というならスタネール共和国の方だが


 あそこは現在居城であるギース城の改装工事の真っ最中のはずだから


 今侵攻してくる事は考えにくいし、ドルフィーラの件で


 盟約もあるからな、まず大丈夫であろう」


「なるほど・・・そこまでお考えでしたらジイはもう


 何も言いませぬ陛下の意のままに」


サランディアはロネオラのその言葉を聞いて大きくうなづくと


「では早急に事を進めよ、ロクスは”グランドレッド”に


 わが軍10万人と共闘しアミステリア公国への攻撃を依頼せよ


 軍部は装備と馬の用意、内政担当は今回の出兵の為の


 予算の産出と食糧などの補給物資の手配を


 諜報部は念のためガルゾフやスタネールの動向を探れ


 相手が動かないのであれば何もする必要はないが


 もしも動きそうな気配があればなるべくそれを


 遅らせる工作を仕掛けよ、では各自行動に移れ‼」


会議前はあれ程混乱していた重鎮達が一斉に動き出す


この辺りはさすが大国グランシアの重鎮であり


皇帝サランディアの統率力のなせる業なのである


その中でロクスはほくそ笑んでいた


『これで俺の出世は約束されたようなもんだ


 連戦連勝のアミステリア公国を俺の力で倒したとなったら・・・


 笑いが止まらないぜ!?』





ここアミステリア公国の居城ボレルガン城では幹部達に


緊急招集がかかっていた、足早に歩く大男が慌てた素振りで


玉座の間に続く大きなドアを勢いよく開けた


「すまねえ遅くなった、もう会議は始まっちまったか?」


「チャングイ将軍、あなたはまた・・・まだ始まっていませんよ


 あなたの到着を待っていたんですから」


「じゃあいいじゃねーか、ゲルハートはいつも細けえな」


その言葉にムッとするゲルハート、そんな二人を見てクスリと笑う


ラインハルト・カナ・ロマーヌこと沢渡香奈であった


そして総司令官として会議の進行を伝えた


「では皆さん揃ったようですので会議を始めたいと思います


 先ほど通商連合からの連絡でグランシア王国がまたもや


 我が国に侵攻しようと考えているとの報告がありました


 詳細な内容もわかり次第教えてくれるとのことです」


その報告を聞いてチャングイが肩をすぼめて呆れ顔で言い放つ


「しかしグランシアも懲りねーな、何度負けたら気が済むんだろうな?」


「しかしコルドバ共和国やガルゾフ帝国との同盟を知ったうえで


 侵攻してくるつもりならば不気味ですね


 ロマーヌ殿はどう思いますか?」


チャングイとゲルハートの意見の後、香奈が答える


「おそらくガルゾフとの同盟が完全に締結される前だからこそ


 攻めて来たんだと思います、ガルゾフが同盟に加われば


 グランシアは包囲されてしまう事になってしまいますからね


 いうなれば我が国に攻め入る最後のチャンスという訳です」


「なるほどな・・・さすがお嬢だ、でもよまだ同盟の調印が


 締結前だからってガルゾフも同盟国になるって決まってるんだからよ


 背後からグランシアに攻め入って援護してくれるんじゃねーのか?」


チャングイの疑問にゲルハートがため息をついて話始める


「あのですねチャングイ将軍、ガルゾフは今の国の現状を考えて


 嫌々我々と同盟を結んだにすぎません、ですから本音は


 戦いたくないんです、ましてや他国の為に戦うのは


 真っ平御免というのが本音だと思いますよ」


チャングイは険しい顔をすると


「なんでえそりゃ、こっちは良かれと思って


 仲間に入れてやるって言ってるのによ」


「まあ国の姿勢というのはそういうものですよ


 ところでロマーヌ殿今回のグランシアの出兵は


 おかしいとは思いませんか?いくらガルゾフとの同盟が


 締結前だとはいえコルトバ共和国との同盟はすでに締結しています


 今までも勝てなかったのにコルドバの援軍で今回はさらに


 こちらが強いのですよ?」


香奈も同じことを思っていた、そんな時一人の伝令が入って来たのだ


「申し上げます、ただ今コルドバ共和国からのメッセージが届きまして


 コルドバ軍は援軍として我が国に1万5千人の兵を出すとの事です、以上‼」


その報告にざわつく城内、真っ先に声をあげたのはチャングイ将軍であった


「1万5千人だと!?協定で決めた人数の半分じゃねーか!?


 どうなってやがる‼」


伝令の兵が続けて報告した


「現在コルドバ共和国のエドワルド港に多数の海賊が現れ


 国軍と戦闘状態に入っているとのことです」


その報告を聞いてゲルハートと香奈は顔を見合わせる


「やられましたね・・・・」


「まさかグランシア王国程の大国がそんな手を使ってくるとは・・・」


チャングイ将軍が問いかける


「なんだそれ?まさかグランシアが海賊に情報を流して


 コルドバを攻めさせたとでもいうのか?」


ゲルハートが一呼吸置いて話始める


「情報を流したどころじゃないですよ、おそらくその海賊に


 金を払ってコルドバを攻めているんだと思われます


 要するにこちらに援軍を送らせない為の嫌がらせです」


その話を聞いてチャングイの顔がみるみる怒りに変わる


「なんじゃそりゃ!?それが一国のやることか‼ふざけやがって


 コルドバも海賊ごときさっさとかたずけちゃえばいいだろ


 そうすればこっちに援軍に来れるじゃねーか!?」


その意見に今度は香奈が答える


「それは無理です、海賊はあくまで時間稼ぎが目的ですから・・・


 積極的には攻撃してこないでつかず離れずの戦いをしてくるはずです」


「だったらこちらに大量の援軍を送ってもいいんじゃねーのか?」


「そうしたら海賊はコルトバを全力で攻めるんですよ・・・」


チャングイ将軍は気持ちを抑えきれずに怒りで震えている


「きたねえ、大陸制覇をかかげる大国ならば正々堂々と


 戦えって言いたいぜ‼そんな奴らなんか俺一人でぶちのめしてやるぜ‼」


そんなチャングイにやさしく話しかける香奈


「頼りにしてますよチャングイ将軍、ですからコルトバは


 1万5千人もの援軍をよく送ってくれていると思います」


そこにゲルハートがうなづきながら口を挟む


「確かに今まで後方のコルトバを気にしながら自国の戦力だけで


 戦ってきたことを思えば後方を気にせずに援軍込みで戦えるんですから


 今までよりずっといい条件での戦闘ですからね」


そんな時続けて伝令の兵士が入って来た


かなり慌てている様子で息を切らせていた


「申し上げます、今通商連合から新たな情報がありまして・・・・」


「そんなに慌てて一体何があったんだ?」


伝令の兵士のあまりの慌て様にチャングイが近寄って話しかけた


「グランシア王国の今回の侵攻の事なんですが・・・


 情報によると兵の総数約10万人、そして援軍として


 ギルドチーム”グランドレッド”が参戦するとの事です‼」


城内が一斉にざわつく、伝令の兵に珍しく慌てて詰め寄るゲルハート


「”グランドレッド”ですと!?それは本当ですか!?


 しかも10万人の兵とは‼」


チャングイでさえも深刻な顔をして考え込んでいた


「グランドレッドだと!?・・・あいつらが来るってのかよ・・・」


その態度が気になった香奈がチャングイに問いかける


「あのチャングイ将軍、彼らを知っているのですか?」


「おうお嬢・・・実は以前アイツらと一緒に戦った事があって


 スカウトされた事もあるんだわ、まだこの国に来る前だったけどな


 暴走獣とよばれていた俺ですらアイツらとは戦いたくないって


 思ったもんだぜ・・・」


「チャングイ将軍が!?彼らはそれほどなんですか・・・」


「ああ、それにあの頃に比べて規模も倍ほどになっているみたいだしな


 ナイトの称号を持っている人間も今じゃ500人ほどいるらしいぜ」


チャングイの言葉に一同に動揺が走る、普段冷静沈着なゲルハートですら


言葉が出ない様子である、香奈は気を取り戻してチャングイに問いかける


「チャングイ将軍、ギルドチーム”グランドレッド”の知っている情報を


 提供してください」


チャングイも強くうなづき真剣に話始めた


「あのギルドチームは今は総勢3000人ほどいてその中で


 ナイトクラスが約500人、その他のメンバーも


 ハイウォリアークラスの人間ばかりだ、それに高レベルの


 魔法使いも大勢いる、当然装備は全員A装備以上であり


 超レアアイテムの装備をしている者も少なくない


 それだけでもとんでもないんだが一番の問題は


 リーダーのエディ・リッチだ、コイツは頭が切れる上に腕も立つ


 正直俺では勝てないくらいの戦闘力を持っている・・・


 一対一でお嬢と戦ったとしてもどちらが勝つか俺にはわからない・・・


 俺の知っている事はそれぐらいだ」


チャングイの言葉に誰もが言葉を失った、その最強集団に


10万人の兵が付いて来るのである、正直誰もが敗北を予感し


絶望感を感じた、そこにチャングイが話をつづけた


「しかし一つ言える事がある”グランドレッド”は特殊な形態を


 とっていてな、メンバーのほとんどは普段は別チームに所属していて


 招集がかかった時だけ集まるという形をとっている


 これはチームリーダーのエディが強い奴だけの


 オールスターチームを作りたいという理由から始めたからなんだがな


 だからチームのメンバーが揃うのに時間がかかるという欠点がある


 少なくとも2週間くらいは準備期間があるはずだ」


ゲルハートがチャングイの話を聞いてようやく口を開いた


「なるほど・・・時間は稼げるのですね!?


 しかしいくら時間があっても有効な対策が無い事には・・・」


その話を黙って聞いていたサラボルン国王に急に鋭い目線を送って


来たものがいた、総司令官の香奈であるそして国王に向って


鬼気迫る声で進言した


「国王様、一つお願いがあります、国宝である”天界樹のやまびこ笛”を


 貸していただけませんでしょうか?」


突然の要望に驚くサラボルン


「それはかまわんが・・・あんな物何に使うんじゃ?」


この世界には何のためにあるの?であったりその能力ビミョー・・・


というレアアイテムが数多く存在する、この”天界樹のやまびこ笛”も


その一種である、これは一定の距離内にいる自分に近い人間に呼びかけ


会話する事ができるという代物だ、それだけ聞くと貴重な物に聞こえるが


自分に近いと言っても定義が曖昧で明確な規定は存在しない


だから家族や夫婦でも通じない事もあれば単なる仕事仲間でも


通じることがあるという奇妙な物なのだ


それゆえにアミステリア公国の国宝ではあるが


今まで一度も使用された事が無いのである


「この”天界樹のやまびこ笛”を使って兄を探してみます」


その香奈の言葉にサラボルン国王、チャングイ、ゲルハート両将軍が


”あっ”と声をあげた、他の重鎮達は不思議そうな顔をしていたが


この三人は知っているのである、そして三人とも同じことを考えた


『確かにいくら相手が”グランドレッド”でもドラグナイトが味方なら!?』


そして兵達が宝物庫から”天界樹のやまびこ笛”を持ってきた


それを香奈の前に差し出すと香奈はその笛をしっかり握り思い切り吹いた


『お願いお兄・・・私の問いかけに答えて‼』





その頃コルドバ共和国の北部領内であるアレハラ山脈に


二人の人影があった


「なんでこんな寒い所にワザワザ来るのよ‼やってられないわよまったく」


「あのなお前はもう死んでるんだぞ!?寒いとか言ってるんじゃねーよ


 俺だってメチャクチャ寒いんだ‼」


吹雪舞う雪山の中、激しい言い争いをしているのは


東条みゆきとステファン・レオであった、レオは闇の龍装備を持つ


ダークドラグナイトであり東条みゆきはそのレオによって蘇った


いわゆるゾンビである、本来ゾンビであるみゆきは


マスターであるレオのいう事には絶対服従なのだが


”もう絶対に無理やり支配しない”という拓斗との約束を律儀に守り


支配力をワザと落としているのだ、それゆえにみゆきは


マスターであるレオにも遠慮なしでガンガン対応していた


「なあみゆき、確かに拓斗との約束はしたけどよ


 一応俺マスターなんだぜ!?もう少し労わってくれても


 罰は当たらないと思うんだけどな・・・」


「はぁ?何言ってるのよアンタ男でしょ!?


 男ならちゃんと約束守りなさいよね‼」


みゆきの言葉にヤレヤレと肩をすぼめるレオ


『コイツ見た目と中身が全然違うじゃねーか!?


 いかにも清楚で可憐な淑女ですって見た目の癖に・・・


 日本人女性は”ヤマトナデシコ”じゃなかったのかよ!?』


レオはこの雪山にスノードラゴンを探しに来たのだ


正確にいうとスノードラゴンの死体を探しに来たのである


ここにはドラゴンが死ぬ時に訪れるといわれている


”龍の墓場”があるといわれていて、自分の使役する駒にする為


ドラゴンゾンビの媒体を探してここに来たのだ


スノードラゴンはドラゴン種の中では下位に位置するドラゴンだが


それでも並のモンスターよりは遥かに強力であり


その死体の状況次第では飛行の移動手段としても使うつもりだったのだ


「ねえレオ、もうここから移動しましょうよ


 目当てのモノは見つかったんでしょ?」


「一匹は見つかったけどな、でもせっかく来たんだから


 もう一、二匹見つけたいんだが・・・」


「あのドラゴンの死体探しをまだ続けるの?女性をエスコートする


 コースとしては最低ね、フランス人はもっとおしゃれだと


 思ってたけど!?」


「ここには遊びに来てるんじゃないんだぞ!?


 それにお前こそ日本人女性の癖にとんだじゃじゃ馬じゃねーか!?


 ヤマトナデシコが聞いて呆れるぜ!?」


「いつの時代の話をしてるのよ?今時そんな発言はセクハラよ!?


 アンタは一応私のマスターだからパワハラになるのかしらね!?」


『お前だってフランス人の癖に・・・みたいな事言ったじゃねーか!?』


レオはその言葉を言いかけてグッと飲み込んだ


そんな時みゆきがふと立ち止まって耳を澄ませる素振りを見せた


「おいみゆき、どうしたんだ?もう疲れたのか?


 ゾンビに疲れは無いか・・・」


「ちょっとうるさいわね、静かにしてよ‼」


みゆきはそう言い放つと再びジッと耳を澄ませた、すると吹雪の


ビュービューという音と共に声が聞こえてきたのである


レオは何が何だかわからずに茫然としている


『私は沢渡香奈・・・お兄聞こえる?聞こえたなら返事して!?・・・』


思わずみゆきが返事をする


「香奈ちゃん!?本当に香奈ちゃんなの?私よみゆき、東条みゆきよ‼」


『えっ!?みゆきさん?本当にみゆきさんなの?』


「ええそうよ、でもどうしたの香奈ちゃん?


 随分思い詰めてたみたいだけど・・・」


『実は私の所属してる国が滅亡の危機に面してて


 お兄の力を借りたいと思って呼びかけていたんです』


「そうなんだ、なら私達が行ってあげる


 確かアミステリア公国だったわよね?」


『いやでも本当に大変な敵なんです、ですからみゆきさんを


 巻き込むわけにはいきません、兄の力でないと・・・』


香奈のその言葉にピンときたみゆき


「そう・・・拓斗のドラグナイトの力が必要って訳ね!?」


『みゆきさんどうしてそれを!?』


「詳しい事は会って話すわ、アミステリアなら・・・


 そうね一時間ぐらいで行くからよろしくね」


『ちょっとみゆきさんそれは一体・・・』


会話を打ち切りレオの方を向くみゆき、レオが驚いて質問する


「おい今の会話は一体・・・それにアミステリア公国に行くって本気か?」


「そうよ文句ある?わかったらさっさと準備して」


「ちょっと待て、俺にはなんの説明も無しかよ


 それに一体どういう要件だ!?」


「それは移動しながら話すわ、だから早くしてよ」


「全くお前って奴は・・・じゃあ早速さっきのドラゴンを試すか!?」


その言葉を聞いてみゆきがレオに詰め寄る


「レオ、あなたまさかさっきのドラゴンの死体に乗って


 行くつもりじゃないでしょうね?」


「ああそのつもりだが・・・何か問題でもあるのか?」


「当たり前じゃないの、ドラゴンの死体に乗っていくって・・・


 気持ち悪い、いつもの巨大カラスでいいじゃない!?」


「だからあれは魔力を消耗してしまうんだよ、だからここに


 ドラゴンを探しに来たんだ、もちろん戦闘用としても


 期待しているけどな」


「じゃああなたはそのドラゴンに乗って行きなさいよ


 私はいつものカラスに乗っていくから」


「それじゃあ意味ないだろ!?なんでワザワザ二体で行くんだよ‼」


「そんな死体に乗っていくなんて私は死んでも嫌だからね‼」


プイッとすねたような態度を見せるみゆき、それを見て


イライラしているレオ


『死んでも嫌って・・・お前死んでるじゃねーか!?』


ついに根負けしたレオは暗黒呪文により巨大カラスを呼び出し


二人で乗り込む


「やればできるじゃない、最初からそうすれば良かったのよ」


さらっと言い放つみゆきにいい加減ガマンも限界か!?


と思った時レオに向ってみゆきが


「でもレオのそういう所嫌いじゃないわよ


それにしても空から見た景色って本当に綺麗ね」


巨大カラスは上空高く舞い上がり上に乗っているみゆきは


長い黒髪を風になびかせて話しかけてきた、先程までの悪態が


嘘のようないい笑顔をレオに向けてきたのだ、一瞬その笑顔に


見とれるレオ、しかし我に返り考え直す


『いかんいかん、コイツはとんだじゃじゃ馬だからな


 見た目に騙されちゃ駄目だぞ俺‼』


二人を乗せた巨大カラスはアミステリア公国の居城


ボレルガン城に向って飛んで行った






グランシア王国のロクス将軍はサランディア皇帝の命を受け


まず先に”グランドレッド”のリーダー エディに会いに行くため


一人馬を走らせていた、山道を抜け谷を渡り小さな小屋にたどり着く


そこは本当に一部の人間しか知らないエディの隠れ家であり


待ち合わせ場所なのだ、その決して大きいとは言えない丸太小屋のドアを


ノックすると中から返事があった


「どうぞ、入れよ‼」


ドアを開けるとそこにはワインを片手に椅子から立ち上がり


こちらに寄ってくる男がいた


「よう久しぶりだなロクス!?もう3年ぶりか!?」


「そうだな、キルデガルドの戦い以来だから3年と2か月ってとこか!?」


「もうそんなになるのか・・・ロクス、お前はどうなんだ?


 出世はできたのか?それともウチに戻ってくる気になったのか?」


ロクスの肩を抱き嬉しそうに話しかけるエディ


ロクスもまんざらでもない態度だったが


「いや、俺はグランシアで出世してみせるぜ‼今が大チャンスなんだ


 だからお前に力を借りたいと思って頼んだんだよエディ」


エディは手に持っていたワインをビンのままラッパ飲みした後


口を腕で拭って再び話し出した


「そうか・・・まあしょうがないわなお前の頼みじゃ断れねえ


 まさか俺達がグランシア王国の依頼を受けることになるとはな・・・


 ロクス、お前の頼みじゃなかったら絶対に受けなかった


 仕事なんだからな!?」


「ああ感謝してるよ、もし俺が出世して大きな力を持ったら


 お前には必ず借りを返すからな、俺にできる事なら何でも聞いてやるよ」


エディは照れたような仕草で話し出した


「よせやい水臭い、俺とお前の仲じゃねーか!?


 借りとか貸しとか無しにしようぜロクス‼」


「いや、そうはいかない・・・っていうか俺がそうしたいんだから


 そうさせてくれ、それこそ友人の頼みがきけないのか‼ってごねるぞ!?」


エディは少し酔った雰囲気を出しながらロクスの言葉に


薄っすら涙を浮かべているようだった


「じゃあロクス、この戦いが終わったら高級ワインを差し入れてくれや


 それを俺に付き合って朝まで飲んでくれ・・・それが頼みだ」


エディはニヤリと笑った、その友人の頼みに一度だけうなづき


グラスのワインを飲み干すロクスだった





天界樹のやまびこ笛を胸に抱えながら玉座の間に帰って来た香奈を


サラボルンを始めとする重鎮達が注目していた、その内容次第では


国が滅ぶのだから当然といえば当然なのだが


「お嬢、それで拓斗の奴は見つかったか?」


チャングイ将軍の問いかけに首を振る香奈、その返事に一同ため息と


落胆の声が上がる、香奈が話をつづけた


「しかし私の知り合いが力を貸してくださるとのことです」


ゲルハートが香奈に問いかける


「知り合いとは一体どういった方ですか?」


「私の剣の姉弟子にあたる方です、もう一人いるとの事ですが


 それが誰かは聞いておりません、着いてから説明すると…」


「なぁお嬢、その姉弟子さんというのは強いのか?」


大きくうなづく香奈


「剣の腕なら私より上です」


それを聞いた一同は"おぉ〜"と声をあげたが今回は


事態が事態だけに手放しでは喜べない状況な為、微妙な空気が漂う


そこに一人の兵士が慌てて入って来た


「申し上げます、ただ今城の上に巨大なカラスが飛来しまして・・・


 その上に乗っていた見慣れない二人組みが"沢渡香奈を出せ"と


 申しておりますが⁉︎」


香奈が毅然とした態度で伝える


「それは私が呼んだ援軍です、今から私が対応しますから


 他の者も丁重にお迎えしてください‼︎」


兵士の報告と香奈の態度に驚くチャングイ


「おいおい随分早いな、今聞いたばかりだってのによ⁉︎」


興味がてら香奈に付いて行こうとしたチャングイを制止する香奈


「チャングイ将軍、ここは私だけに行かせてください」


香奈の意思のこもった提案に少し残念そうに引き下がるチャングイ


そして香奈は早足で城の最上階へと急いだ


「こんな所で人をまたせやがって‼︎さっさと中に案内しろやボケ‼︎」


待たされていたレオが苛立ってアミステリア兵士を威嚇する


そんなレオの頭を無言で叩くみゆき、パーンという高い音が


気持ちいいほど響いた


「テメ〜なにしやがる⁉︎いい加減にしないと…・・・」


怒った顔で睨むレオに対しさらに怒った顔で睨みつけるみゆき


「少し待たされたくらいで男がガタガタ言ってるんじゃないわよ‼︎


 もっとデーンとしてなさいデーンと」


レオは言い返そうと思ったが喉元まで出てきた言葉を飲み込んだ


言えばさらに凄い罵倒が返って来ることがわかっているからである


「相変わらずですね、みゆきさん」


その懐かしい声に振り向くと香奈が嬉ししそうに微笑んでいた


そしてその目には薄っすらと光るモノがあった


「香奈ちゃん⁉︎ 本当に香奈ちゃんなんだね!?」


みゆきは香奈の姿を見ると思わず走り出した、それにつられるように


香奈も走り寄り二人は抱き合い人目もはばからず大泣きした


そんな光景をレオは呆然として見つめている


「香奈ちゃん久しぶりだね、また少し綺麗になったかな?」


「やめてください、みゆきさんにそんな事いわれたら恥ずかしいです


 みゆきさんご無事で本当に良かった」


みゆきは少し照れながら


「いやあんまり無事じゃないんだけどね・・・私死んでるし」


その言葉の意味がわからずにみゆきを見つめる香奈


そこに頭をかきながらレオが近づいて来た


「感動の再会のとこ悪いけどよ、俺にも説明してくれみゆき


 何も聞かされずにここまで連れて来られたんだから


 そろそろ教えてくれてもいいだろ?」


みゆきがため息をついてレオを冷ややかな目で見つめる


「アンタは空気を読むってことを知らないの?まぁいいわ


 何も言わずに連れて来たのは事実だからね」


レオとみゆきのやりとりを不思議な顔をして見つめる香奈


そんな雰囲気を悟ったのか みゆきがレオに話し始める


「じゃあ紹介するわ、このカワイイ娘は私の大事な後輩の香奈ちゃん


 アミステリアの白剣姫ホワイトソードプリンセスと言えば


 わかるかしら」


その名を聞いてレオの目が鋭く光る


「ほぅ、アンタがあの・・・確かに美人だな、で?


 俺がここに連れて来られた訳はなんだ?」


「そんなの決まってるじゃない、香奈ちゃんの為にこの国を守るのよ」


レオの顔が怒りと驚き、戸惑いも混ざり合った複雑な表情へと変わる


「なんじゃそりゃ⁉︎なんで俺がアミステリアを助けなきゃならんのだ⁉︎


 馬鹿馬鹿しい、帰るぞ俺は‼︎」


踵を返して再び巨大カラスに乗り込もうとするレオ


そんなレオにみゆきが話しかける


「あなたに黙って連れて来たのは悪かったわ、でもお願い力を貸してレオ」


珍しくみゆきが神妙な態度で頼んできた、そしてその瞳には


いつもは見せない真剣な願いがこもっていた


「ちっ⁉︎そこまで言うなら話は聞く、だけどなみゆき


 俺にも聞ける願いと聞けない願いがある、今はあまり


 目立ちたくないってのはわかるだろ⁉︎この国、というより


 その子を助ける事で俺になんのメリットがある?」


「私のお願いじゃダメ?」


「ふざけるな、いつものおちゃらけじゃないんだ


 最悪世界を敵に回すかもしれないんだ真面目に答えろみゆき」


珍しく真剣な顔でみゆきの言葉を一蹴するレオ、その顔を見て


静かに話始めるみゆき


「この子はアミステリア公国軍最高司令官


 ラインハルト・カナ・ロマーヌ、でも本当の名は沢渡香奈というの


 沢渡拓斗の妹よ」


そのみゆきの話にピクリと反応し眉をひそめるレオ


「拓斗の妹!?・・・」


そのやり取りに驚く香奈


「あの・・・あなたも兄を知っているんですか?・・・


 まさかあなたも!?」


レオはその質問には答えなかったが代わりにみゆきが答える


「うん、このレオもドラグナイトよ、拓斗とはちょっとあってね・・・


 別に敵対している訳じゃないから安心して香奈ちゃん


 でどうするの?協力してくれるのレオ?」


レオは少し考えてから


「まあいいだろう、妹を見殺しにしたとなると拓斗を怒らせる


 かもしれんからな、しかし協力するには色々条件がある


 でなければ俺は帰るからな」


レオのその提案に香奈は毅然きぜんとした態度で答える


「わかりました、その条件というのをうかがいます


 私の権限で許可出来るものならこの場でお返事いたします」


レオは香奈の態度に感心した素振りを見せじっと見つめる


「ほぅ、まだ若いのに大した胆のすわり方だ、拓斗の妹か・・・


 アイツとの交渉ならコッチの子だったかな?


 こんなじゃじゃ馬じゃなく・・・」


その時また”パーン”といういい音が辺りに響いた


思わず頭を抑えるレオ


「痛って~な‼いい加減にしろよみゆき、お前はいつも・・・」


レオが文句を言いかけると物凄い形相で睨みつけ


顔を近づけてくるみゆきがいた


「アンタ何考えてるのよいやらしい‼そもそも何偉そうに


 自分が選んでやったみたいな顔してるのよ!?」


「ちょ!?おま・・・今はそんな事言ってる場合じゃ


 ないんじゃないのか?」


「それもそうね・・・なんか釈然としないけど、で?


 レオのいう条件って何よ?」


頭をさすりながら改めて仕切りなおすレオ


「じゃあ俺からの条件だがまずは俺のやり方に文句を言わない


 そして俺の作戦に従ってもらう、それと俺の正体をバラさない


 まずはその三つだ、あとは作戦しだいで変わってくるから


 その都度言わせてもらう、どうだ?」


香奈は少し考え込んでから申し訳な下げに答えた


「申し訳ありません、全面的に作戦に従うという事は


 軍の指揮権を全権委任するという事になります

 

 私の権限ではそこまではできません、それをやるには


 国王と二人の重鎮の許可がいりますが


 レオ様の正体をバラさずに説得はできないと思われます・・・


 そこでどうでしょう?国王とその重鎮二人だけには


 レオ様の正体を明かすというのは?それなら許可が出るはずです


 秘密は絶対に守ることを誓いますので・・・」


レオはしばらく目を閉じて考えた、そしてため息をつきながら


香奈に答える


「まぁそんなところが落とし所か!?いいだろうその国王と


 二人の重鎮とやらに合わせてくれ」


「わかりました、ありがとうございます‼ではこちらにどうぞ」


機敏な態度でレオとみゆきを城内に案内する香奈


レオ達の乗って来た巨大カラスの鳴き声が済んだ空に響き渡った





グランシア王国とアミステリア公国の国境付近にあるブルチーラ草原に


続々と兵が集まって来た、国軍と違いそれぞれが個性ある鎧を


身に着けていて皆その装備について話している様子である


そこに手を振りながらギルドチーム”グランドレッド”のリーダーである


エディに近づいて来る男がいた


「おぉ~エディ、早かったな!?しかし8か月ぶりか?


 ”グランドレッド”の招集は!?」


「おうマーシー、久しぶりだな元気だったか?


 腕はさびていないだろうな!?」


「任せておけ、ガンガン鍛えてるからよ、それにしても


 今回は意外だったな、まさかお前がグランシア王国の依頼を


 受けるとは・・・何か心境の変化でもあったのか?」


エディはフッと笑うと


「今回は特別だ、お~いスポンサー様こっち来いよ‼」


エディが叫ぶと後ろにいた集団と喋っていた男が振り向き


エディに近づいてきた、それを見て喜びの表情を浮かべるマーシー


「ロクスじゃねーか!?おいおい久しぶりだな、3年ぶりかこの野郎!?


 そうか今お前はグランシアにいるんだったな、なるほどな


 それなら納得だ」


マーシーはロクスの肩をバンバン叩きながら嬉しそうに話かけてきた


このマーシーとロクスとエディの三人は”グランドレッド”の


創設期のメンバーでありチームにナイト級戦士がこの3人しか


いなかった頃からの付き合いなのだ


「おう久しぶりマーシー、お前の武勇は色々聞いてるぜ


 一年前はウチの国と戦って散々な目にあわせてくれたみたいだしな」


マーシーは笑いながら頭をかいた

「がっはっはっは わりいわりいロクス、なにせ仕事だったからな


 もしかしてお前にも迷惑かけたか?」


「いや、あの時お前がぶちのめした軍の指揮官は無能な癖に


 威張り散らしてる貴族出身のバカ息子でな、気分がすっきりしたぜ


 そいつが失脚したおかげで俺の出世も早まった感はあるな」


そう言うとニヤリと笑うロクス


「なんだよ、じゃあお前の出世は俺のおかげでもあるんじゃねーか!?


 なんかおごれや‼」


そこにエディが話に割り込む


「実はこの戦いが終わったらロクスが高級酒を振る舞ってくれるんだ


 マーシーお前も一緒に飲まないか?」


「ほうそりゃあいい、だが俺はワインの好みにはうるさいぞ!?


 俺の口に合う物だろうなロクス?」


ロクスはフッと笑って


「トルチラ産バルチリンゲン農家のチャグマーニだ


 お前の大好物だろ!?」


「いいじゃねーか、いいじゃねーか!?これでやる気も倍増だ‼


 なにせグランシアの依頼でアミステリアを攻めると聞いていて


 あまり乗り気じゃなかったんだからよ」


そのやり取りを聞いて少し不機嫌な態度を見せるエディ


「こらロクス、なんでワインの好みがマーシーに合わせてるんだよ!?


 俺の好みに合わせるのが筋じゃねーのか?」


ロクスとマーシーが顔を見合わせ笑う


「エディ、お前は酒なら何でもいいじゃねーか!?


 高級ワインと安ワインとの差なんて全くわからないんだから」


「そうだロクスの言う通りだぞ、お前にチャグマーニは勿体無い


 ぐらいだ、お前が酔ってきたら安ワインに変えてやるからな


 もしその時気づいたら褒めてやるよ」


ロクスとマーシーは笑った、エディも二人につられて笑ったが


ふとマーシーに問いかける


「おいマーシー、さっきアミステリアに攻めるのは気が進まない


 と言っていたがもしかして何か問題でもあったか?


 身内がいるとか仲間がいるとか・・・」


エディの真面目な問いに首を振るマーシー


「いやそんなんじゃねーよ、たたグランシアみたいな大国を


 美少女剣士率いる小国が蹴散らしてた・・・って話を聞くと


 なんかスカッとするじゃねーか!?ただそれだけの話だ


 ビジネスとなったらキッチリ切り替えるさ」


エディもうなづきながら


「確かにな、アミステリアみたいな小国に俺達”グランドレッド”と


 グランシア軍10万人だからな、これは戦争というより虐殺だ・・・


 まあしかし受けた仕事はキッチリこなさなきゃならん


 割り切っていくぜ」


そんな二人のやり取りを聞いてロクスは


エディとマーシーの肩に手を乗せ


「スマンな、お前たちに気の進まない仕事をさせてしまって・・・


 その分報酬は弾むからよ!?って俺が払う訳じゃないんだけどな」


三人は肩を抱き合って笑った、そんな三人の周りには


続々と屈強そうな戦士が集まりつつあった。






ここアミステリア公国のボレルガン城の玉座の間には


サラボルン国王を始め重鎮達がずらりと並び城の屋上に飛来した


援軍という者達を待っていた、そして足音がだんだん近づいてきて


広間の大きな扉が空いた


「お待たせいたしました、援軍の方々をお連れしました」


香奈を先頭に二人連れが玉座の間に入ってくる


一人は長い黒髪を揺らしながらしずしずと歩く美少女である


その美しい姿に一同は息を飲む、その連れの男は金髪の美少年だが


ポケットに手を突っ込んだまま辺りをきょろきょろと見回し


不遜な態度を取っていた、香奈の後ろにいたみゆきが


頭を下げ国王に挨拶する


「初めてお目にかかります、私は東条みゆきと申します


 そしてここにいる連れがステファン・レオと申します


 微力ながら援軍としてまいりました、以後お見知りおきを」


重鎮の並ぶ列に戻った香奈に小声で話しかけるチャングイ


「おいお嬢、あんな綺麗な姉ちゃんが本当にお嬢より強いのか?


 にわかには信じられないが・・・」


「おや、チャングイ将軍、それじゃあ私が綺麗じゃないから


 強いっていう風に聞こえますけど!?」


「いやそんなつもりじゃなくてだな・・・てゆうかお嬢も人が悪いぜ!?」


慌てて訂正するチャングイにクスリと笑いながら答える香奈であった


そして国王サラボルンが口を開く


「今回は我がアミステリア公国の為によくぞ来て下さった


 この国の王としてお礼申し上げる」


サラボルンが頭を下げる、みゆきは合わせて頭を下げるが


レオは聞いているのかいないのか?という態度で未だ辺りを


きょろきょろしている、そしてゲルハートが話始めた


「援軍の方がいらしてくださったので早速作戦会議に


 入りたいと思うのですがどうでしょう?」


「あのその前に話が・・・」


香奈が慌ててそう言いかけた時、レオが口を挟む


「作戦は俺のいう事を聞け‼それだけだ、俺が必ず勝たせてやるいいな‼」


レオのあまりの発言に一同声が出ない、そんな中真っ先に


口を開いたのはチャングイだった


「テメエ一体何様のつもりだ!?そもそもテメエは何者なんだ!?」


「あ!?何だオッサンやんのか!?」


場内に一触即発の不穏な空気が流れる慌ててチャングイを


止めようとして動き出そうとした香奈、その時またもや場内に


”ぱ~ん”という気持ちのいい音が響いた


「アンタは一体何を考えてるのよ‼馬鹿じゃないの


 常識ってものをわきまえなさいこの馬鹿‼」


みゆきがレオの頭をひっぱたいて凄い剣幕で説教してるのだ


納得いかない表情で反論するレオ


「なにするんだこのアマ!?こういう連中には一発


 かましてやらないと駄目なんだよ‼」


「なにが一発かますよ‼馬鹿じゃないの?


 アンタは常識ってものを雪山にでも置いてきたの?」


「いやでも結局俺の力で敵を倒すんだろ!?じゃあ俺のいう事


 聞いてろっていうのは間違ってないだろ?」


「間違ってるわよ、内容以前に色々間違っているのがわかんないの?


 本当にどうしようもないわねアンタは」


「お前だって色々おかしいだろみゆき!?そんなじゃじゃ馬だから


 拓斗にもフラれたんじゃないのか?」


みゆきの顔が真っ赤になっていき明らかに動揺した仕草を見せる


そしてさらに大きな声でまくしたてた


「な!?なにいってるのよアンタは、私は別にフラれてないわよ!?


 てゆうかなんで香奈ちゃんの前で・・・レオ‼アンタ一度死になさいよ‼」


「みゆき・・・お前わかっているのか?俺が死んだら


 お前も死ぬんだぞ!?」


二人のやり取りを唖然として見守る一同、チャングイさえも


茫然として一言も発する事ができないでいた


そんな二人を堪りかねて香奈が口を挟む


「あのみゆきさん、もうそのくらいで・・・」


香奈の忠告にハッと我に返り辺りを見渡すみゆき、そして皆の表情を見て


真っ赤になりながら深々と頭を下げた


「お見苦しい所をお見せしました、申し訳ありません‼」


そんなみゆきを見てレオが小声で伝える


「もう遅せーよ、お前のじゃじゃ馬ぶりが


 みんなに伝わって良かったな!?」


ニヤニヤしながら見下ろすレオの横で怒りに震えながら耐えるみゆき


チャングイが小声で香奈に話しかける


「あの姉ちゃんがお嬢より強いって意味わかったような気がしたぜ!?」


その言葉に苦笑いを浮かべる香奈、そして改めて発言した


「あのいいですか?作戦面を含めて最重要機密があります


 国王様と両将軍以外は一旦退場していただいてよろしいでしょうか?」


国王と両将軍以外の人間は一旦玉座の間より退場させられた


最後の人間が退場して扉が閉められた時、中から”ぱ~ん”という


凄い音がした、そして内密の話ということで集められた


サラボルン国王が口を開く


「さて、最重要機密というのは一体なんじゃな?」


その問いに香奈が答える


「はい、それはここにおられるレオ殿がドラグナイトの一人


 ということです、このことはなにとぞご内密にお願いします」


その言葉に思わずレオの方を振り向くサラボルン国王と両将軍


「なんと!?彼が拓斗殿と同じドラグナイトじゃと!?」


「なんてこった・・・伝説と言われた戦士がこんなに


 ゴロゴロしてるのかよ!?」


「なるほど・・・確かにそれならばたった二人の援軍でも


 勝算は十二分にありますね」


三人にマジマジと見つめられているレオがその空気を破る様に


「だからこの戦いは俺が勝たせてやる、しかしそれには条件がある


 さっきも言った様に俺のやり方に指図をするなという事・・・


 とは言ってもそちらに何かしろと言っている訳ではないから安心しろ


 そしてここからが一番のポイント、俺は今はまだ正体を隠していたい


 だから戦いが始まっても手を貸さない・・・」


レオのその言葉を聞いて思わず立ち上がるチャングイ


「なんだよそりゃあ!?それじゃあ援軍でもなんでもないじゃねーか!?」


今にも食って掛かりそうなチャングイを制止して改めて香奈が問いかける


「レオ様、戦いが始まっても手を貸さないとは


 どういう事なのでしょうか?」


レオが頭をかきながら質問に答える


「言い方がわかりにくかったようだな、要するにこれほどの戦力差がある


 戦いとなったら籠城戦になるんだろ?いくらここで秘密を守ると


 言っても俺がドラグナイト装備で戦ったらあっという間に


 敵味方それぞれにバレてしまうだろ!?」


その言葉に香奈を含む他のメンバーもはっと気付く


そしてレオが話を続ける


「だから日が出てる明るい内は俺は手を出さない


 逆に日が落ちて夜になったら俺が敵を殲滅してやる


 それが10万人だろうが100万人だろうが関係ない


 必ずお前らを勝たせてやる、条件は以上だ」


レオの提案に皆息を飲む、そしてゲルハートが口を開いた


「なるほど、つまり戦いが始まった初日の攻撃だけを


 我々だけで防げばよい・・・そういう事ですね?」


ゲルハートの問いかけにうなづくレオ


「しかしよいくらドラグナイトでもグランドレッドと


 グランシア軍10万人を一晩で壊滅なんてできるのか?」


チャングイの疑問にレオの表情が一瞬険しくなる


「俺を誰だと思っている、俺は闇の龍装備を持つダークドラグナイトだ


 夜の戦いなら世界中の軍隊を相手にしたって負ける訳がない


 一晩どころか一時間でカタをつけてやる、それよりコッチの心配より


 そっちは大丈夫なのか?」


レオのその言葉に表情が険しくなるアミステリアの一同


「確かにそうですね、相手はギルドチーム”グランドレッド”と


 グランシア軍10万人・・・夜までの一日持たせる事も


 至難の業です・・・」


香奈の言葉に気合いが入るチャングイとゲルハート


「なあにこの城は俺様が必ず守り抜いてみせるぜ、安心しなお嬢‼」


「そうですよ、我々の力で必ず守り抜いてみせます、夜までの


 たった一日でいいんですから、コルドバの援軍も


 もうすぐ到着するはずです」


両将軍に続きみゆきも口を開く


「及ばずながら私も力を貸すわ、必ず勝ちましょう‼」


その言葉にうなづく香奈と両将軍


その光景を嬉しそうに見つめるサラボルンであった。




今回はみゆきとレオのコンビの話です、しかし書いてるうちは気が付かなかったんですが見直してみると思ったよりみゆきが乱暴者な事に気が付き”こんなはずでは・・・”とちょっと困惑しています(笑)、おそらく二部構成で終わるとは思いますがまた懲りずにおつきあいください、では

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