男がゴロゴロしている間にpart1
『メイサの森』は『夢見の森』と重なる場所。『夢見の森』は異空間に存在している為、位置的には同じものの『夢見の森』に入りことはできない。その『メイサの森』でのとある一行のお話―――――
「おい! 早くしろよ!」
青年は森を駆ける。
「待ってよ~。カイル・・・早すぎ・・だよ~。」
青年の幼馴染がペースを落とすように促す。
「そうだぞ! このペースで進んで、魔物なんかに遭遇してみろ。スタミナ切れで戦えないじゃないか。」
青年の友人が正論をいうと「そうだな。」と青年は急ぐ足を抑え、ペースを落とすのだった。
「楽しみなのは分かるが、お前はもう少し慎重に行動すべきだぞ。」
「分かった。分かったから。そう怖い顔をしないでくれ。」
青年の友人は青年に普通に注意をしているつもりなのだが、もともと険しい顔が、さらに険しくなり、恐怖を抱かせる顔つきに変貌している。
青年の名は『カイル・ラ―ギンス』
冒険者になり、その名を世界中に轟かせることが彼の夢だ。カイルは田舎の村で生まれ、両親の手伝いをしながら、魔物を狩り、剣術を覚えた。
それをきっかけに『自身には戦う力がある』と確信したのだ。
そんな彼を心配し、
カイルの幼馴染である彼女『イリヤ・フェンディ』もまた田舎の村を飛び出してきたのだった。
カイルは両親に「俺は冒険者になる!」決意をしたと告げた。
条件として、『冒険者ギルド』に向かう道中に魔物に襲われる危険を考慮し、
同じく冒険者を目指すカイルの友人『ゲイル・ヴァンドレア』が同行することを条件に
カイルは村を後にするのだった。
ゲイルは、カイルと同じく冒険者を目指している身ではあるものの、剣術や知識はゲイルのほうがはるかに上である。カイルからしてみれば、道中の心強いパーティとしてだけではなく、
剣術を教えてくれる心強い友人としても尊敬していた。
今回のような注意のほかに、
『魔物に囲まれた際の対処法』や、『薬草の見分け方』等
冒険者になるには欠かせない知識を教えてもらい
カイルは『冒険者ギルド』に向かう中、冒険者としての『力と知識』を得ていくのであった。
「『王都』まではあとどれくらいかかるんだ?」
カイルたちが村を出発してからかなりの日数と時間を要している。
「そうだな。このまま何事もなければあと 1日 といいたいところだが、体力のある私とお前はともかく、イリヤの体力が限界だ。よって、2日と言ったところか。」
ゲイルとカイルはイリヤを見る。
息が荒く、手を膝におき、うつむく。
汗の量も尋常じゃない。
イリヤの体力はもうすでに限界だ。
どこか安全な場所で休憩をとるべきだろう。
「だな。イリヤここらで休憩にしよう!」
「ほんと? はあ~~。」
イリヤは休憩と聞いて力が抜けたのか、地面にへたり込んだ。
「このまま行ったら倒れるところだったよ。」
とイリヤは言う。
「近くに丁度いい場所がある。そこで一泊し、明日朝一に出発するとしよう。野宿になるが構わないか?」
ゲイルは、イリヤの状態を考え、明日の朝一に出発することをカイルに提案する。
「ああ。俺はそれで構わないさ。急ぎでもないんだ。ゆっくり行こう。」
そう これは急ぎの旅ではない。
『冒険者ギルド』で『冒険者申請』後『試験』さえ合格すれば晴れて『冒険者』として活動ができる。
『冒険者ギルド』は逃げたりしない。カイルの気持ちが早く冒険者になりたいと急いでいるだけなのだ。
「それに、俺はイリヤの体のほうが心配だ。俺なんかのために無理してついてきてくれているんだし。」
そう イリヤはカイルのためにわざわざ村を出てきた。
イリヤは『ヒーラー』職で、傷を癒すことができる。カイルは剣術を使えるがまだまだ素人である。
幼馴染としてフォローしてあげたいという彼女なりの気持ちの表れだった。
しかし、イリヤは傷を癒すことはできても、体力が少ないことは事実。よって現在の状況に至る。
「か、カイル~。」
イリヤはカイルの言葉に泣きそうになりながら、カイルの服を掴みギュッと抱きしめる。
「イ、イリヤ・・・・/////」
カイルはイリヤに抱きしめられ、顔が真っ赤になる。
ゲイルはそんなカイルとイリヤに
「イチャイチャするならよそでやれ。」
と吐き捨て、一人でさっさと野宿の準備をはじめに行くのだった。
神様「メイサの森と夢見の森は位置的にかぶっておるが、夢見の森は異空間にあるから『FREE』の世界に住む低lvの者は夢見の森の存在に気付くことはない。」
神様「む? この世界にも強敵はいるだろうとな? それはどうだろうな~。フフフ・・・。」