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人生をあきらめていた男  作者: 眞姫那ヒナ
~大決闘演武大会編~
53/218

『大決闘演武大会』3回戦-男verー

『フィールド』


「開始!」

監督役の合図がでる。

俺は、右の相手を斬る。

ユウキは左の相手に矢を射る。


相手が動き出す前に俺とユウキは2人の相手を仕留めた。

その瞬殺劇に観客は湧く。


「上位者2人の一騎打ちだ!」

「決闘で見たかったなー!」

「馬鹿!もう決闘と変わんねーよ!」

と観客たちが言っている。

俺とユウキは一定距離を取ったまま向かい合う。


「弓の腕は一流だな。」


「貴方の方こそ、流石ですね。

ギルドマスターが認めただけの事はあります。しかし――――」


ユウキは弓を構えて矢を放つ。


「僕の敵じゃありません!」

『聖』属性が付与された矢が俺に向かって飛んでくる。

立ち位置をずらすが、矢は追尾してくるようだ。


『太陽の弓兵専用スキル:必中一殺』


弓兵アーチャー』職で習得できるスキルだ。

矢の攻撃力と命中率を増幅させる。


『斬るしかないか・・・。』

俺は、加減をして矢を斬り落とす。

と同時にユウキを鑑定した。


人間種/『太陽サン弓兵アーチャー』職

lv/35 名前/ユウキ・タリズマン


体力/10000

防御/ 7000

攻撃/10000

速度/ 6000

持久力/12000

魔力/ 6500

魔力量/10000

魔法適正/B

弓兵適正/B


『太陽の弓兵』職は『FREE』にも存在していた職だ。

武器に付与されている『火』や『聖』属性の威力が上がる。

ユウキの武器は『聖』属性・・・。相性は抜群だ。


流石Sランク冒険者と言うべきか、リーゼルとlvは同等。

攻撃力はリーゼルよりも勝っている。


矢を斬り落とした俺に、ユウキはさらに攻撃を仕掛ける。


『太陽の弓兵専用スキル:必中一殺』

『太陽の弓兵専用スキル:複数掃射』


スキルを同時使用している。

『太陽の弓兵専用スキル:複数掃射』は魔力量を消費し、放てる矢の本数を増やすスキルだ。

lvによって本数は変動する。

ユウキの放った矢は3本だ。


俺は、順番に矢を斬り落としていく。

「1本・・・2本・・・3本・・・」


一気に距離を詰めようと思えば詰められる。

俺はそれをしない。

ユウキが俺の実力をみたいように、俺もまた彼の実力を見たいからだ。

俺が『大決闘演武大会』に出場した目的だ。


俺が正確に矢を斬り落としたのを見て、ユウキの目の色は変わる。

「どうした?もう終わりか?」

俺は、挑発する。


「まだです!!」

ユウキは奥歯を噛みしめる。

ユウキは弓を構えた。


『太陽の弓兵専用スキル:必中一殺』

『太陽の弓兵専用スキル:複数掃射』


3本の矢が放たれる。

『同じことを・・・・。』

俺が矢を順番に斬り落としていると、ユウキが魔法を唱えているのが見えた。


『魔法/第2番:ホーリー光線レーザー』!


光の光線が俺に直撃する。

魔法の衝撃で砂が舞う。


「これでどうですか・・・?」

ユウキは息を切らしていた。


『弓兵』職は集中力を使う。

矢を相手に正確かつ精密に射る為だ。

ユウキは集中力と精神力をすり減らしていた。

相手が強者であるほど、プレッシャーとなり、ユウキをむしばむ。

俺は彼の集中力と精神面に大きく影響を与えていたのだ。


砂が風で流され、俺が現れる。

「服と防具がボロボロになるだろ?」

『結構気に入ってるんだ。』


俺は、ユウキの攻撃を受けて無傷だった。


「な!?何故無事なんですか!?」

ユウキは驚いていた。

俺に魔法は確かに、直撃していた。

俺のステータス値は高い。正し、それは肉体面の話だ。

武器や防具には耐久値がある。


俺の防具はレア度が高いし、耐久値も高い。

魔法を使えば耐久値も戻る。

けれど、『それまでの間ボロボロの服を着ているのは嫌だ。』

前世でまともな服を着ていない俺は、『綺麗な服が好き』だ。

だから、防具や服もできるなら清潔を保ちたいのだ。


そこで俺が使ったのは―――――


『魔法/第5番:結界朱けっかいしゅ


この魔法を覚えるには条件を満たさなければならない。

『FREE』をしていた時、覚えるのに苦労した。

この魔法は、『俺の周囲に防壁を張る』魔法だ。

ユウキの魔法を受けたのは俺ではなく、『結界朱』だ。


「俺も魔法ぐらい使える。さあ次はどうする?6位君。」


ユウキは、弓を構えて先程と同じ攻撃を仕掛ける。


『太陽の弓兵専用スキル:必中一殺』

『太陽の弓兵専用スキル:複数掃射』


先程よりも威力が籠っている。

魔力量を大分消費しているはずだ。

『Sランク冒険者の実力はこんなものか・・・。』


俺は追尾してくる矢を無視し、ユウキに向かって走り出す。

矢の速度に合わせ俺はユウキに向かって行く。


「教えてやろう。追尾効果のある矢は相手にあたるまで止まらない。

相手が、矢を放った本人の後ろに立ったらどうなると思う?」


「え?」


俺は、ユウキの後ろを取った。

そして、ニヤッと笑う。

ユウキの正面には自分の放った矢が迫っていた。


「う、うあああああああ!!」


ユウキは、自分の矢に襲われる。

首を貫き、わき腹を貫き、足を跳ね飛ばした。


ユウキは仰向けに倒れる。

首に矢が当たったことで、喉がつぶれていた。


「ヒュー――・・・。ヒュー――・・・。」


話せる状態ではなかった。

俺は、剣を握っている腕を天に突き上げる。


「勝者!『レイダス・オルドレイ』!」


観客席から歓声が上がると同時に回復要員が出てくる。

ユウキが治療されるのを俺は、黙ってみている。


ユウキは虚ろな目で笑みを浮かべた。

「あ・・・・・た・・・・か・・ち・・・で・・す」

言葉はとぎれとぎれで、聞き取れなかった。

けれど、気持ちは伝わった。

『貴方の勝ちです。』と―――――――


俺は、観客席に戻る。


―――――俺の3回戦目はこうして終わったのだった。――――――


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