『大決闘演武大会』3回戦-男verー
『フィールド』
「開始!」
監督役の合図がでる。
俺は、右の相手を斬る。
ユウキは左の相手に矢を射る。
相手が動き出す前に俺とユウキは2人の相手を仕留めた。
その瞬殺劇に観客は湧く。
「上位者2人の一騎打ちだ!」
「決闘で見たかったなー!」
「馬鹿!もう決闘と変わんねーよ!」
と観客たちが言っている。
俺とユウキは一定距離を取ったまま向かい合う。
「弓の腕は一流だな。」
「貴方の方こそ、流石ですね。
ギルドマスターが認めただけの事はあります。しかし――――」
ユウキは弓を構えて矢を放つ。
「僕の敵じゃありません!」
『聖』属性が付与された矢が俺に向かって飛んでくる。
立ち位置をずらすが、矢は追尾してくるようだ。
『太陽の弓兵専用スキル:必中一殺』
『弓兵』職で習得できるスキルだ。
矢の攻撃力と命中率を増幅させる。
『斬るしかないか・・・。』
俺は、加減をして矢を斬り落とす。
と同時にユウキを鑑定した。
人間種/『太陽の弓兵』職
lv/35 名前/ユウキ・タリズマン
体力/10000
防御/ 7000
攻撃/10000
速度/ 6000
持久力/12000
魔力/ 6500
魔力量/10000
魔法適正/B
弓兵適正/B
『太陽の弓兵』職は『FREE』にも存在していた職だ。
武器に付与されている『火』や『聖』属性の威力が上がる。
ユウキの武器は『聖』属性・・・。相性は抜群だ。
流石Sランク冒険者と言うべきか、リーゼルとlvは同等。
攻撃力はリーゼルよりも勝っている。
矢を斬り落とした俺に、ユウキはさらに攻撃を仕掛ける。
『太陽の弓兵専用スキル:必中一殺』
『太陽の弓兵専用スキル:複数掃射』
スキルを同時使用している。
『太陽の弓兵専用スキル:複数掃射』は魔力量を消費し、放てる矢の本数を増やすスキルだ。
lvによって本数は変動する。
ユウキの放った矢は3本だ。
俺は、順番に矢を斬り落としていく。
「1本・・・2本・・・3本・・・」
一気に距離を詰めようと思えば詰められる。
俺はそれをしない。
ユウキが俺の実力をみたいように、俺もまた彼の実力を見たいからだ。
俺が『大決闘演武大会』に出場した目的だ。
俺が正確に矢を斬り落としたのを見て、ユウキの目の色は変わる。
「どうした?もう終わりか?」
俺は、挑発する。
「まだです!!」
ユウキは奥歯を噛みしめる。
ユウキは弓を構えた。
『太陽の弓兵専用スキル:必中一殺』
『太陽の弓兵専用スキル:複数掃射』
3本の矢が放たれる。
『同じことを・・・・。』
俺が矢を順番に斬り落としていると、ユウキが魔法を唱えているのが見えた。
『魔法/第2番:光の光線』!
光の光線が俺に直撃する。
魔法の衝撃で砂が舞う。
「これでどうですか・・・?」
ユウキは息を切らしていた。
『弓兵』職は集中力を使う。
矢を相手に正確かつ精密に射る為だ。
ユウキは集中力と精神力をすり減らしていた。
相手が強者であるほど、プレッシャーとなり、ユウキをむしばむ。
俺は彼の集中力と精神面に大きく影響を与えていたのだ。
砂が風で流され、俺が現れる。
「服と防具がボロボロになるだろ?」
『結構気に入ってるんだ。』
俺は、ユウキの攻撃を受けて無傷だった。
「な!?何故無事なんですか!?」
ユウキは驚いていた。
俺に魔法は確かに、直撃していた。
俺のステータス値は高い。正し、それは肉体面の話だ。
武器や防具には耐久値がある。
俺の防具はレア度が高いし、耐久値も高い。
魔法を使えば耐久値も戻る。
けれど、『それまでの間ボロボロの服を着ているのは嫌だ。』
前世でまともな服を着ていない俺は、『綺麗な服が好き』だ。
だから、防具や服もできるなら清潔を保ちたいのだ。
そこで俺が使ったのは―――――
『魔法/第5番:結界朱』
この魔法を覚えるには条件を満たさなければならない。
『FREE』をしていた時、覚えるのに苦労した。
この魔法は、『俺の周囲に防壁を張る』魔法だ。
ユウキの魔法を受けたのは俺ではなく、『結界朱』だ。
「俺も魔法ぐらい使える。さあ次はどうする?6位君。」
ユウキは、弓を構えて先程と同じ攻撃を仕掛ける。
『太陽の弓兵専用スキル:必中一殺』
『太陽の弓兵専用スキル:複数掃射』
先程よりも威力が籠っている。
魔力量を大分消費しているはずだ。
『Sランク冒険者の実力はこんなものか・・・。』
俺は追尾してくる矢を無視し、ユウキに向かって走り出す。
矢の速度に合わせ俺はユウキに向かって行く。
「教えてやろう。追尾効果のある矢は相手にあたるまで止まらない。
相手が、矢を放った本人の後ろに立ったらどうなると思う?」
「え?」
俺は、ユウキの後ろを取った。
そして、ニヤッと笑う。
ユウキの正面には自分の放った矢が迫っていた。
「う、うあああああああ!!」
ユウキは、自分の矢に襲われる。
首を貫き、わき腹を貫き、足を跳ね飛ばした。
ユウキは仰向けに倒れる。
首に矢が当たったことで、喉がつぶれていた。
「ヒュー――・・・。ヒュー――・・・。」
話せる状態ではなかった。
俺は、剣を握っている腕を天に突き上げる。
「勝者!『レイダス・オルドレイ』!」
観客席から歓声が上がると同時に回復要員が出てくる。
ユウキが治療されるのを俺は、黙ってみている。
ユウキは虚ろな目で笑みを浮かべた。
「あ・・・・・た・・・・か・・ち・・・で・・す」
言葉はとぎれとぎれで、聞き取れなかった。
けれど、気持ちは伝わった。
『貴方の勝ちです。』と―――――――
俺は、観客席に戻る。
―――――俺の3回戦目はこうして終わったのだった。――――――




